1。ひろったオンナ? いつものごとく残業帰りのコンビニで夜食代わりの弁当とお茶を買いアパートに急ぐ。 近道の公園を横切ろうとしたときに人が倒れているのを見つけた。 服装を見るとなんか女性のようだ、急いで駆け寄り抱き起すと、うわ! フリルいっぱいのブラウスにタイトスカート、ショートジャケットで服装はOLの仕事帰りに見えなくもないが? それを着ているのは小太りのオヤジ、しかもずれたウィッグから半分禿げた頭が見える。 年齢は40代〜50代?これはオカマか?女装か? そういえばこの公園はホモの発展場だと聞いたことがある。 近所のおばちゃんたちがこの先の公園で女装の変態が・・とうわさ話をしてたのを思い出した。 どうも様子からみるとこのオカマはオヤジ狩りにあったようだ。 女装者は被害にあっても女装している弱みがあるから被害届も出さないだろうと思われるようだ。 そのまま放置するのも人として気が引けるのでアパートまでおぶっていき、手当てをしてやった。 しばらくすると気がついたが突然おかしなことを口走ったのだ。 「え、ここどこ?あたしは?なんでこんな???」身体をあちこちと触り、そして洗面所で鏡を見ると・・ 「きゃーイヤー」自分の顔をつまんだり叩いたりして大騒ぎしだした。 本人が言うのはわたしはハタチのOLなのよ、なんで体がこんなになっているの? そして、あたしは誰?名前が思い出せない・・ときた。 警察に届け、ついでに医者にも見てもらったが「どうもショックで記憶喪失になっているようですね、そして自分を20歳の女の子だと思い込んでいるようです?」 身元の確認しようにも財布など持ち物全部を犯人に持ち去られているので全く不明とのこと 家族があればそのうち捜索願か失踪届が出るでしょうと警察の担当者が冷たく言う。 事の流れで身元が判明するまで俺が保護することになってしまった。 マジで若い娘ならうれしいけど中年のハゲオヤジだぜ?! 着るものがないのでとりあえずLL寸のスェットスーツを買い与えた。あとパンツとランニングシャツを買ってやろうとしたが 頑強に抵抗され婦人物のスリーマーとショーツを買わされてしまったが女物の下着を持ってレジに並ぶのはマジで恥ずかしかった。 数か月経ったがオッサンの身元についてはまるで判明しなかった。警察に聞いても捜索中の一点張りだった。 とにかく何もわからないのでどうしようもない、同居については大家さんに交渉して身元が判るまでという条件で認めてもらえた。 警官の口添えもあったのがよかったみたいだ。 オッサンは毎日やることがないのでアパートの周辺とかのゴミ拾いや掃除なんかをやっていた。おかげで大家さんの印象は良くなったようだ。 大家さんの奥さんなどは喜んで作りすぎたからとか言って晩のおかずなんかをもってきてくれたりした。 俺の部屋は1DKだ、当然寝るときは同じ部屋なんだがオッサンは未だに自分は女だと思っているので俺とできるだけ離れて寝るようにしている。 ちなみに布団は1組しかないのでオッサンにはキャンプで使う寝袋を使ってもらってる。 着てるものは相変わらずスェットスーツだ。まあオレの分も含めてこまめに洗濯はしてくれるので助かってはいる。 更に1か月も経った頃どこかに働きに出たいと言い出した、一文無しだし居候してるのは肩身が狭いようだ。 だが、どこの誰かもわからない状態ではアルバイトもできやしないので大家さんに頼み込んで保証人になってもらった。 前述のことがあるので気分良く受けてくれた。おかげで近くのコンビニでアルバイトができることになった。 時間はフレキシブルで朝早くだったり夜遅くだったりするが文句も言わないで勤めているようだ。 オッサンはハゲ頭とか太った身体が気になるようで暇があると運動している。おかげで最初に比べるとかなり細身になってきていた。 とにかく最初80Kくらいあったのが今では60Kを切るくらいになっている。 この頃は料理もやっているようだ。 留守中にパソコン使ってインターネットでいろいろ調べているようだ、レシピなんかを印刷してそれを見ながら料理している。 それと何となくだが身体のラインがやさしくなったような気がしていたが、棚に隠して飲んでいるサプリらしきものがあった。 どうも女性ホルモンらしい?自分はオンナだと信じているのがなんか涙ぐましく感じた。 最近は着るものも変わってきた、Tシャツにデニムパンツが多くなったがTシャツは胸もとが大きめだしデニムはポケットの形を見る限りレディースだった。まあ男物も女物も大した差はないが?? それになんか胸あたりも少々出っ張ってないか?ブラジャーしてるみたいだし?? つまりわかりにくいレベルではあるが女装してるってことになる。 ふとオッサンの顔を見るとなんか白っぽい?よく見ると薄化粧をしているようだ。 頭も女性ホルモンの作用か?毛が増えてきたような?? オッサンと同居してそろそろ8か月・・もうすぐ年を越しそうな時期になった。 このころオッサンはゆったりしたセーターとかトレーナーと毛糸の帽子をかぶるようになってた。 だからオッサンの身体がどうなってるのかわからず、俺も無関心になっていたのだが? ある日俺が仕事から帰るとオッサンは風邪をひいたのか高熱をだして苦しんでいた。 寝袋の中でゲホンゲホンと咳をして苦しんでいるので布団のほうに移動させ、汗びっしょりなので身体を拭いてやろうとした。 なんか抵抗したがかまわずスェットを脱がす、知らない間にずいぶん細くなったな?と思った。 洗面器にお湯を汲んできてタオルで拭いてやろうと前を向かせたときびっくりした。 そこにはけっこうな大きさの乳房が2つ並んでいたのだ。BかCくらいか?? 毛糸の帽子をとるとふわっと前髪が垂れた、ふさふさとはいかないが髪の毛もかなり生えてきてるようだ。 お湯を絞りタオルで前と背中を拭いてやりあたらしい下着と替えてやる。 ずいぶん細くなったなウェストもけっこう締まってるし? ふと顔を見るとドキっとした、なんかえらく女ぽく見えたのだ。 気づくと俺のチンボが固くなっていた 次の日、オッサンの熱はさがったけど念のためコンビニのバイトは休ませてから俺は会社に出かけた。 仕事が終わってアパートに帰りドアを開けようとすると良い匂いがしてきた。 そっとドアを開けると髪の長い女性がエプロンをして台所に立っていた。 「あ、おかえりなさい」振り向いた顔はオッサンだったが、ちゃんと化粧していて女性に見えた。 薄紫の薄手セーターに紺のフレアスカートというスタイルだった。 「あ、どうしたの?」と聞くと 「ごめんなさい、熱が下がったんで夕飯つくろうとしたけど材料がなかったんで買ってきたんです」 「病気上がりでそのまま外に行くのになんか恥ずかしくて女装して行っちゃったの」 「そっか」 「帰ってきてそのまま料理始めちゃったから、こんな姿ですみませんイヤなんですよねキモチ悪いでしょう?」 「いや、そんなに気にしてないよ、ちょっとびっくりしちゃっただけだから」 「これもうすぐできるるから、そしたらすぐお化粧落としますね」 「いや、いいからそのままで」俺はそう言って洗面所に行って顔を洗い、気を落ち着かせた。 俺が知ってるオッサンはハゲでデブで下っ腹出てて、加齢臭が漂ってくるような中年オヤジだぞ? それがいつの間にかキレイな女性になっちまってる、どうなってるんだ? 「できましたよ」声がしたので俺は部屋着にしているトレーナーをひっかけてダイニングに行く。 名前はしらないが牛肉をワインで蒸し焼きにしたような料理だ、たっぷりのサラダボールがテーブルの中央にある。 もう女性にしか見えないオッサンと差し向かいで夕食をとる、こういう雰囲気もいいなと思いながら食べる。 「その髪、ウィッグ?」 「え、はい」 「いい色だね、よく似合ってるよ」そう言うと 「ええ、どうしてもまだ地毛が揃わないんで通販で買いました」恥ずかしそうに答える。 「そうなんだ、高級そうだね高かったんじゃないの?」 「ちょっとは・・でもお給料入ったんで、ごめんなさい食費とか入れないといけないのに」 「そういうのは気にしないでいいよ、1人も2人も食費は変わんないから」 「でも」 「もういいから〜これおいしいね、料理は練習してるの?」 「はい、なんかお役に立ちたくて」 「いやあいいね帰るとあったかいご飯が待ってるのって」これは本音だ。 以前はスーパーの売れ残り総菜かコンビニの弁当が定番の夕飯だったんだ。 夕飯が終わると寝室兼居間に移り壁にもたれてTVを見る。 すると食事の片づけをしたオッサンが缶ビールとコップをお盆にのせて部屋に入ってきた。 それをTVの前の小さなテーブルにおいてから缶ビールの栓をあけコップに注ぐと俺の前に置いてくれた。 「お、悪いね」 「いえ」 「あんたも飲みなよ」と誘うとにっこり笑い台所からもう1つコップを持ってきたので注いでやる。 「おいしいです」両手でコップを抱えるようにして飲んでいる。 「そちらだとTVが見にくいだろ、こっちに並んで見なよ」と言ってやる。 まだその時点では変なことをする気はなかったのだが? 横に座って並んでTVを見てるとなんかいい香りがするようだ。 となりに座ったオッサンから漂ってくるようだった?オッサンの香りは加齢臭のはずだが?? 「なんかいい香りだね、香水かな?」と聞いてみると 「あ〜これはサプリメントなんですよ、飲んでると体臭がバラの香りになってくるんだって」 「へえ〜そうなの?クンクン・・」オッサンの首筋に鼻を近づけて嗅いでしまった。 「やだ〜」オッサンが両手でおれの胸を押しかえす。 そう言えば最後に女を抱いてからもう2〜3年は経つ、仕事の忙しさに風俗へ行くヒマもなかったが? 久し振りに嗅ぐオンナ?の匂いに俺の下半身は臨戦態勢になっていた。 その時には目の前のオンナが女じゃないということをすっかり忘れていた。 押し返された手をつかみグイと引き寄せる、あ、という声をあげて俺の胸に倒れ込むオンナ。 俺はオンナの唇を俺のそれでふさいだ。 イヤイヤするように身をよじるオンナを抱きしめて口の中に舌を侵入させそれをしゃぶった。 抵抗はするが決して嫌がってはいない、オンナの舌が絡みついてくる。 セーターの下に手をかけ持ち上げるとブラジャーが見えた、その中に手を差し込むと小ぶりだがぷっくりとした乳房があった。 抵抗されないように片手で背中から反対の腕をつかんで固定してオンナの両手を封じてやった。 乳房に顔をうずめて乳首をしゃぶる、俺の下半身はもう爆発直前になっている。 開いた手をスカートの裾から差し込みパンティに手をかけて引き下ろした。 その時、俺の手にさわったものは?おもわず手に握ったモノ?・・・それはオンナにあってはならないものだった。 突然、俺は現実に引き戻されてしまった。このオンナは女じゃない男!それどころか中年のハゲオヤジだったんだぞ?! 数か月前の公園で助けた女装オヤジの顔が浮かんでくる。 俺は思わずオンナ・・女装したオッサンを突き飛ばした。 突き飛ばされたオッサンは呆然として俺を見つめていたが突然立ち上がり服を直すとサンダルをひっかけて外に飛び出していった。 俺はなんてことをやってしまったのだろう?自己嫌悪の気持ちが湧き上がってくる。 オンナではなくオッサンだということはもとより承知していたはずだった、それを俺は一時の気の迷いでとんでもないことをやってしまったと感じた。 俺はハッと気がつくとサンダルをひっかけて外に出た。 オッサンはここより他に行くところなんかないはずだ俺が迎えに行かないといけない。 そんな気持ちだった、たぶんあそこだろうと思ったとこは、そうあの公園だった。 オッサンはベンチに腰掛けて首を垂れていた、なにを考えているのだろう、許してくれるかな? 俺はそっと後ろから近づいていき、そっと肩に手をかけた。 ビク!と振り向いた顔は涙でくしゃくしゃになっていた。 「ごめん、俺は」言葉少なく謝った。今はこれ以上言っても言い訳にしかならない。 「いいの、わたしが誘うようなことしたから?あなたは悪くないわ」 「冷えるよ、また風邪をひくといけないから帰ろう」 「いいの?わたし男だよ。こんなオヤジ気味悪くない?」 「いや、そんなことは承知だったはずなんだ、それを忘れた俺が悪いんだ。許してくれそして戻ってくれないか」 「そんな・・あなたがいいなら」 俺はそっと立ち上がらせると肩を抱いて歩きだす。 オッサンはびっくりしたような顔で俺を見つめる。 俺は正面に向きなおり、もういちど抱きなおした。そして見つめるオッサン・・オンナの唇にもう一度キスをした。 「なんで?」 「これが俺の気持ちだ、俺はホモじゃないから男は抱けないが今のアンタは間違いなく女だと思うよ」 オッサンは何も言わないで俺を見つめている。 「SEXする気はないけど今の俺は女としてしかあんたを見れない。俺の彼女になってくれ」 再びオッサンの眼から涙があふれだす。 「泣くなよ、美人が台無しだよ」 「ごめんなさい、これじゃあ愛想つけられちゃうね、帰ったらメイクしなおすから」 「ああ、そうしてくれ」 その晩俺たちは初めて1つの布団で一緒に寝た、もっともSEXは無しだ。 俺の腕の中で眠るオッサンは可愛かった。 次の日から変わったことは俺が朝出勤するときにはオッサンとお出かけのキスをするようになったことだ。 オッサンは恥じらいながら俺の首に腕を回して俺の口づけを受けている。 そしてそれからオッサンはきっちり化粧をするようになった。 周囲が何事もなくオッサンを女性として受け入れているのが不思議だった。 自分に関係なければなんだっていい?案外世の中はそうしたものかもしれないなと思った。 俺は30をちょっと越えた歳だがオッサンはいくつだろう? 聞いてみたら言いづらそうにしていたが48って小さな声で告白した。 15歳以上年上?マジかよ〜て思ったが日頃の努力かオッサンは化粧すると見た目は30代に見えた。 実年齢はともかく見た目の俺たちは釣り合いが取れているようだ。 しかしSEX無しとはいいながら布団の中で目の前に女の顔があるのになにもできないというのは無理な話だ。 最初は抱きしめてキスを楽しむくらいでも満足できたが段々と慣れてくると欲求はエスカレートするものだ。 まして俺は男盛りだしムラムラするのは当然だ、だから時々俺は隠れてオナニーをした。 オッサンの唇と乳房を味わい、両手で乳房をもみ腰からお尻をなでる。 下半身を絡ませ腰を押し付けあう、あそこに刺激があるがそれは無視する。 充分にペッテイングを楽しんでから眠るのだが、ムラムラは納まらない。 オッサンが眠ったことを確かめて背中を向けてムスコをしごくのだが思い描くのはないはずのオッサンの割れ目だった。 ある朝、起きぬけに下半身に違和感を感じて掛け布団を持ち上げてみたらオッサンがおれのムスコを咥えていた。 一生懸命頭を上下して舌をまとわらせる、俺は黙って枕に頭を戻してするがままにさせた。 快感が極まり俺のムスコから白濁の樹液が噴出したのをオッサンはそのまま口で受けて飲み込んでしまった。 「ありがとう、でもよかったのか?」 「いいの、いつもつらそうだったから」そう言ってオッサンは洗面所へ行って口をゆすいでいた。 その晩からペッテイングのあとオッサンはフェラをして抜いてくれるようになった。 挿入という行為がないだけで俺とオッサンの間には普通の男女と変わらない関係が生まれたのだ。 俺のオッサンに対しての気持ちはさらに変わった。 ささやかな金額だがボーナスが出た。その帰り道、俺はあるものを買った。 そしてオッサンのスマホに電話を掛けた。 「今日は外食するから駅前で待ってる」電話を切ってから夜空を見上げる。 オッサンを助けた夜のことを思い出す。 あれからそろそろ9か月になるがオッサンの身元はいまだに不明だった。 このまま・・あらぬ思いが頭をよぎる。うん、無理だ・・頭を振って思い直した。 「ごめん、まった?」オッサンがスカートを翻して駆けてくる うん、この頃一段と可愛くなった気がする? 食事をして食後のワインになった時、俺は買っておいた指輪を差し出した。 「結婚してくれとは言わないけど・・これからも一緒にいてほしい」 驚きとうれしさに目を見張るオッサン。 その夜の営みは一層激しいものになったのは言うまでもない。 暮が押し迫ったある日、会社で警察署に届を出す用事があり書類をもって出かけた。 所定の部署に書類を提出し会社に戻ろうとした時、ふと目に入ったのが家出人の捜索願ポスターだった。 何人かの家出人、もしくは行方不明の人の顔写真が出ていた。 そのうちの一人・・オッサンに似ているような気がしたが今のオッサンとはまるで似てもいない。 1年近く前に見た顔はもううろ覚えでしかない。 近くにいた婦警に「あの、この人なんですが」と尋ねると、詳しいことは教えれないが”近藤”という名前だけは教えてくれた。 「どこで見た?」とかいろいろ聞かれたが記憶がはっきりしないからとはぐらかした 手に広げてもった書類は詳しく見せてはもらえなかったが、元に戻すときに依頼人の連絡先である住所の町名が見て取れた。 俺は会社に戻るとインターネットで町名を検索してみた。 同じ町名は全国にいくつかあったが少なくとも住んでたのはこの地方のはずだ。 20Kほど離れたところにその町はあった。 次の休み、俺は休日出勤と言ってその町に出かけ”近藤”という苗字を探した。 若い人は携帯だけで家電話なんて持たないがオッサンの年代では家電話というのはある意味でステータスなのだ。 電話帳で探せば当たる確率も高いはずだ。 ”近藤”という苗字の家は5軒あった、それを順番に当たる。 周辺でご主人がいなくなったという噂があればビンゴだ。 3軒目でそれらしい家に当たった。遠目に見た奥さんは40代半ばか?娘さんが二人いるそうだが見た限り父親がいなくなった悲壮感は感じられなかった。 それと奥さんと一緒にいた男性が気になるところだ。 近所の奥さんに道を聞いたふりでそれとなく聞いてみたら、どうも旦那がいなくなってから男を引き込んでいるようだと興味深々で話す。 更に娘2人もその男になついているようで休日に4人一緒に遊びに出かけるのをよく見ると言っていた。 どうも俺をその男の奥さんが依頼した探偵と勘違いしたようで鼻高々で告げ口する。 他人の不幸は蜜の味ってやつだ。 俺はもう一度その男を見た。どこかで会ったか? 家に戻る電車の中で必死に考えた、そして思い出した。 駅前で何度か、そしてあの公園でも見かけたことがある。 男はオッサンのことを知っていた?いやまさか・・・ 何度かその町に通い奥さんと娘、そしてあの男のことを調べた。 男はオッサンの勤めていた会社の上司であり、なんと奥さんはその男の部下で元愛人だったようだ。 奥さんは当時不倫相手のその男の子供を身ごもりオッサンを誘惑して結婚したのだ。 そしてその男との関係は続き2人目の娘もその男の子供だった。 オッサンはうすうすそれを知ったが相手は会社の重役、絶望から酒に走りふと入った女装スナックで女装することで現実の社会から逃げることを覚えた。 最初は店の中だけだったがやがて出歩くようになり発展場として知ったあの公園に行くようになった。 そして女装オヤジ狩り?に合い、頭を強打して記憶を失ったというわけだ。 奥さんは当初、帰宅が遅くなったオッサンの浮気を疑い探偵を雇って調べオッサンの女装を知ったが元々オッサンへの愛情はないので離婚するときに突きつけるつもりで黙っていた。 男はオッサンが帰宅せず行方不明になったと奥さんから相談を受けて、女装の事を知りあの公園も訪れたことがある。 そこで記憶喪失のオッサンの話を聞き、実は俺のアパートで暮らしていることも突き止めていた。 遠目に見てオッサンが家にはもう帰ってこないだろうと考えオッサンの家に入り浸るようになったというわけだ。 2人の娘には奥さんが父親の女装癖のことをそれとなく話していたので嫌悪していたのと出入りする男は元々が血のつながる父親だから親近感を覚え、また男も実の娘だからこそ可愛がったので仲はすこぶる良かった。 今になってオッサンの捜索願が出されたのはもう元に戻ることはないだろうと考えたのと1つは生命保険と家のローンだった。行方不明者は失踪して7年経つと死亡として扱われる、だから届を出して7年待てば2000万円の生命保険が得られ10数年残った住宅ローンが消え去るのだ。 男は数年前に離婚しているのでそのままオッサンの奥さんと結婚するつもりだったのだ。 幸か不幸かオッサンの記憶は戻らずオッサンは自らを女性として変えていく。 オッサンは現実逃避の願望が強かったので心の中ではできたら20歳くらいの女性として生きたいと願っていた。殴られて記憶喪失になった時、その想いだけが残り自分は20歳の女だと強く思い込み、どこかの中年オヤジと身体が入れ替わったと思い込んだというわけだ。 なにもわからない状態ではそんな不条理な考えでもすがるしかない、オッサンはダイエットと女性ホルモンやサプリで女に戻ろうとしたのだ。 事実を知り俺は迷った、オッサンにこれを教えるのか否か?そしてオッサンは記憶を取り戻すことができるのか? そうなったら??オッサンは幸せか?事実を知ることが残酷である場合は多いものだ、知らぬが仏という言葉もあるくらいだ。 そして俺は彼女を失うのが怖かった。 アパートに帰るとオッサンは微笑みながらやさしく出迎えてくれた。 俺は思わず抱き寄せて口を吸う、オッサンもそれに応えてくれる。 ああ、このオンナは俺のものだ誰にも渡さない、返さない、そう決めた。 この事実はどうやって知ったのか?実は俺は男と会ったのだ。 そして事の本意を知り、取引を持ち掛けた。 それはオッサンは俺が今後も面倒を見ること、前の家族の元には戻らせないこと。 その代わりとして1000万をオッサンの手切れ金としてもらうことだった。 男は渋ったが万一の心配がなくなるならと承諾した。 ただ手切れ金は500万に値切られたがそれだけあればオッサンの性転換費用には間に合うはずだ。 オッサンにその気があるかはわからないが、今のオッサンの身体だけでも元の家族に戻るのは不可能だと思った。 それに俺はオッサンと生涯を共にする気だった、あのオンナは誰にも渡さん。 最後の仕上げだ、俺はその夜オッサンとの閨で想いを遂げることにした。 布団に入り見つめあう。 腕枕のようにオッサンの首の下から手を回し引き寄せる。 オッサンは俺の胸にすがるように抱かれる。 俺を見上げて唇を差し出すように目をつぶり、おれの唇を受ける。 俺は唇をなめるようにして舌を侵入させそこにあるオッサンの舌と絡ませる。 しばらく濃厚なキスを楽しみながら、この頃いっそう大きくなってきた乳房を愛撫する。 Cくらいになったか?金に余裕があったらもっと豊胸させてもいいな?と思う。 揉みながら乳首をなめ、軽くあまがみすると「アン!」とちょっと太い声でもだえる。 声はもうちょとなんとかならないか?・・声帯の手術てのもあったかな? ウェストもかなり絞れている、ウェストニッパーというものを常につけているからだろう。 お尻を撫でまわす、たっぷりと肉付きのいい尻だ。俺はつかむようにしてこねてオッサンの尻を楽しんだ。 ふとした拍子に俺の指がオッサンのアナルにさわった、というか指先1関節分が尻孔にはまった。 尻孔に入った指にしっとりとした尻孔の壁が絡みついた。 ここに入れたら?俺の頭によぎるのは完全な結合だ。 俺の顔を見るオッサンの目は期待するように濡れている。 俺の心は決まった、オッサンを正面から組み敷きその両脚を広げて担ぐようにする。 オッサンのアナルが目の前にそれを待つようにヒクヒクと動き広がっている。 俺はオッサンの目を見ながらうなづく、オッサンも俺にうなづき返した。 俺はペニスを持ちその先端をオッサンのアナルに当てぐりぐりとこじ開けるように侵入させる。 オッサンは少し顔をしかめたが苦痛を感じてはいないようだった。 亀頭が入ったところでいったん動作を止め、俺はオッサンと顔を見合わせた。 オッサンは輝くばかりに嬉しそうな顔をしていた。 「もうちょっとだ、我慢な?」 「はい」 そして俺のペニスはすべてがオッサンのアナルに納まった。 「一緒になれたね」 「うれしいわ、あなた」 俺はそのままの姿勢でオッサンにキスをした。 そして抽走が始まる、ゆっくり2回早く1回、やさしく激しく俺はオッサンを愛した。 オッサンのアナルは俺のペニスにまといつき、時に強く締めてくる。 みるとオッサンのペニスも先端から半透明のしぶきをあげて踊っているようだ。 そして俺が絶頂で逝った時、オッサンのペニスからも白いしぶきが飛んだ。 事が終わったが2人はまだ結合したまま抱き合って眠りにおちた。 朝になって目が覚めた時、結合は解けていたが2人は見つめあい微笑みあった。 「おはよう」「おはようございます」あいさつ代わりのキスを交わす。 新しい1日が始まる。 2.オッサンの変身 あの日気がついたら何もかもが無くなっていた。 見おぼえない天井を見ながら傍らの男から話を聞いた。 公園に倒れていたということと持ち物は何もなかったということだった。 ふと下半身に手が行った時、思いがけないものが手にさわった。 うそ!こんなものがわたしの股間にあるわけがない? わたしは20歳の女の子のはずだ、そう叫んで洗面所に駆け込んだわたしが見たものは 鏡の中の見知らぬオヤジの顔だった。 「きゃ〜〜」わたしの声が響きわたるがそれは太い男の声だった。 うろたえ泣き叫ぶわたしをなだめたのは目覚めた時そばにすすめられたいた男性だった。 警察官が来て説明してくれたのはわたしは夜の公園でオアヤジ狩りにあったということだ。 持ち物なんかは襲った犯人がすべて持ち去ったたようで身元を聞かれたが何も思い出せなかった。 医者の言うには頭に傷があるので殴られたショックで軽い記憶障害が起きているらしい。 でもわたしの意識ではわたしは女なんだけど周囲は中年男性と認識しているようだった? わたしは訳がわからないまま助けてくれた男と暮らしている。 お金もないので男に働きたいと言ったら、名前も不明だし身元保証になるものもない、 それでは働く場所を見つけることもできないけど何とかならないかと大家さんに話してくれた。 その頃、やることがないのでアパートの周辺の掃除や草むしり、修繕などしていたので 大家さんは働きたいならということで知り合いのコンビニに話してくれた。 気安く保証人にもなってくれたのでおかげで時給は安いが働くことができるようになった。 わたしは自分が女だと思っているのでこの身体はどうしてもいやだった。 だから毎朝起きたら走り、ダイエットもやりいろんな運動もやった。女らしくなるために女性ホルモンやサプリを通販で買い服用した。 おかげで数か月経った今では体重も20Kg以上減り、胸も大きくなって少しはマシに思えてきた。 わたしを助けてくれた男と同居している、わたしは身体はともかく気持ちは女なので一緒に寝るのも抵抗がある。 だからできるだけ離れて寝袋で寝ている。 その頃だった、コンビニの仕事が終わってアパートに帰るときあの公園を通りかかった。 ここで襲われたんだね、男がひとり立ってこちらを見ている。 だれだっけな?どこかで見た記憶が・・そう思った時頭がズキンとした。 唐突だった、わたしはすべてを思い出した。 気づくと男はいなくなっていたがその男はわたしの会社の上司だった。 そして妻の浮気相手でありそれどころか2人の娘の父親だった。 わたしは特にハンサムでもない特徴のないのっぺりとした顔だった、学生時代から特に運動するでなし 勉強ばかりしていた。おかげで就職はそこそこの会社に入れたが女にももてず仕事にのめりこむ毎日だった。 気がつけば30を越えてまだ童貞、魔法使いになれるかな?なんて思っていた。 そんな時に上司が彼女を紹介してくれたのだ。 若くて美人だ、仕事中にボーとするくらい夢中になり、時間が許せばデートした。 そして彼女から誘われてホテルへ、必死になって初体験をした。 しばらくして彼女が出来たという。わたしは上司に相談して結婚をすすめられた。 話しはトントン拍子に進み、わたしは上司に感謝した。 さらに上司の推薦で係長に昇進し家も買った。 やがて長女が生まれたがその頃へんなうわさを耳にしたのだ。 それはわたしの妻がまだ勤めていた頃その上司と不倫関係にあり、妊娠したのでうだつの上がらない部下に押し付けたというものだった。 そしてその関係はまだ続いているとかいないとか? そうこうしてるうちに2人目の子供ができた。また娘だった、わたしは病院で妻と赤ん坊の血液型を聞いた。 わたしの血液型はB、妻はO型だから生まれてくる子供はBかOでなければならない。 しかし赤ん坊はAだった、もしやと長女の血液型も調べてみたら同じくAだった。 そして上司の血液型もA、わたしは騙されていたのだ。 わたしは悩んだ、しかし形だけでも幸せな家庭だ、それを失いたくなかった。 毎日飲んで帰宅するのは遅くなった、妻も娘も冷たい目で見てやがて何も言わなくなった。 ある日ふと入ったスナックで変わったものを見た。 それは女装して騒ぐ男達の姿だ、楽しそうに笑っている。 そこは女装スナックいう男が女の服装を楽しむ場所だった、多くの女装者はサラリーマンで日頃のストレス発散で女装しているという男が多かった。 ママにすすめられてお試しと女装してみるとこれが楽しかった、少なくてもあの嫌なことは忘れられる 自分の風貌と体格ではどう女装しても女には見えなかっただが変身して自分以外の人になるということで わたしは女装にハマりその女装スナックにロッカーを借りるまでになった。 やがて店の中だけで飽きたらず、街を徘徊するようになる。 公園で襲われたのはそれから少し後のことだ。 記憶が戻ったわたしは悩んだ、一時は本気で自分は女だと信じ女性ホルモンで乳房まで作ってしまった。 こんな体でどうして家に帰れよう。 それに家に戻ってもわたしを夫として父親として迎えてくれる人間がいるのだろうか? 公園で襲われる少し前に、休日に家で見た娘の眼は他人を見るような冷たさだった。おそらく妻がなにかを吹き込んでいたのだろう。 一緒に住んでいる男はやさしかった。 彼は男には興味ないだろうがもしかしたらこんな自分でも受け入れてくれるかも? そんな思いで男を見るようになった。 記憶が戻ったことは男にも誰にも言わないことにした。 その日はコンビニは忙しく納品から店頭への品出しと飛び回った、さらに急に休みになったアルバイトがいてそのシフトもカバーとアパートに帰るころにはへとへとだった。 そのおかげか風邪をひいてしまったようで寝袋の中でガタガタ震えていた。 そんなわたしを男はかいがいしく介抱してくれた。 自分の布団に寝かせてくれて汗を拭いてくれる、わたしは変わった自分の体が恥ずかしくていやがったが? 次の日、熱はおさまったが今日は休むようにと言って男が会社へ行った。 昼過ぎに起きて喉が渇いたので冷蔵庫を開けたがあいにくと何もなかった。 買いにでようと思ったが洗面所の鏡に映った自分は男とも女ともわからないような風貌をしえる。 そのままのスッピンでは恥ずかしいと思ったので化粧した。 ネットでレシピを探し夕飯の準備も兼ねてスーパーへ買い物にいくことにする。 スーパーの肉売り場で選んでいた時、こうやってあの男の為に買い物をする生活もいいなとふと思った。 部屋に帰り掃除をしたあとで夕飯の下ごしらえを始めた。 あの人美味しいて言ってくれるかな?・・と、思った。わたしはなに考えてるんだろう? 見よう見まねでつくった献立だが男は褒めてくれた。 女装していることを恥ずかしいと言ったけどキレイだからそのままでいいよとも言ってくれた。 食事のあとテレビを見ている時に抱きつかれキスされた。 ああ、このままこの人のものに・・?と思ったら突き飛ばされてしまった。 この男はノーマルなんだっけ?わたしではダメなんだ、男なんだから・・? 悲しくなって部屋を飛び出した。 公園のベンチに座り考える、あの男は追ってきてくれるだろうか? もし追ってこなかったら死のうと思った。追ってきたら? そして男は追ってきた、そしてわたしを抱いて受け入れてくれた。 わたしはその時、この人の為に女として生きて行きたいと思った。 あの人はわたしの乳房をしゃぶり揉んで全身を愛撫してくれている。だけどアソコだけは触ろうとしない、やはりこだわりがあるのだろう 当然だあの人はホモじゃないし女装子好きの男でもない。 さんざんわたしの身体をペッテイングしてから背を向けて眠る。 だけどその後わたしの様子をうかがってからオナニーしてるようだ。 わたしは必死だったこの人に捨てられないようにするには? ある朝なにげに手が彼の下半身にさわった、あつくなったそこは勃っていた。 わたしはそっと布団にもぐり彼のパンツに手をかけそっとずらす。 大きくなったペニスが目の前に立ち上がっている。わたしはそれをそっと手に取り口を近づける。 わたしは女装はするがいままで男性と関係をもったことはなかった。 不思議な感覚だった、これが彼の・・自分にも同じものがあるのだがまったく別物に感じられた。 口に含み亀頭に舌を絡ませながら頭を上下させた。 それは口の中で一層と固く熱くなった気がした。 ふっと布団が持ち上がり驚いた表情の彼がわたしを見た。 わたしはチラっと彼の顔を見たが驚いたものの拒否されることはなかった。 ちょっと生臭いけど熱い液体が口の中いっぱいに広がったときわたしは幸福感に浸ったものだ。 彼はニッコリ笑いやさしくわたしを抱きしめてくれた。 ああ、これで彼とずっと一緒にいられると思った。 1年経った、わたしは今病院の手術台の上にいる。 彼はそのままでいいと言ってくれたがわたしのこだわりは身も心も彼に捧げたかった。 無理をいうわたしのために彼は手配をし手続きをとってくれた。 手術が終わったら、彼はカタチだけでもいいから結婚式をあげようと言ってくれている。 その日が待ち遠しい。 -fin-