人工美女の館   作:絵里
戻る  次へ  書庫メニュー
★ 人工美女の館 31 ★ ♂ 悪魔の審判 ♀

 翌朝、恵一と梨花はそれぞれ別の部屋に身柄を拘束され、激しく問い詰められていた。
 梨花は自分の部屋で、全裸で両手に手錠を掛けられ、ゆりの目前に座らされていた。
「何ていうことをしてくれたの、梨花! わからないと思ったのかもしれないけど、部屋の中の行動はすべてモニターに記録されているんですからね。これからどうなるか覚悟していなさい!」
「わたしはどうなってもかまいません。恵一さんだけは許してあげてください。こうなったのも、わたしのせいなんです」
 梨花は必死になって恵一をかばった。
「ここでは全てが共同責任です。どちらにしても二人で責任を執ってもらうことになります。大体、貴女は大事な商品なんですよ。しかも数日後に入札まで待っているというのに・・・」
 ゆりの言葉に、梨花は反論できなかった。
「とにかく、隆一郎様と話し会って貴女たちの処分を決めました」
「えっ!」
「可哀想だけど、貴女たち二人には死んで責任を執ってもらいます」
「そ、そんなぁ〜! 」
「これで貴女の商品価値もなくなってしまいましたし、めぐみは元々殺される予定だった人間です。だから貴女たちを抹殺しても何ら問題はありません」
 なんのためらいもなく冷たく話すゆり。梨花はそんなゆりの態度に、これがただの脅しではないことを悟った。そして、なんとかしなくてはと必死になった。
「わたしはどうなってもかまいません。恵一さんだけは・・・恵一さんだけは助けてあげてください!」
「・・・・・・」
「お願いします、何でもいたします・・・お願いです!」
「では1つ条件を出しましょう。その条件を受け入れるというのなら、めぐみだけではなく貴女も命だけは助けてあげましょう」
「本・・本当ですか? わたし何でもいたします!」
「では、立ちなさい。これから行く所があります」
 梨花は必死だった。恵一の命を救えるのであれば何でもする決意でいた。しかし、その要求が一体どのようなものなのか、梨花はまだ知らない・・・・・・。
 一方、恵一もやはり梨花と同じ全裸姿で、特別手術室の手術台の上に両手両脚を広げさせられた状態で拘束されていた。
 それは今朝のことだった。いきなり数人の男が恵一と梨花の部屋へと押し入り、恵一を押さえつけエーテルを嗅がせたのだった。そして、それから今まで恵一はずっと気を失っていた。
「ううぅっ・・・・・」
「気が付いたようだな、恵一」
 その声は、隆一郎の声だった。
「まったくとんでもないことをしてくれたものだ。おかげで大事な商品も台無しだ。この責任はとってもらうぞ」
「お・・・おまえ達は一体、僕達をどうするつもりだ!」
 恵一は言葉使いも完全に男に戻っていた。
「恵一、お前には本当にがっかりさせられたよ。もうすっかり女として生きる決心をしているのかと思ったら、この様だ。お前を信用した私がばかだったよ。それでだ・・・・・・」
 隆一郎は急にもったいぶった言い回しをしてきた。
「梨花には可哀想だが死んでもらうことになった」
「な、なんだって!」
「もう一度言おう・・・梨花には死んでもらう。それもこれもお前が原因だ。男を知らない生娘に傷をつけてしまったお前のな。お前のために梨花の商品価値はなくなってしまったんだよ」
 たしかにそれは事実だった。商品価値云々はともかく、梨花を傷つけてしまったことは事実だと、恵一は自分自身を責めた。
「但しだ! もしお前が私の言う事を素直に聞けば、梨花の命は助けてやろう」
「い・・いったい僕にどうしろと・・・・」
「別に特別なことをしろと言う訳ではない。これからお前の調教を進めていくためには必要な事だ。今回のようなことをまた起こされてはまずいのでな」
 恵一は梨花の命を助けるためならば、どんな要求でも受け入れる覚悟でいた。しかし、・・・・・・
「恵一、お前には去勢手術を受けてもらう。睾丸の摘出だ」
「ええっ!」
 どのようなことも覚悟していたとはいえ、それは恵一にとってとてつもなく大きな衝撃だった。


★ 人工美女の館 32 ★ ♂ 演出された去勢手術 ♀

「お前には『去勢』してもらう。睾丸の摘出だ」
 隆一郎によって恵一の去勢が宣告された。恵一はじっと目を閉じ、ただ唇を噛み締めているだけだった。
「私もここまではお前の意思を尊重してきてやったが、やはり体内に男性ホルモンが流れていると、今回のようなことになってしまう。それはお前にもわかるだろう」
 恵一自身も、犯してしまったことの重大さに、改めて自分の性欲を恨んでいた。
「別に強制的にやろうと思えば簡単に出来ることだか、この先のことを考えれば本人の同意のもとに行ったほうがいいと思ってな」
「・・・・・・・・・」
「さぁ、どうする恵一。それで梨花も助かるんだぞ」
「分・・・分かりました。覚悟は・・出来ています」
「よしよし、それで話は決まった」
「でも、それで本当に梨花さんの命は助けてくれるんでしょうね?」
「当たり前だ、男の約束だからな。いや、男と女の約束ということになるのかな。はっはっはっ」
 話が自分の思い通りに進み、隆一郎は愉快で仕方なかった。
「ではこれから手術にかかろう。まもなく執刀の医師も来るはずだ」
「えっ、これから!」
「何も驚く事はない。そのためにお前は手術台に拘束されているんだからな。おっ、来たようだ」
 そこへ手術室のドアが開き、男性医師と二人のナースが入って来た。
「小村井先生、お待ちしてました」
 なんとその医師は、瞳の兄・杉浦俊夫の性転換手術を執刀した小村井だった。
「これはどうも隆一郎様」
「それで小村井先生、あれは用意できましたか?」
「なんとか間に合いました。これです」
 小村井は持ってきた手提げカバンの中から、何やら宝石箱のような物を取り出し隆一郎に手渡した。隆一郎はその箱の蓋を開け中を覗きニヤリとした。そして、手術台横のワゴンの上に置いた。
「まぁ、これは後のお楽しみということで・・・。では、小村井先生準備が出来たら始めてください」
 いよいよ、恵一の睾丸摘出手術が始まろうとしている。手術としては簡単な手術であっだが、恵一にとっては20年間自分の心のよりどころにしていた男の性を失うという重大な瞬間にほかならなかった。そうしているうちにも、ナースの手により恵一に局部麻酔の注射が打たれ、陰嚢に消毒液が塗布されていった。少しずつ恵一の下腹部から感覚がなくなっていった。
「では、これから睾丸摘出手術を始めます」
 執刀医・小村井の言葉が静寂した手術室に響いた。
「メス!」
 ナースからメスを受け取った小村井が、恵一の陰嚢を切り開いていった。そして、そこで小村井の動きが止まった。
「隆一郎様、準備出来ました」
「そうか・・・・・・ちょうどいい、どうやら二人もやって来たようだ・・・」
 隆一郎の言ったとおり、手術室のドアが開いた。
 手術台に横たわっている恵一も、誰が来たのかとその方向に目をやった。その瞬間、恵一の血の気は一気に引いていった。なんと入って来たのは、ゆりと全裸姿で手錠を掛けられた梨花だったのだ。
「ああぁ、梨花さん」
 梨花は恵一が発したその声に、手術台に体を横たえられているのが恵一だと分かった。そして、思わず駆け寄ろうとした。
「恵、恵一さん!」
 しかし、大きく開かれた両脚の中心部が目に入ると、思わず脚がすくんで動けなくなってしまった。
「あ・・・あなたたちは恵一さんに何をしようとしているの? これでは約束が違います! 助けてくれるって言ったじゃないですか!」
 梨花は興奮しながら隆一郎たちに訴えかけた。
「梨花、お前は何を勘違いしているんだ。私たちは別に恵一を殺すつもりはない。今行おうとしているのは、単なる去勢の手術だ。恵一には、もう少しおとなしくなってもらわないと困るのでね」
「去・・勢・・手術・・・・、そんなぁ〜、そんなのひど過ぎます!」
 梨花は事の重大さに驚愕した。
「命を助けてやるんだ、このくらいのお仕置きは当然だろう。しかも、無理に行おうとしている訳じゃない、これは恵一の希望でもあるんだよ」
「えっ! 本当なの恵一さん!?」
 恵一はどう答えていいか迷った。もし自分がこの手術を拒否すれば、梨花の命がなくなるからだ。
「本・・・本当なんだ、梨花さん。このままだと、またあのような行動をとってしまいかねない。だから・・・・・・」
 恵一は、精一杯嘘をついた。しかし、今の恵一にはそうするしかなかった・・・。


★ 人工美女の館 33 ★ ♂ 断ち切られた睾丸 ♀

「そういうことだ、梨花、もう分っただろう。この手術は恵一も希望したものなのだ。分ったらお前にやってもらいたいことがある」
「えっ!? いったいわたしになにを・・・」
「なに、簡単な事だ。ちょっと手術の手伝いをしてくれるだけでいい」
「手術・・・の?」
「そうだ。どうせ睾丸を切除され去勢されるのなら、お前にその睾丸を切り取ってもらったほうが恵一も嬉しいのではないかと思ってね・・・。お前には、その睾丸切除の鋏を入れてもらう」
 その言葉を聞いた恵一は、何ということを考えるのかと隆一郎の人間性を疑った。どうせ去勢されてしまうのならば、機械的に短時間で終わらせてくれたほうが、恵一にとってはよほど楽であった。それを、梨花の手で切り取らせるなどというのは、もう正常な人間の考えることではないと思った。そして、当事者である梨花は・・・・・・、恐怖心と哀しみで、ただ呆然と立ち尽くしているだけだった。
「ではやってもらおうか。小村井先生、お願いします」
 隆一郎の指示に、小村井が鉗子を使って切開された陰嚢から2つの睾丸のうち1つを摘み出した。その茶褐色の肉塊からは、陰嚢内部へと糸を引いたような細管が伸びていた。
「ほら、この鋏を手に持って・・・」
 隆一郎から梨花に手術用の小さな鋏が手渡された、しかし梨花は、その鋏を持たされてもまったく動かなかった。
「どうした、その糸を引いて伸びているところをちょん切ればいいだけだ」
 いつしか鋏を持つ梨花の目からは涙が・・・・・・。そんな梨花の様子に気づいた恵一は、あまりのことにいたたまれなくなってしまった。
「梨花さん、いいんだ。もう切り取ってもらったほうが僕も楽になる。このままだと、とても苦しくて・・・」
「恵一もそう言っているんだ、早くしなさい!」
 それでも梨花は、ただ下を向いて涙を流しているだけであった。
「仕方ない、小村井先生、手本を見せてあげてください」
「分りました」
 小村井は、恵一の睾丸を鉗子で挟んだまま、梨花に切除の見本を見せるためナースから鋏を受け取った。そして、睾丸から陰嚢内部へと伸びる細管に、その鋏の刃を近づけていった。
「いいですか、梨花さん。ここへこう鋏を入れればいいんです」
 そう梨花に説明するなり、小村井は何のためらいもなくその部分に鋏を入れ、睾丸から伸びる細管を切断してしまった。
「ああ〜っ!」
 梨花の叫び声がこだました。そして恵一も、局部麻酔のため激痛は感じなかったが、軽い鈍痛を感じ取っていた。
「大丈夫だよ、梨花、睾丸は2つあるんだ。1つでも残っていれば、まだ男性としての機能は残っている。最後のとどめを刺すのはお前だから・・・安心しなさい」
 どこまでも梨花を、そして恵一を追い詰めていく隆一郎だった。
「では梨花・・・さん、最後のとどめを頼みますよ。むふふ」
 不敵な含み笑いを浮かべる隆一郎だった。
「あっ・・・わ、わたし・・・・・・」
 残されたもう1つの睾丸を切除した瞬間、恵一の男性としての機能は失われてしまうのだ。梨花は今、自分のさせられようとしていることの重大さを感じ、全身に震えがくるのを感じていた。
「仕方ない、私が介添えをしてやろう」
 いつまで経っても行動を起こさない梨花に業を煮やした隆一郎は、梨花の手に鋏をきちんと握らせると、自分の手を添えて恵一に近づいていった。
「小村井先生、お願いします」
 小村井が、恵一の陰嚢内に残されたもう1つの睾丸を摘み出した。
「いいか、梨花。今の手本のようにやればいいんだ」
 隆一郎は梨花の手を掴み、鋏の刃を引き伸ばされている睾丸へと近づけていった。
「いやっ! やめてっ! いや〜っ!」
 そんな梨花の抵抗も空しく、鋏の鋭い刃が伸ばされた細管をV字型に挟みこんだ。
「いよいよだな、恵一。これでお前はもう男には戻れなくなる」
 恵一は、じっと目をつぶりひたすら無言を通した。
「さぁ、これで男ともお別れだ!」
 そう叫ぶと、隆一郎は鋏を掴んだ梨花の指を一気に閉じた。
「ううっ!」
 一瞬、恵一がうめいた。
『ぷっつん』と、まるで音がしたかのように、最後に残された恵一の睾丸が陰嚢内から切り離されていった。
「よかったな、恵一。これでもう迷いもなくなっただろう。これもみんな、最後にとどめを刺してくれた梨花のおかげだ」
 隆一郎の二人の気持ちも考えぬ非情な言葉に、梨花は床に泣き崩れ号泣し始めた。そして、去勢され放心状態の恵一の目尻からも一筋の涙が・・・・・・。その傍らのシャーレの上には、恵一の陰嚢から摘出した2つの睾丸が無情にも乗せられていた。


★ 人工美女の館 34 ★ ♂ 埋め込まれる金色の玉 ♀

「さて、これでお前の男としての能力は取り除くことが出来た、あとは『女性ホルモン』の投与だな」
 隆一郎のこの言葉に、恵一は『はっ』となった。これまで恵一は、去勢されることだけしか頭になかった。しかし、隆一郎から『女性ホルモン』という言葉を聞き、恵一の気持ちが再び震撼した。
「なぁに、そんなに深刻になることはない。投与する手間がかからないように、このようなものを作っておいてやったからな」
 そう言いながら、隆一郎は傍らに置いておいた小村井から受け取った箱を手にとり、恵一の目の前で蓋を開けて見せた。
「これを見てみろ」
 見ると箱の中には、金色の光沢を放つ直径2センチ程の玉が2つ並んでいた。
「恵一、この金色の玉がなんだか分かるか? これは新素材を使って作った人工睾丸だ。なんといっても睾丸なので、表面を分子的レベルで金メッキし、金色に仕上げてある。お前も今まで股間にあった睾丸を抜き取られ、寂しいと思ってな・・・。そういう訳で今からこれをお前の陰嚢へ埋め込む。これからはこれがお前の新しい睾丸・・・『金玉』になるわけだ、どうだ嬉しいだろう」
 人工睾丸・・・わざわざ去勢しておいて、いったい何のためにそのようなものを? その答えはその後の隆一郎の言葉の中にあった。
「但しだ、この人工睾丸は男性ホルモンを供給するためのものではない、女性ホルモンを供給するためのものだ。この人工睾丸は新開発の高分子吸収剤で作ってあり、注射器によって陰嚢内に注入された多量の女性ホルモンを瞬時に吸収し、その後少量ずつ放出していく。だから、一般的な女性ホルモン投与のように、注射器で頻繁に体内に投与する必要はない。一ヶ月に一度陰嚢に注入すれば、それで十分だ・・・おっと、前置きが長くなりすぎたな。では小村井先生、これを恵一の陰嚢に・・・・・・」
 隆一郎の弁舌にも、恵一はただ目をつぶり自らの気持ちを落ち着かせていた。しかし、ここまでずっと泣き崩れていた梨花が、あまりの非情さについに怒りを露わにした。
「もういいかげんにしてください! 恵一さんをどこまで嬲れば気が済むんですか。恵一さんは男性の大切なものを失ってしまったんですよ。もう、それだけで十分じゃないですか!」
「何を興奮しているんだ、梨花。このまま去勢した状態で放置しておくとホルモンバランスが崩れ、いろいろと弊害が起こるんだ。だから女性ホルモンを投与するのは必要な処置なんだ」
「そ・・・そんなぁ・・・」
「もちろん、女性ホルモンの投与を始めれば当然のことながら乳腺が発達し、中学生の乳房程度には胸も膨らんでくる。まぁ私としても、乳房を持った恵一の姿を見るのは、今から楽しみにはしている」
 そんな応答をしているうちに、恵一への人工睾丸埋め込み手術が終わろうとしていた。
「どうやら終わったようだな。あとは傷口の回復を待って女性ホルモン投与開始だ」
 いよいよ恵一の体内に女性ホルモンが・・・・・・。恵一はついに肉体的にも女性化されてしまう。

 そして数日後、梨花の入札日。あの日から恵一と梨花の二人は、それぞれ別の部屋へ移されていた。その間に、恵一の手術の傷もすっかり癒えていた。
 この日すでに梨花の入札も終わり、梨花は入札会場から自分の部屋へと引き立てられていく途中だった。服装はいつもの制服とは違い、真っ赤なミニフレアドレスだったが、スカートの裾からはいつものように肛門に連結されている鎖のチェーンが伸びていた。しかし、気になったのは梨花の異常なまでの落ち込み様だった。
「梨花、元気を出しなさい。貴女だけじゃないの、他の女の子も皆同じなのよ」
 いったい何があったのかは分からないが、ゆりの励ましにも梨花は無言だった。
「いいわ、貴女が元気になるように、これからめぐみに会わせてあげましょう」
「えっ、本当ですか?」
 ずっと黙りっぱなしだった梨花がやっと反応した。
「ちょうど今、この先の調教室にいるはずよ。タイミング的にも・・・・・・」
 何気ないゆりの気になる言葉・・・しかし、今の梨花には気づくはずもなく。二人は恵一のいる調教室へと向かって行った。


★ 人工美女の館 35 ★ ♂ 女への旅立ち ♀

「さぁ、着いたわ。ここよ」
『トントン』、ゆりがドアをノックした。
「はい、どうぞ」
 部屋の中から聞こえてきたのは隆一郎の声だった。
「失礼します。梨花の入札が終わりましたので、ここへ連れて参りました。あまりに落ち込んでいたもので・・・」
 そう言いながら、ゆりが梨花を連れて部屋の中へと入って来た。
「そうですか、それはちょうどよかった」
 そう言って隆一郎が立つ位置を移動すると、そこにはいつもの制服姿のまま天井から両手を吊られ、床に取り付けられた拘束具で両脚を50センチほどの幅に固定された恵一の姿があった。そんな恵一の姿ではあったが、梨花には恵一に会えたことがとても嬉しかった。そして恵一も、久しぶりに会う梨花の姿に一瞬の安堵感を味わっていた。しかし、その顔はなぜか異常に硬直していた。
「じつは、これから恵一へ女性ホルモンを投与するところだったんですよ」
「そうなんですか、それでは梨花と一緒に見学させていただきます」
 二人の会話から、これから恵一に女性ホルモンが投与されると知り、梨花は動揺した。
「恵一、よかったな。女になる第一歩を梨花に見てもらえて。さぁ、始めようか」
 隆一郎は片手で恵一のスカートを捲り上げると、用意してあったクリップで上衣に留めてしまった。そこにはすでに下着はなく、恵一のペニスが元気なく垂れ下がっていた。
「ゆりさん、ちょっとこのペニスをつまんでいてもらえますか」
 そう言って隆一郎はその垂れ下がるペニスを上方に持ち上げると、ゆりの手につまませた。そして、テーブル上にすでに用意してあった太目の注射器を手にした。中にはすでに多量の女性ホルモンらしき薬液が。
「普通は女性ホルモンを投与する場合には副作用が出ることがあるので、最初は少量ずつ投与し様子を見てから量を増やしていくんだが、恵一の場合には、一度人工睾丸に吸収され、その後少量ずつ体に吸収されていくため、最初から多量に注入しても別に問題はないんだ」
 隆一郎は注射器を上に向け中の空気を抜くと、その針を恵一の陰嚢へと近づけていった。
「さぁて、お前はこの薬液を注入された瞬間からもう男ではなくなるんだ・・・これからお前の体の中には多量の女性ホルモンが流れることになるのだからな」
 そう言い終わると、隆一郎は一気にその注射針を恵一の陰嚢に刺していった。
「ううっ!」
 恵一が注射針の刺さった痛みで、思わず声を洩らした。しかし、今の恵一にはもはや抵抗する気力はなかった。
「ではいくぞ!」
 隆一郎はここぞとばかり恵一の陰嚢内へ注射器内の薬液を注入していった。注射器の中の薬液が減るのと反比例して、恵一の陰嚢が一気に膨れあがった。
「ああ〜っ、いやぁ!」
 梨花が大きな悲鳴をあげた。しかし、次の瞬間には陰嚢は驚くような速さで再び収縮を始め、普通の大きさまで戻っていった。
「どうだ、人工睾丸があっという間に薬液を吸収したのだ。たぶん2センチほどだった人工睾丸は、今はすでに5センチほどまでに膨張しているはずだ。これで一ヶ月は再注入の必要はない」
 隆一郎は注射器内の薬液をすべて恵一の陰嚢内に注入し終えると、そっと針を抜き取った。
「ゆりさん、もう離してもいいですよ」
 ゆりは、つまんでいた恵一のペニスをゆっくりと下に降ろし手を離した。
「隆一郎様、これでめぐみもいっそう女らしくなって行きますわね」
「ええ、肉体的にはもちろんですが、女性ホルモンの作用で精神的にも徐々に変化が起きてくるはずです。本人の意思とは関係なくね。ふふふ」
 それにしてもなんという恐ろしい話だろう。完全な男性である恵一が、女性ホルモンの作用によって強制的に女性化されていく。このようなことが許されていいのだろうか。一体、恵一はこれからどうなってしまうのか・・・・・・。

戻る  次へ  書庫メニュー
inserted by FC2 system