人工美女の館   作:絵里
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人工美女の館 81 ★ ♂ 困惑の女子トイレ ♀

『キ〜ンコ〜ン、カ〜ンコ〜ン〜♪』
 ホームルームの終わりを告げるチャイムが鳴ると、恵一は急いで立ち上がり廊下へ飛び出して行った。
『あぁ〜っ、急がないと・・・』
 そう思いながら、恵一は廊下を小走りに急いだ。
『あっ、あそこだ・・・』
 恵一の視線の先には、セーラー服姿の女の子が入れ替わり立ち替わり出入りしているトイレがあった。
 恵一にとって今日の真冬の厳しい寒さは、このようなミニスカートを穿かされるようになってから初めて体験するものだった。しかも、女子高に編入という極度の緊張感も相まって、急に尿意を催していたのだ。
 しかし、すぐにでもそのトイレに駆け込みたかった恵一だったが、どうしても躊躇せざるを得なかった。それは、そのトイレに切れることなく女子生徒が出入りしていたからだ。
『だ、だめだ・・・とても女の子のいっぱいいるトイレに入る勇気はない・・・』
 恵一は、結局そのトイレに入るのは諦め、別の階の空いているトイレを探すことにした。
「柴崎さん、そんなにそわそわしてどうしたの?」
 恵一が生物室などがある二階に下りた時、突然、呼び止める声がした。
「あっ・・・あなたは?」
「わたし? あっ、まだ顔を覚えてもらってないわよね・・・わたしは柴崎さんと同じクラスの白石真理子よ。それより、いったいどうしたの?」
「あ、あのぅ・・・・・」
 恵一を呼び止めたのは、恵一が編入された2年A組の白石真理子という小柄な可愛い女の子だった。
「お・・・おトイレはどこ・・・かしら?」
「おトイレ・・・おトイレならこっちよ、ちょうどわたしも行くところだから一緒に行きましょう」
 そう言って、真理子は恵一をトイレに案内してくれた。
「ここよ・・・柴崎さん」
 見ると、目の前に『TOILET』と表示されたドアがあった。
「あのぅ・・ここ・・・女子トイレですよね?」
 男女の区別が表示されていないそのドアを見て、恵一が真理子に尋ねた。
「えっ、決まってるじゃない、ここは女子高よ・・・職員用以外に男子トイレはないわ」
「そ・・・そうよね、この学校は女子高だものね・・・」
 恵一は、思わず変な質問をしてしまい、顔を赤らめた。
「さっ、入りましょう」
「え・・えぇ・・・・・」
 そう返事した恵一だったが、真理子が先に入ってしまってもその後に続いて入るのをためらった。とても女の子と一緒に女子トイレに入る勇気がなかったのだ。
「どうしたの? 柴崎さん・・・」
 いつまで経ってもトイレの中に入って来ない恵一を心配して、真理子が閉まったドアを開けて顔を出した。
「ご、ごめんなさい・・・ちょっと考えごとをしていたので・・・」
 恵一は、慌ててその場を繕った。しかし、これ以上ためらっていると変に思われると思い、覚悟を決めてトイレの中へと入って行った。
 初めて入った『女子トイレ』・・・、そこにはすでに一人の女子生徒がいた。そして、鏡を見ながら両手でスカートの中の下着を直していた。
「あっ! ・・・・・」
 その光景を見て、恵一は思わず目を伏せてしまった。
「ど、どうしたの柴崎さん?」
「い、いいえ、何でも・・・・・」
「そう・・・じゃあ、わたしはそっちに入るから、柴崎さんはこっちに入るといいわ」
 真理子は、並んでいる二つの個室を指差しそう恵一に言うと、急いで個室の中へ入って行った。しかたなく、恵一もその隣の個室に入った。
『バサバサッ・・・』
 隣の部屋から聞こえてくるスカートを捲くる音・・・、恵一は聞いてはいけない音を聞いているようで耳を塞いでおきたかったが、このままじっとしていると不審に思われかねないと思い、やむなく目の下の和式の便器を跨ぐと真理子と同じ行動を取るのだった。
『バサッ!』
 恵一がスカートを捲くる音が個室内に響いた・・・・・。

人工美女の館 82 ★ ♂ 個室の競演 ♀

 恵一が大神邸に連れて来られてから、その行動はいろいろと制限されて来た。しかし排泄行為に関しては、比較的自由が許されていた。それは、自分の部屋にトイレが備わっている事も大きな理由の一つだったが、外見を強制的に女の姿にさせられている事を考えると意外でもあった。そのため、女の姿をしている恵一ではあったが、排尿の時は普通の男のように立ったまま用を足していた。決して女の子のように座ってする事はなかった。

『バサッ!』
 同級生の白石真理子の隣の個室に入った恵一は、真理子に疑われぬよう和式便器を跨いだまま自分のスカートを捲くった。
『やはりこのまま立ってするわけにはいかない・・・。便器を叩く排尿の音が大きくなってしまうからなぁ・・・』
 隣の個室に真理子がいることを考えると、そのまま立ったまま排尿をする事は出来なかった。
『そういえば・・・女の子って水を流しながらするらしいけど・・・』
「ピチャ、ピチャ、ピチャ〜〜〜!」
 恵一がそう思った瞬間、真理子のいる隣の個室から小さな排尿音が聞こえて来た・・・真理子が排尿を始めたのだ。恵一は、間近で聞く女性の排尿音に思わず顔を赤らめるのだった。
『あっ、水を流さない・・・白石さんの・・おしっこの音が・・・。いけない、僕もしないと・・・・』
 恵一は急いで穿いているパンティーを膝まで下ろし、スカートをたくし上げたままの状態で便器の上に腰を落として行った。そして、下腹部の力を抜き・・・。
『ジャ〜〜〜ッ!!』
 恵一のペニスの先から放出された尿が、便器を叩き始めた。
『シャ〜〜ッ!』
『ジャ〜〜〜ッ!!』
 艶かしい音を奏で合う二人の排尿音、それは、薄い壁で隔てられただけの空間で起きている若い男女の排尿音の競演だった。
『ピチャピチャ・・・』
 そんな排尿音の競い合いも、真理子の排尿の終了で幕が落りた。
『カラカラカラ〜ッ』
 そして、真理子がトイレットペーパーを引き出す音・・・やがて、恵一の排尿も終わり・・・。
『そうだ、女の子は終わった後トイレットペーパーで拭くんだっけ・・・・』
 しかたなく、恵一も真理子の真似をしてトイレットペーパーを引き出すのだった。
『ジャーーーッ!』
 真理子のいる個室から水を流す音が聞こえて来た・・・続いて、恵一の個室からも・・・・・。
 排尿を終えた恵一が個室から出ると、そこには先に出ていた真理子が・・・。恵一は思わず恥ずかしさで顔を赤らめるのだった。
「どうしたの柴崎さん、何か顔が赤いみたいだけど?」
「い、いいえ、なんでも・・・きっと寒いからだと思うわ」
「そうよね、女の子って大変。この寒いのにこんな短いスカートを穿いていないといけないんだもの。男の子はズボンを穿いていられるからいいけど」
「う・・・うん、そうねぇ・・・・・」
 恵一は、男としてズボンを穿いていた頃が懐かしかった。
『また・・・ズボンが穿きたい』
 腰を覆っている紺のプリーツスカートを見下ろしながら、感傷的になる恵一だった。

★ 人工美女の館 83 ★ ♂ 気持ちの高鳴り ♀

 大神女子高校の出入り口は正門と裏門の二ヶ所ある。そのどちらにも警備員が目を光らせているのだが、そのすべてが恵一を見張る隆一郎の部下であった。そして校内の職員用駐車場には、いつでも恵一を送迎する出来るよう専用の車が待機していた。
 登校初日を終えた恵一は帰り支度をすると、あらかじめ隆一郎から指示されていたその車へと向かおうとしていた。
「めぐみさんじゃないか?」
 突然、後方から聞き覚えのある男の声がした。
『えっ、洋祐・・・先生?』
 振り向くと、そこにはグレーのジャージ姿をした大神洋祐が立っていた。
「なぜ・・洋祐先生がこんなところに?」
 恵一は、突然いるはずがない洋祐に呼び止められ、唖然としていた。
「ああ、半年前からここのテニス部の臨時コーチを頼まれているんだよ」
「そ、そうだったんですか・・・・」
『そういえば、担任の稲美先生が半年前からテニス部にいいコーチが来ているって言ってたけど、あれは洋祐先生のことだったんだ』
「セーラー服・・・か。めぐみさんも今日からは女子高生だから大変だな・・・」
 恵一のセーラー服姿を見つめながら、洋祐が言った。
「洋祐先生・・・わたしとても怖いの、いつもみんなに見られているようで。いつ男だってばれるか・・・それに、セーラー服なんてやっぱり恥ずかしい」
「それは当然だ、僕にスカートを穿けと言われても、恥ずかしくてとても穿けないからね。でも、今のめぐみさんの立場では言われた通りにするしかないしね。だから、気持ちだけはしっかりとしていないと・・・」
 そう言って、洋祐は恵一の肩の上に両手を乗せた。恵一はそんな洋祐の胸に自然と自分の頬を摺り寄せて行くのだった。それは、まさしく二人の抱擁であった。
『うっ!!』
 その時、ペニスに嵌められている婚約指輪が縮まり、強く締め付けて来た様な鋭い痛みが走った。
『ああっ・・・僕・・僕はいったいなんていうことをしているんだろう』
 ペニスの痛みで正気に戻った恵一は、急いで洋祐の胸から顔を離した。
「ご・・ごめんなさい、洋祐先生! こんなことをしてしまって・・・」
「別に構わないよ、めぐみさんの苦しい気持ちはよく分かっているから」
『こんなところを誰かに見られたら、大変なことになりかねない。でも、僕はいったいどうしてしまったんだ、男の洋祐先生の胸に顔を埋めるなんて・・・』
 恵一は、洋祐に甘えようとした自分の気持ちが理解出来ずにいた。
「どうだい、ちょっとテニスの練習でも見ていかないかい?」
「えっ、こんな始業式の日から練習をするんですか?」
「ああ、一週間後に恒例になっている百合ヶ崎高校との対抗戦があるんでね」
「ではちょっとだけ・・・」
 恵一は洋祐と一緒にテニスコートへと向かった。
「ここだよ、あそこでウォーミングアップをしているのがうちの部員達だ」
 見ると、そこには白いスコート姿でボールを打ち合っている十数人の少女たちがいた。
「どうだい、めぐみさんもテニス部に入らないか? 気分転換にもなるし」
「ええっ? じつはわたし、以前テニスをやっていたんです。あまり上手くはなかったんですけど・・・」
「それはちょうどいい」
「で・・・でも。少し考えさせてください、隆一郎さんにも相談しなくてはいけないし」
 恵一は洋祐から誘いを受けた瞬間、すぐにでも入部したい気持ちになっていた。しかし、少女達のスコート姿を頭に思い浮かべると、どうしても躊躇せざるを得なかった。

★ 人工美女の館 84 ★ ♂ 黄色いネグリジェ ♀

「恵一、入るぞ」
「あっ・・はいっ! ちょ・・ちょっと待ってください・・・」
 そんな恵一の言葉を無視してドアの鍵を開けて部屋の中に入って来たのは、パジャマ姿の隆一郎だった。ちょうど化粧の練習をしていた恵一は、あわててその手を止めドレッサーのまわりをかたし始めた。隆一郎に化粧の練習をしているところを見られたくなかったのだ。
「なんだ、化粧をしていたのか。あれほど自分で化粧するのを恥ずかしがっていたお前が、いったいどういう心境の変化だ? ・・・それで、少しは化粧にも慣れたのか」
「い・・いえ、隆一郎さん・・・・・」
 恵一は、女らしく化粧の練習をしている姿を隆一郎に見られてしまった事が、とても恥ずかしかった。
 この日、迎えの車で学校から戻った恵一は家政婦の悦子から、
『隆一郎様は今日お帰りが少し遅くなるそうですが、めぐみ様には夕食後入浴を済ませたら、ネグリジェに着替えてお部屋で待っていてくださいとのことでした』
・・・と、隆一郎の伝言を伝え聞いていたのだ。そのため、恵一は言われたようにネグリジェに着替え、部屋で隆一郎が来るのを待っていたのだった。しかし、時間がまだ少し早かった事もあり、苦手な化粧の練習をしていたのだった。
 隆一郎は、恵一が化粧道具をかたし終えるのを見届けると、恵一に近づいた。
「ほう、今日は黄色いネグリジェか・・・」
 今日の恵一はいつもの恵一らしくなく、女らしいフリルを縁取った黄色いネグリジェを選んでいた。
「で・・どうだった、初めての女子高生活は?」
「あのぅ・・・・・」
「どうした・・・恵一?」
「お願い、隆一郎さん、もう許して・・・。やっぱり無理です、セーラー服を着て女の子の中で生活するなんて・・・・・」
「お前は何を言っているんだ、今日編入したばかりだというのに」
「でも、いつわたしが男だと誰かに気づかれないか、とても心配で・・・」
「大丈夫だ、あれだけセーラー服が似合っていれば問題はない。あとはどれだけ女子高生になりきれるかだけだ。これもすべてお前にとっては『女』になるための勉強だ」
 そう言うと、隆一郎は恵一の目を見つめながらそっと抱き寄せ、そして恵一の唇に自分の唇を重ねて行った。
「嫌・・・嫌っ!」
「なんで嫌がるんだ?」
「だ・・だって、このままだと隆一郎さんの唇にわたしの口紅が付い・・・・」
「なんだ、そんな事を気にしてしたのか。そんな事はかまわんよ」
 隆一郎は再び恵一の唇に自分の唇を重ね、そして、二人は抱き合ったままベッドの上に腰を落として行った。
『うっ・・・うう〜っ!』
 恵一が顔をのけぞらせ、熱い吐息を吐いた。
 隆一郎は、恵一の着ているネグリジェのボタンに手を掛けた。
『ああっ・・それは・・・』
 恵一は、あわててネグリジェのボタンに掛かった隆一郎の手を押さえ、その行為を拒もうとした。しかし、隆一郎はそんな事はお構いなしに、ゆっくりとボタンを外して行き、その下に隠されているブラジャーとパンティーを露にした。
「ほほぅ、今日は下着までネグリジェと同色か。しかも、可愛らしいフリルまで付いて・・・なんだか急に女らしくなったな」
『どうやら女性ホルモン投与の効果がかなり進んで来ているようだ・・・』
 たしかに、いつもの恵一ならば同じ下着を選ぶにしてももっと地味なものを選んでいただろう。しかし、なぜか今日に限っては女の子らしく可愛らしい下着を選んだのだった。まるで、誰かに見てもらいたいかのように・・・・・。
「そうか・・・こんな可愛い下着を着けていたので見られるのが恥ずかしかったんだな、よしよし・・・」
 隆一郎からそのように揶揄され、恵一はただ恥ずかしさでいっぱいだった。

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