人工美女の館   作:絵里
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★ 人工美女の館 101 ★ ♂ アンスコを染める赤い鮮血 ♀

「どうしたの? 石黒さん」
 急に打ち合いを止められた山本が石黒に聞いた。
「う〜ん、柴崎さんのアンスコのお尻のところに何か赤いシミのようなものが見えたので・・・?」
「えっ!?」
『それって・・もしかして』
 恵一は瞬間的にこの状況を察知した。
「あっ、本当。お尻のところが赤くシミになってるわ。柴崎さんどうしたの?」
 山本が恵一の短いスコートの中を覗き込み、石黒の言っていた赤いシミを確認すると恵一に問いかけた。
「い・・いえ、あのぅ・・それって・・もしかしたら『アレ』が始まったのかも・・・」
 と、恵一は瞬間的に『生理』になった事を装った。しかしそれは、前日の激しい責めで腫れ上がっていた肛門が、激しい動きでパンティーにこすれ出血したものだった。恵一にはそれがすぐに分かった。
「駄目じゃない、柴崎さん。生理の予定が近いならあらかじめ下着にナブキンくらい挟んでおかないと・・・」
 山本からそう言われ、恵一はどう対処したらいいか分からなくなっていた。
「あっ、大神コーチが来たわ」
 石黒の言葉に二人がその指差した方向を見ると、大神コーチが三人のところへ近づいて来ていた。
「三人で集まって、いったいどうしたんだ?」
「あのぅ・・柴崎さんが・・・・」
 聞かれた相手が男の洋祐では、石黒もはっきりと言う訳にもいかなかった。
「柴崎が・・・どうかしたのか? そういえば今日から柴崎はみんなと同じウェアになったんだな、よく似合っているぞ」
「は・・・はい、いろいろとご迷惑をおかけしました」
 恵一はとりあえず洋祐に謝った。
「それで・・・柴崎がどうしたのかな?」
 ふたたび洋祐に聞かれ、石黒が仕方なく答えた。
「じつは・・・・・」
「えっ、何だって、柴崎が・・・生理に?」
 あまりにも意外な答えに、洋祐は驚いた。それは、恵一が生理になるはずがない事を洋祐は知っているからだ。
「柴崎・・・それは本当なのか?」
「あ、あのぅ・・・、それは・・・・・」
 恵一は何と説明したらいいのか困ってしまった。そうしているうちにも、恵一の顔がみるみるうちに赤くなって行った。
「す・・すみません、コーチ、今日はもう帰らせてください」
 そう言うと、恵一はスコートのお尻の辺りを押さえながら、急いでコートから立ち去って行った。
「おい、柴崎!」
 洋祐が呼び止める声も聞かず、恵一はテニスコートを後にした。

★ 人工美女の館 102 ★ ♂ 結婚への誓約書 ♀

「隆一郎さん、お話って何でしょうか?」
 その日の夜、恵一の部屋に顔を出した隆一郎に恵一が尋ねた。
「二人の挙式の予定についてだ。日取りを・・・五月三日に決めた」
「えっ! 挙・・挙式・・・・」
 恵一は、隆一郎から発せられた突然の言葉に、もはや何も言葉が出てこなかった。もちろん、恵一にとってそれは当然覚悟していた事ではあった。しかし、やはり具体的な日取りを告げられると動揺せざるを得なかった。
「どうだ、嬉しいか? ふふふっ」
 恵一には、そんな隆一郎の言葉も耳に入って来なかった。
『とうとう・・・この隆一郎の妻に・・・・。あぁ・・葉子・・・』
 恵一の頭の中には恋人・葉子の姿が浮かんでいた。
「それでだ・・・、挙式まではもう3ヶ月ほどしかない。当然、お前にも急いでその準備をしてもらわないといけない」
「準備?」
「そうだ、まずは『結婚誓約書』にサインをしてもらわなくては・・・」
「結婚・・誓約書?」
「挙式後に反抗されても困るからな。事前にお前の気持ちを確認させてもらう。今からその内容を読んで聞かせるから、その内容を確認してサインをするんだ・・・いいな?」
「は・・はい・・・」
 恵一にはそれがどのようなものなのか全く分からなかったが、ただ素直に返事をするしかなかった。
「では、読んで聞かせよう・・・、
 隆一郎は手にしていた封筒から三ツ折になっている白い用紙を取り出しすと、ゆっくりと開いた。そして、文面を確認しながらその内容を読み始めた。
「わたくし柴崎めぐみは、大神隆一郎の妻になるにあたり次の事を誓約いたします。
(一)元は男の私ですが、挙式後は大神隆一郎様の妻として、一生女言葉を使いスカートを穿き女としての生活を送ります。
(二)挙式後は、夫の要求に対しては妻としてどのような事にでも素直に従います。
(三)挙式を迎えるにあたりましては、当日は女として夫のペニスを受け入れられる体で挙式に臨みたいと思います。そのためそれに間に合いますよう、現在私の下腹部に付いております男性器を切除していただき、新たに女性器を形成する性転換手術を施していただきたく思います。
(四)もしこの誓約を守れなかった場合には、私はどのようなペナルティーでもお受けいたします。また、それが大神家にお世話になっている私の親族や友人に及びましょうとも止むを得ません。
 ・・・以上だ」
『性・・性転換・・手術・・・』
 隆一郎の読み上げた『結婚誓約書』の内容を聞いた恵一は、そこに盛り込まれたあまりにも屈辱的かつ恥辱的な内容に顔面が蒼白になっていた。もちろん恵一自身、いつかはこの日が来る事は覚悟はしていた。しかし僅かながらではあったが、自分の肉体改造が『去勢』や『女性ホルモン投与』の段階で止まる事に希望を持っていたのだ。
「では恵一、『誓約書』にサインをしてもらおうか・・・、もう何も考える事はあるまい」
 そう言うと、隆一郎は今読み上げた『誓約書』とそしてサインのためのペンを机の上に置いた。
『性転換・・手術・・・、嫌・・そんなの嫌っ!』
 恵一は心の中でそう叫んでいた。
「さぁ、どうした、早くサインするんだ。まさか拒否するつもりではないだろうな?」
「い・・いえ・・・・」
 隆一郎に承諾のサインをせかされ、恵一は動揺した心理状態のまま『誓約書』の置かれた机の前に座った。そして躊躇しながらも仕方なく右手にペンを持つと、目の前の白い『誓約書』の上にそのペン先を運んで行った。
「その四角い枠の中にサインするんだ・・・『柴崎めぐみ』とね、ふふふっ」
 とうとう『誓約書』に名前を書き始めた恵一・・・その右手は小刻みに震えていた。

★ 人工美女の館 103 ★ ♂ 恋人・葉子からの罵声 ♀

 恵一が校庭を歩いていると、突然、校舎の影からセーラー服姿の女子生徒が姿を現した。
『あっ、葉子!』
 恵一は我が目を疑った。それは間違いなく恋人の葉子の姿だった。
『何でこんな所に葉子が? いけない、こんな女の格好をした恥ずかしい姿を見られては・・・』
 恵一は慌ててその場所から立ち去ろうとした。しかし、突然の突風で制服のプリーツスカートが捲り上げられ、思わずその場にしゃがみ込んでしまった。
「あのぅ、大丈夫ですか?」
 そんな恵一の姿を見た葉子が、急いで駆け寄って来た。葉子に顔を見られたくない恵一だったが、葉子の声に思わず顔を上げてしまった。
「あっ、あなたは・・・!?」
 自分の顔を見て驚きの表情をする葉子を見て急いで顔を伏せた恵一だったが、もうすでに遅かった。
「恵一さん・・・?、その顔は・・・まさか恵一さんじゃないわよね?」
「い・・いえ、違います・・・わたしは・・・・」
「いいえ、わたしには分かるわ、恵一さんよ。でも、なんでそんな姿を・・・? なんでセーラー服なんか着ているの?」
「違います、わたしはそんな人じゃありません!」
 恵一は必死になって否定した。
「やっと分かったわ、恵一さんにはそういう性癖があったのね。そんな女の人の穿くスカートなんか穿いて、恵一さんて本当は変態だったんだわ」
「違・・違うんだ葉子、これは大神隆一郎に命令されて、僕は・・僕は・・・・」
 何とか分かってもらおうと、恵一は葉子に詰め寄った。
「気持ち悪いから近寄らないで!」
 そう言うと、葉子は詰め寄る恵一の頬を右手で平手打ちした。
『パチッ!』
「葉・・葉子・・・、うぅ・・ぅぅぅ〜〜っ・・・・・」
 恵一はあまりの出来事に思わず足元に泣き崩れ、そして意識が朦朧なって行った。

『葉・・葉子〜〜っ! あっ・・ぁぁぁ〜〜』
「・・・・・あぁっ、いったいわたしは・・・?」
 恵一が我に帰ると、そこは自室のベッドの上だった。
「夢だったの? あれは・・夢だったの・・・、でも何であんな夢を見たのかしら?」
 恵一は、はだけているネグリジェを直しながら、昨夜の『結婚誓約書』の事を思い浮かべていた・・・。
『性転換手術の予定日はもうしばらく先だが、とりあえず明日の土曜日、それに先立って豊胸手術を行う、いいな』
 別れ際、恵一は隆一郎からそう言われていた。
『明日・・・か』
 恵一は、ベッドの上の置時計を見た。時計の針はすでに12時を過ぎ、真夜中の2時15分を指していた。
『・・・・もう今日なのね、豊胸手術を施されるのは・・・・・。でも・・・これでいいの、おふくろや葉子そして仲間のみんながこれで助かるのならば・・・。もう葉子と再会する事もないだろうし、ましてや結ばれる事などは・・・・』
 もはや恵一は、自分の運命を諦めていた。

★ 人工美女の館 104 ★ ♂ 豊胸ラブストーリー ♀

 大神家本邸の居間で、隆一郎と隆司が雑談を交わしていた。
「兄貴、めぐみの豊胸手術をするんだって?」
「あぁ、今ちょうど手術室に運び込まれたところだ」
「豊胸手術って・・、それなら最初から手術で胸を膨らませてしまえばよかったのに・・・」
「隆司、それは違うぞ。手術でいきなり豊胸するのと女性ホルモンの作用である程度のところまで乳房を発達させてから手術するのとでは、その見た目の美しさがぜんぜん違うんだ」
「へぇ〜、そうなんだ・・・」
 隆一郎にそう説明され、隆司は感心した。
「よく平らな胸にまるでお椀を乗せたような不自然な形の胸をしたニューハーフとかがいるだろう。あれが豊胸手術だけで作った胸だ」
「ふ〜ん、そういうものなのか・・・」
「恵一の現在の胸のサイズは84センチのAカップ。これを手術で90センチのDカップの胸に変える」
「めぐみの胸がDカップに・・か、これは愉快だ、むふふ」
 隆一郎のうんちくに、隆司は笑いが止まらなかった。高校時代に目の敵だった恵一の肉体が、女の姿に変えられて行く事が楽しくて仕方ないのだ。

 その頃手術室では、硬膜外麻酔(手術部位周辺のみ無痛)をかけられた恵一が手術用のベッドに四肢を固定され、豊胸手術が行われていた。すでに手術はほとんど終わり、硬膜外麻酔のため意識のある恵一は、目の前の大きく膨らみを増した自分の乳房を呆然と目にしていた。
『これが・・わたしの新しい乳房なのね』
 今までとは違い、完璧な女性の乳房に変えられた自分の胸部を目にし、恵一は強い敗北感を感じていた。
「さぁ終わったよ、麻酔が切れるとしばらく痛みがあると思うけど、今日一日我慢すれば大丈夫だ」
 執刀医・小村井の言葉に、恵一は小さく頷いた。
「見てみるかい?」
 そう言うと、小村井は部屋の隅から大きな手鏡を持ち出して来た。そして、恵一の顔前にかざした。
「どうだ、見えるだろう?」
 小村井の言葉に恵一が視線をその鏡に移すと、そこには女らしいふくよかな二つの乳房が見事に映し出されていた。恵一はまるで見てはいけない物でも見てしまったかのように顔を赤らめたが、これは間違いなく恵一自身の乳房・・・なのである。

 そしてそれから1時間後、恵一は胸の麻酔が切れるのを待って自室のベッドへと移されていた。
『葉子・・・笑わないでよ、僕・・こんな胸になっちゃったよ・・・』
 ネグリジェ姿でベッドに横たわる恵一の頭の中には、なぜか葉子の姿が浮かんで来た。
『もう少しすると体のすべてが・・・・。そしたら、葉子と同じ体になっちゃうね』
 恵一は頭の中で葉子にそう話しかけると、目から急に涙があふれ出て来た。そう、『同じ体』・・・それは、もう二度と葉子と結ばれる事がなくなるという事に他ならないのだ。
『でも、これで諦めもついたよ。こんな体じゃ恥ずかしくてもう君と会うことも出来ないからね・・・・。それに、最近では女言葉のほうが自然に出てくるの、可笑しいでしょ、本当は男なのに・・・』
 恵一の葉子への話しかけは、このあといつまでも続いた。

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