人工美女の館   作:絵里
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★ 人工美女の館 41 ★ ♂ 緊張の控え室 ♀

 恵一の入札がやっと終わった。
 あれから恵一は下着まで脱がされ、パンティーに隠されていた男性の象徴を多数の男達に晒すことになった。その顔と体のアンバランスさが、また別の意味で注目を集めていた。
「やっと終わったわね、お疲れさま」
 入札が終了し、通路を歩く恵一はもうすっかり疲れ果てていた。
「ゆり様、わたしはこれからどうすればいいのですか?」
「とりあえずは、控え室に戻って入札の結果を待つことになるわ。そのあとのことはそれからね」
 二人は控え室に向かった。ところが、
「あのぅ、先程の控え室はこの先では?」
 ゆりが入札前の控え室と違う方向に向かおうとしたので、恵一はゆりに訪ねた。
「あの部屋? あそこは入札を待つためだけの控え室なの。一人に一部屋与えられるんだけど。でも、入札後の控え室は、もっと広いけど相部屋なの」
 恵一はそれを聞いてふと心配になった。
「それでは、入札が終わると全員その控え室に集まるんですか?」
「そんなことはないわ。入札の結果が出れば、もう控え室にいる必要はなくなりますからね」
「そうですか・・・、では、今日わたしの前に入札を受けた女の子は、どうですか?」
「さぁ、どうかしら。早めに結果が出ていればもういないと思うけど。それがどうかしたの?」
「いいえ、こんな姿を誰かに見られるの恥ずかしいから・・・・・・」
 恵一が控え室のことを気にしていたのは、瞳と顔を合わせてしまうのを避けたかったからだが、ゆりにはそのことは言えなかった。
「ここよ、もう一つの控え室は」
 恵一は緊張で顔が強張った。もしまだこの部屋に瞳がいたらどうしよう・・・恵一の心臓の鼓動が高鳴った。
「さっ、中へ入りましょう」
 恵一の気持ちも知らず、ゆりが控え室のドアを開けた。
「あら、誰もいないわ。最初の女の子はどうやらもう結果が出たようね」
「そ・・・そうですか」
 恵一はほっとしたのと同時に、これで拉致された仲間の状況を掴むチャンスを失ってしまったと、半分落胆していた。
「さぁ、座って結果を待ちましょう」
 二人は控え室の椅子に座り、入札結果が出るのを待った。そして、それから10分ほどして部屋の電話が鳴った。
「はい、控え室です・・・はい、私ですが。はい、はい、はい分かりました。それではお待ちしております」
 どうやら、恵一の入札結果が出たらしい。
「めぐみ、決まったわよ」
「・・・・・・」
 恵一は何も言えず、ただ唾を飲み込むだけだった。
「今日の午後、貴女を落札されたご主人様が直接私達の部屋までお見えになります・・・貴女を引取りにね」
「えっ!」
「貴女はご主人様のご自宅へ引き取られることになったのよ。これからの調教は、ご主人様自らが行うらしいわ。普通は第2セクションの調教が終わるまではここに留まることが多いのだけれどね。さぁ、部屋に戻って準備をしましょう」
 二人は恵一を落札したご主人様を迎えるため、急いで部屋へ戻って行った。
 部屋に戻ると、誰からか衣装ケースが届けられていた。中にはメモが添えられており、ゆりがそれに目を通した。
「貴女のご主人様からよ。貴女の着替え用にと届けてくださったらしいわ。よかったわね、やさしいご主人様で」
 ゆりは早速、届けられた衣装ケースを開け、中の服を取り出した。
「あら、下着から靴まで全部揃っているわ。嬉しいでしょ、めぐみ、新しいお洋服が着られて」
「は、はいっ!」
 返事はしたものの、恵一は困惑していた。恵一にとって女性用の服を着せられることは、屈辱以外の何ものでもないからだ。
「あらあら、赤い花柄のパンティーとブラジャーだわ」
 ゆりが手にしていたのは、白地に小さな赤い花柄が散りばめられた上下セットの下着だった。
「こんなのを着たら、めぐみは益々可愛くなってしまうわねぇ。ふふふ」
 恵一は、ゆりの持つ花柄の下着を見て、思わず顔を赤らめてしまった。

★ 人工美女の館 42 ★ ♂ 落札者と女奴隷 ♀

「めぐみ、よく似合うわよ」
 ゆりに花柄のパンティーとブラジャーを着せられ、恵一は恥じらいの顔を見せていた。
「あらっ、スリップまで入っているわ。今の女の子はスリップなんて着けない子が多いのにねぇ、あの方らしいわ」
 恵一は先ほどから一つ気になっていることがあった。それは、ゆりが再三に渡り落札者に対して『あの方』と言っていることだった。おそらく、ゆりと落札者は相当に親しい間柄なのだろう。
「それではスリップを着ましょうね。めぐみはスリップは初めてですものね」
 恵一の体にレースに縁取られた純白のスリップが着せられていった。
「ど〜お、スリップを着た感触は? さらさらして気持ちいいでしょう。見た感じもとても女らしいし」
 たしかにスリップを身に着けた感触は、とてもさらさらして今まで男の恵一が味わったことのないものだった。
「さぁ、次はブラウスに手を通して・・・・・・と。あら、スカートはタイトなのね、しかもミニ・・・・・・、それにパンストもあるわ。じゃあ、パンストを穿いてしまいましょうか」
 ゆりの手によって恵一にパンストが穿かされていった。そして、ミニのタイトスカート。パンストもタイトスカートも、恵一にとっては初めて穿くものだった。
「ウエストサイズもぴったりのようね。ど〜お、初めてタイトスカートを穿いた気分は? 下半身が締め付けられて気持ちいいでしょ。でもねめぐみの場合にはパンティーでお股の部分を上手く押さえつけておかないと、下腹部に変な盛り上がりが出てしまうから、それだけは気をつけてね」
「は・・・はい・・・」
 女性のゆりからそのようなアドバイスをされ、恵一はとても恥ずかしかった。そしてタイトスカートを穿き終えると、恵一は、最後にパンプスに足を通した。
「それでいいわ・・・そうだ、これも着けてあげましょうね」
 ゆりは思い出したように机の引出しから2つの光るものを取り出した。それは、可愛らしいイヤリングだった。
「さぁ、これを着ければもっと女らしくなるわよ」
 ゆりは恵一の傍らに近づくと、左右の耳にそのイヤリングを装着していった。
「そろそろ貴女のご主人様がお見えになる頃ね。椅子に座って待っていましょう」
「はい、ゆり様」
 素直に返事をする恵一。女らしいスリップや可愛らしいイヤリングを身に着けさせられただけで、なぜか自然と女らしく振る舞ってしまう恵一だった。
 恵一は椅子に座ると、いつも教えられているように両脚を揃え、足先を多少ずらしながら斜めに流した。しかし、今までのフレア系のスカートと違いタイトスカートのため、裾が太腿あたりまで露わとなり、それがとても女らしい色気を漂わせていた。恵一自身もそのことを感じ、たとえゆりであっても今の自分の姿は見せたくなかった。
 ・・・・・・それから間もなくして、二人が待っていた恵一の落札者が訪れた。
『トントン』・・・足音とともにドアを叩く音が、
「お客様がいらしたわ」
 ゆりは椅子から立ち上がると、急いでドアの前まで行き、そして、ゆっくりとドアを開けた。
「いらっしゃい、準備をしてお待ちしておりました」
「それはどうも、早速『女奴隷』を引き取りに来ました」
「はい、どうぞ中へお入りください」
 そしてドアが開き・・・これから恵一の主人となる人物が姿を現した。


★ 人工美女の館 43 ★ ♂ そして、悪魔の館へ・・・ ♀

 目の前の風景が、風のように通り過ぎて行く。久しぶりに見る東京の空は、まるで今の恵一の心を表しているかのように、重い灰色の雲に覆われていた。
 恵一にとって屋外の風景と接するのは、何ヶ月ぶりになるのだろうか。拉致された当時初秋だった季節も、いつの間にか真冬へと変わっていた。そして、それとともに恵一の姿も男から女へ・・・・・・。
「どうした、ずっと黙ったままで? 心配なのか・・・まぁ、それは当然かも知れんなぁ・・・」
 拉致監禁されていた施設から連れ出され20分、恵一は今、自分を落札した男の車中にいる。両手には手錠を掛けられ、寒くないようにとその男が用意してきた毛皮のハーフコートを羽織り、その男とともに後部座席に座っていた。まだ女の仕草が完全に身についたとは言えない恵一ではあったが、短いタイトスカートの裾から覗く太腿の隙間には自然と両手が添えられ、ずっと無言のまま車外の懐かしい町並みを眺めていた。
「ほら、着いたぞ」
 車が大きな門の前で止まった。すると門は自動的に開き、恵一たちを乗せた車はその中へと進んで行った。中の敷地内には高い樹木が生い茂り、そのまわりを高い塀が囲んでいた。
 恵一たちの車はそれから1分ほど走ったが、それでもまだ建物らしきものには辿り着かなかった。それどころか、再び目の前に大きな門が姿を現したのだ。いくら都心から少し離れているとはいえ、この辺りにこんな広大な敷地を持った家があったのかと、恵一は驚くしかなかった。
「驚いたかね。私の家のまわりは塀が二重になって取り囲んでいるんだよ、あちらこちらに監視装置や警備員が目を光らせているしね。だから・・・ここから逃亡しようなんてことは考えないことだ」
『なんという厳重な造りなんだ』
 恵一はただ呆れるしかなかった。
「さぁ、着いたぞ!」
 車の前に突然大きな茶色の洋館が姿を現した。
「この洋館には主に父と弟達が住んでいて、地上は3階建てだが地下は5階まである。私が生活をしているのはこの裏にある別邸だが、とりあえずお前の調教はここで行うことになっている」
 車が玄関先に止まると男は先に車を降り、車中の恵一に手を差し延べた。
「さぁ〜、どうぞ『めぐみ』お嬢様」
 そんなからかうような男の言動に、恵一は差し出されたその手を無視しようと思った。しかし、両手には手錠を掛けられ、しかも慣れないタイトスカートを穿かされているため、仕方なく男に手錠を掛けられた自分の両手を差し出すしかなかった。・・・男に手を引かれ車外へと出る恵一。二人が降りると乗っていた車は走り去り、恵一とその男の二人は洋館の玄関先にたたずんだ。
「さっきの約束はこちらも必ず守る。その代わりお前も・・・いいな」
「・・・は、はい。分かっています・・・・・・隆一郎様」
 恵一を落札した男は、なんと大神隆一郎だった。それにしても、『約束』とはいったい、そして、今の二人の関係は・・・。
「では、・・・・・・入ろうか」
 恵一は大神隆一郎に肩を抱かれ、茶色の洋館の中へと消えて行った。

★ 人工美女の館 44 ★ ♂ 思わぬ展開 ♀

「恵一、しばらくはこの奴隷用の檻がお前の生活場所だ」
 恵一が連れて来られたのは、洋館の地下2階にある奴隷用の檻の前だった。そこには、前面が鉄格子で出来ている6畳ほどの広さの奴隷用の檻が、横一列に4つ並んでいた。
「本来なら、この中には素っ裸かせいぜいパンティー1枚で入ってもらうんだが、お前にとってはその姿のままのほうがかえって辛いのではないかと思ってね・・・」
 確かに、恵一にとっては裸でいるほうがよほど精神的に楽だった。それは、恵一がいまだに女性の服に馴染めずにいたからだ。しかし、それは20年間男として生きてきた者にとっては、当然のことだ。
「この檻の中には、一応ベッドとトイレだけは付いている、生活するには別に問題はないだろう。さぁ、中へ入るんだ!}
 隆一郎は一番奥の檻の戸を開けると、恵一の両手に掛けられていた手錠を外し、その中へ放り込んだ。
「あっ!」
 脚の動きが窮屈なタイトスカートと慣れぬパンプスのため、隆一郎に強く押された恵一は、思わず床に崩れ落ちててしまった。
「ベッドの上には夜寝る時に着るネグリジェを置いてある。忘れずに着替えるように・・・ふふふっ」
 見ると、ベッドの上には白いネグリジェが綺麗に畳んで置かれていた。
「私の家の者は今ちょうど皆出払っているので、戻って来たらお前のことは紹介することにする。それまではここでゆっくりしていなさい。私もこれからちょっと用事を済ませて来るのでね」
 隆一郎はそう言って檻の鍵を閉めると、恵一の前から姿を消してしまった。一人檻の中に残された恵一は、今日一日起こった出来事を思い起こしていた。
『それにしても、まさか自分を落札したのが大神隆一郎だったとは・・・』
 それは恵一にとって、一番恐れていたことだった。大神隆一郎の奴隷・・・しかも女奴隷として仕えるなど、死んだほうが余程ましだった。しかし、現実に隆一郎によって恵一に突きつけられた条件は、それ以上に恵一にとって屈辱的なものだった。
 あの時、自分を落札したご主人様を待っていた恵一の前に姿を現した大神隆一郎は・・・・・・、

「待たせたね、恵一」
「大・・・・・・」
『大神・・・隆一郎・・・・・・、まさか』
 突然現れた大神隆一郎の姿に、恵一はただ唖然とするしかなかった。
「めぐみを落札してくださったのは、隆一郎様なのよ、お礼を言いなさい。知らない方でなくてよかったでしょう」
『そ、そんなぁ・・・』
 それは恵一にとって悪夢でしかなかった。これから一生、この憎むべき大神隆一郎に女としての姿を晒していかなければいけないのかと思うと、もう目の前が真っ暗になっていた。
「まぁ、とりあえず打合せをしてしまおう」
 隆一郎はそう言うと、恵一とゆりの前の椅子に座った。
「まず恵一、お前を落札した経緯だが、私はお前を単なる『女奴隷』として買い取ったつもりはない。女として・・・いずれは妻として迎えたいと思っている」
「えっ!?」
『そんなばかなことが!』と、恵一は自分の耳を疑った。いくら自分が女として扱われている立場とはいえ、本来は男なのだ。そんな男の自分を妻にしようとするなど、もう異常としか思えなかった。
「隆一郎様はね・・・めぐみ、女になった貴女と初めて面会した時から、貴女のことを愛されてしまわれたらしいわ」
『嘘だ! そんなことがある訳ない、あってはいけない! 僕は男なんだ!』
 恵一は、心の中で何度もそう叫び続けていた。


★ 人工美女の館 45 ★ ♂ 苦渋の決断 ♀

 恵一は、もう・・・すべての運命を諦めていた。しかし男でありながら、自分や仲間たちを拉致した憎むべき男・大神隆一郎の妻にされるという異常な事態だけは、恵一も簡単には受け入れることは出来なかった。
「隆・・・隆一郎様、言わせていただいてよろしいですか?」
「何だ? 恵一」
「あのぅ・・・男同士の結婚は、日本では認められていないと思うのですが・・・・・・だから・・・」
「だから、どうだと言うんだね?」
「だ、だから・・・わたしはあなたの妻にはなれないと・・・・・・」
「なんだ、そんなことを心配していたのか。別に法律で認められた形にこだわる必要はない。本人同士が認め合い婚姻の契約を交わせばそれで十分。ここの空間は外の世界とは別の世界だからな」
 隆一郎にそこまで言われてしまうと、拒否出来る立場にない恵一にはもはやどうすることも出来なかった。
「それにもう一つ、お前に伝えておかなくてはいけないことがある」
「伝えたい・・・こと?」
「そうだ、それはお前の母親のことだ」
「母さん?・・・母さんはどうしているんですか!?」
 恵一を封じ込めるため、恵一の仲間と共に隆一郎に拉致されている恵一の母親。その姿を恵一は片時も忘れてはいなかった。
「じつはな、恵一。お前の母親の様子がどうもおかしいので精密検査をしてみたところ、悪い病気が見つかった」
「えっ! それはどういうことですか?」
「白血病だ。幸い発見が早かったので、まだ進行はしていない。これから適切な治療を施していけば、治癒する可能性は十分にある」
「そ、それでは、母さんは治るんですね!?」
「ああ、私に任せてもらえば悪いようにはしないつもりだ。なんと言っても、私の妻となる・・・お前の母親だからな」
 その瞬間、恵一は自分の運命にくさびを打たれてしまったことを感じ取った。
「では、お母さんのことは私に任せてもらっていいんだね・・・・・・」
「・・・・・・は・・・はい、お願いします」
 この状況では、もはや隆一郎にすがるしかなかった。
「では・・・私の妻になることも?」
『うぅ〜っ・・・』、恵一は唇を噛み締めた。しかし、隆一郎への答えは決まったも同然だった。
「・・・・・・は・・・はい。そのかわり・・・母さんの病気だけは絶対に・・・・・・」
「そのことなら心配するな。私も医者だ、出来るだけのことはする。・・・さぁて、そうと決まれば早速お前には私のところへ来てもらおうか」
 恵一の気持ちの確認を終えた隆一郎は、早速、恵一を自分のところへ連れて帰る用意を始めた。
「恵一、さぁ、両手を前に出して」
 言われるままに恵一が両手を出すと、隆一郎は用意していた手錠をその両手首に掛けてしまった。
「外は寒い。恵一、これを上に羽織っていけ」
 隆一郎は、ブラウスにミニタイトスカート姿の恵一を立たせると、自分の持ってきた毛皮のハーフコートを肩の上から羽織らせた。そして、恵一の肩に手を置くと自分の体に引き寄せ、そして強く抱きしめた。恵一の身長は171センチ、しかし183センチの隆一郎に抱擁されると、もはや二人の姿は一人の男と女の姿にしか見えなかった。
「では、これから恵一を私の住まいに連れて行きます。ゆりさんには恵一がいろいろとお世話になりました。これからも何かとご協力願うこともあると思いますので、その時には宜しくお願い致します」
「いいえ、私のほうこそめぐみさんをもっと女らしくしてあげられればよかったのですが、なんとも力不足で・・・」
「そんなことはありません。そうでなかったら、女に変身した恵一に私の心が奪われるはずはありません。まぁ私としては、これから恵一を私好みの女に育て上げて行くのが楽しみです、ふふふっ」
「まぁ、めぐみさんを隆一郎様好みの女性に? それは楽しみですね」
「はい、男の恵一がどれだけ女になってくれるか・・・・・・」
 何気ない二人の会話・・・しかし、すぐ横で聞いている恵一にとっては、耳に栓をしたいほどのものだったに違いない。
「さぁ恵一、行こうか」
 隆一郎が恵一の背中を軽く叩くと、恵一は黙ったまま小さくうなずいた。しかしその表情は、これから隆一郎の元で更なる辱めを受けなければならないという不安でいっぱいだった。

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