人工美女の館   作:絵里
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★ 人工美女の館 6 ★ ♂ 死の先にある悪夢 ♀

「うっ・・う〜っ・・・」
 どれくらい時間が経ったのか、恵一はようやく意識を取り戻した。
 気がつくと、恵一は服を脱がされ下着姿でベッドに大の字に縛り付けられていた。そして、その横には大神隆一郎と、恵一と高校時代同級生だった大神隆司が座っていた。
「ようやく気が付いたようだな」
「お前達はいったい・・・・いったい何を企んでいるんだ!」
「そんなに知りたいか」
「杉浦さんの残していったメモには、大神病院関係者が地下組織で人身売買を行っているらしいと書かれてあったが、それは本当か?」
「どうせお前はもうここで死ぬ事になるのだから、この際全てを話してやろう」
「ふふ〜ん、やはり杉浦さんの事を知っているんだなぁ」
「まあな、あいつは余計な事を嗅ぎつけ、のこのことここへやって来た。だから捕まえただけだ・・・と言いたいところだが、本当はわざとあいつに餌をばらまいてやったのだ」
「わざとだって? 何でそんな事を」
「まあ、いろいろあってな、あいつがどうしても必要になったという事だ」
 そう言いながら、隆一郎は苦笑いをしていた。
「人身売買・・・・・そんな事を本当にしているのか?」
「嘘ではない、若い娘を調教してSMクラブやSM愛好者に売りつけている。なかなか楽しい仕事だよ」
「なんていう事を、それは良識のある人間のすることじゃない」
「そうさ、私たちに良識などというものは必要ない」
「お前はそれでも医者か!」
「もうこれくらいにして、お前にはそろそろ死んでもらおうか。隆司、あれを取ってくれ」
 隆一郎に指示され、隆司は部屋の隅にある戸棚へ何かを取りに行った。
「僕を殺したって無駄だ。僕が戻らなければ葉子たちが警察へ通報する事になっている」
「柴崎君、残念だがそうはならないよ」
「なんだって、そ・・・それはどういう意味だ?」
 恵一に不安が走った。もしかして・・・・・・、
「柴崎君、君には分からないだろうが、君はまる一日意識を失っていた。こちらが手を打つには十分な時間だ。その間に君の恋人である葉子さんと、杉浦俊夫の妹・瞳は預からせてもらった。これが証拠だ」
 そう言って、隆一郎は部屋の横にある戸棚から2着のセーラー服とスカートを取り出し、恵一の目の前に差し出した。それは、紛れもなく恵一の母校でもある西園寺高校の制服であった。
「貴様らぁー、いったい二人をどうしたんだ、変なことをしたら許さないぞ!」
「もちろん、せっかく捕らえた獲物だから、調教して売り飛ばすのもいいかもしれんなぁ、フッフッフッ。しかし、君はもうそんな事を心配する必要はない。今ここで死ぬんだからね」
「くそぅー !!」
「それからもう一人、君の母親もこちらで預かっている、念のためにな」
 恵一は早くから父親に死なれ、母と二人で暮らしていた。その大事な母親までも拉致されてしまっていたのであった。これでは、恵一にはもうどうしようもなかった。
「隆司、それを頼む」
 そう言って隆一郎が隆司から受け取ったのは、注射器であった。
「柴崎君、この注射を打てばすぐに楽をしてあの世へ行けるから安心しなさい」
 そう言って、隆一郎は恵一の左手を押さえ付け、注射器の針を近づけていった。
『母さん、杉浦さん、葉子、瞳ちゃん、何も役に立てなくてごめん!』
 そう心の中で叫ぶ恵一であった。


★ 人工美女の館 7 ★ ♂ 覚悟の身代わり志願 ♀

 今にも大神隆一郎の持つ注射器の針が、恵一の左腕に刺さろうとしていた。身動きの出来ない恵一には、もう覚悟を決めるしかなかった。
「柴崎君、では、さらばだ」
 隆一郎は一気に注射針を恵一の腕に刺した、そして、薬剤を注入しようとした瞬間、急に大きな音を立てドアが開いた。そのため、注射器を押す隆一郎の指が止まった。恵一も驚いてその方向を見ると、そこには恵一の知らない男が立っていた。
「なんだ、洋祐か。急に何の用だ」
 その男は『洋祐』という名前らしい。いったい誰なのか・・・恵一はとても気になった。
「隆一郎さん、このまま殺してしまうというのでは、あまりにも面白味がない。そうは思いませんか?」
「では、どうしたら面白くなると言うんだ」
「たとえば・・・・・・・・・」
 洋祐はそう言うと、あとは隆一郎の耳元に口を寄せ、恵一に聞こえない程の小さな声で耳打ちした。
「なるほど、それは結構面白いかもしれんなぁ」
 隆一郎は洋祐の話に興味を示し、ニヤッと笑みを浮かべた。そして、恵一の腕に刺した注射の針を抜いた。
「柴崎君、少し私の考えが変わりました。これから私が交換条件を出しますから、もしそれを君が受け、そして最後までやり遂げてくれれば、君のお母さんも葉子さんも皆解放してあげましょう」
「いったい、僕に何をしろと言うんだ」
 恵一はとても不安を感じたが、皆が無事に解放されるのであれば、元々ここで死んでいたはずの自分である。何でもする覚悟は出来ていた。
「じつはな、先ほども話したように、葉子さんはここで奴隷としての調教を受けさせられ、売り飛ばされる事になっていた。しかし、もし君が葉子さんの身代わりとなってくれるならば、その時には全員を解放してあげようではないか」
「身代わり・・・?、男の僕にどうしろと言うんだ」
「そう、男の君では何の役にも立たない。だから、葉子さんの代りに女として調教を受けてもらう・・・ということでどうかな?」
「な、なんだって!」
 恵一は自分の耳を疑った。そして、なんてとんでもないことを考える連中だと怒りさえ覚えた。しかし、逆らう事が出来ない事は、恵一自身が一番よく知っていた。
「なに、別に難しい事ではない。ちょっと女の子に混じって一緒に調教を受けていればいいだけだ」
「・・・・・・」
「どうする、まぁ断ればお前は死に、ほかの連中も地獄に落ちるだけだがね」
 そんな事は死んでも出来ない。しかし、皆の事を考えると承諾するしかないと思う恵一であった。
「わ、わかった、僕を葉子の身代わりにしてくれ」
「そうか、身代わり志願という訳だな、よしよし。隆司、あれを・・・」
 隆一郎が目配せすると、隆司が引出しから紙切れを持ってきた。
「これは、奴隷調教の承諾書だ。これに君のサインをしてもらう、いいね」
 隆一郎は、ベッドに縛り付けられている恵一の縄を解き始めた。
「おとなしくしていろよ。もし暴れたりしたらどうなるか君はもわかっていると思うが」
 恵一は拘束から解放され、机の前の椅子に座らされた。
 そして、目の前には恵一が署名をしなければならない承諾書が置かれていた。
「よく目を通してから署名してくれたまえ。決して無理にとは言わんからな」
 どちらにしても断る事の出来ないものではあったが、恵一は言われた通りに一応内容を確認した。
『私は、本日只今から殿方にお仕えするための調教をお受けする事を承諾致します。もし、私がこの調教を素直に受け入れなかった場合には、どのようなお仕置きを受けましょうとも、異存はありません』
 その内容は、恵一にとってまさしく屈辱的なものでしかなかった。
「では柴崎君、そこに用意してあるペンで、承諾書に署名してくれたまえ」
 恵一は、言われるままに机上に用意されたペンを手に取った。そして一度深く深呼吸をしてから、これから自分を羞恥地獄へと突き落とす承諾書へとペンを運んでいった。

★ 人工美女の館 8 ★ ♂ めぐみ誕生 ♀

 大神隆一郎から促され、恵一は机の上に用意されたペンを手に取った。
 このもう後がない瀬戸際の状態で、恵一はあの日の事を思い出していた。

 それは2ヶ月程前の夏の終わりの事・・・、二人で海水浴へ行った時の事だった。夕方になり人気のなくなった砂浜で、恵一と葉子は互いに寄り添い、夏の終わりの余韻に浸っていた。
 そんな背景も手伝って、恵一は今まで葉子に言いたくても言えなかった事を、思い切って葉子に打ち明ける決心をした。
「葉子・・・、葉子と付き合い始めてからもう2年近くになるけど・・・・・・」
 しかし、そこまで言い出したがそのあとの言葉が出てこなかった。
「どうしたの恵一さん? 今日少し変よ」
「う〜ん、変でいいんだ、今日は。で、それでなんだけど・・・・・・、いつになるかはわからないけど、そう3年先か4年先かもわからないけど・・・・・・、も・・・もし二人がそれまで今のように付き合っていたら・・・」
「えっ、付き合っていたら?」
「そう、付き合っていたら・・・その時、葉子、結婚・・・してくれるかなぁって・・・」
 ついに言ってしまった。そう思いながら恵一は照れくさそうに葉子のほうを見た。すると、葉子はすでに恵一の顔を見つめ、目に涙を潤ませていた。
「ううん、絶対に・・・絶対に結婚しようね」
 そう呟くと、葉子は恵一の胸に顔をうずめ、喜びの涙を流し続けた。そしてこの夜、二人は初めて肉体的に結ばれた。おそらく恵一そして葉子にとって、それは忘れられない日であったに違いない。あれからまだ2ヶ月しか経っていないのである・・・・・・。

 そんな思い出が頭の中を駆け巡っているうちに、恵一はいつの間にかその承諾書に署名をしてしまっていた。もう後戻りは出来ない。葉子と結ばれる事がほとんど不可能となってしまった今、自分が葉子にしてあげられる事は、彼女を救ってあげる事だけしかなかった。そして、その手段がこれしかないとすれば、もはや覚悟をするしかなかった。
「恵一、これでお前はもう男に仕える女奴隷だ。毎日厳しい調教を受け、一人前の可愛らしい女奴隷になる事だな」
 そんな隆一郎の恵一を侮蔑したした言葉にも、恵一は何も反論出来なかった。
「ところで恵一、これからお前を連れて行くところは、女を男の奴隷として調教するところだ。つまりお前は、その女達と一緒に『女』として調教される事になる。だから、恵一という名前も女の名前に変えてもらわなければならない」
 男として、なんという屈辱的な事だろう。ただ奴隷としての調教を受けさせられるだけでなく、名前までも女に変えられてしまうとは・・・・・・。
「隆一郎さん、もしよかったら私にその名前を付けさせていただけませんか?」
 そう言ったのは、洋祐だった。
「まぁ、いいでしょう。元々この話はお前が持ち出したものですからね」
「それは有難うございます。ではお言葉に甘えさせていただいて、『恵一』から一字取って『めぐみ』とさせていただきます」
「『柴崎・・・めぐみ』か、悪くはないな」
「俺もいいと思うよ。『めぐみ』なら可愛いらしいし、女奴隷になる柴崎にはぴったりだ」
「よ〜し、これで決まりだ。いいか、恵一。今からお前の名前は『めぐみ』、『柴崎めぐみ』だ。わかったな」
「・・・・・・」
 恵一は、悔しさで唇を噛み締めていた。
「わかったのかと聞いているんだ、恵一・・・いや、め・ぐ・み」
 今までとあまりにも違う隆一郎の激しい語調に、恵一は完全に飲まれてしまっていた。
「は、はい、わかりました」
「よし、わかったのなら『私の名前は柴崎めぐみです』と、私がいいと言うまで言い続けなさい」
「はい、『わたしの名・・・名前は・・・・・・』」
 なんとか言おうとする恵一だったが、くやし涙で言葉が出てこなかった。
「さあ、言いなさい。そのような事でどうするんですか。まだ始まったばかりなんですよ」
 そう、今からこんな事ではいけないんだ。恵一は自分に言い聞かせた。
「ごめんなさい、やり直します。『わたしの名前は・・・柴崎・・・・・・めぐみ・・・です』、『わたしの名前は・・・柴崎めぐみです』、『わたしの名前は・・・・・・・・・・・・・・・』」
 いつまでも続く『めぐみ』の連呼。恵一は、もはや隆一郎の言うなりになるしかないと観念していた。


★ 人工美女の館 9 ★ ♂ 地獄への旅立ち ♀

承諾書への署名が終わった恵一は、体のサイズを計られ、隆一郎にシャワールームへ連れて行かれ体を清められた。そして、その間に恵一用の女性下着が用意された。
「恵一、いや、めぐみだったな、これがこれからお前が身に着ける女性用の下着だ。そして、これは調教の第一セクションが終わるまでの制服でもある」
 隆一郎がそう言って恵一の足元に放り投げたのは、白いレースにピンクの小花をあしらったパンティーとブラジャーだった。
「ブラには乳がん患者用のシリコンパッドを入れておいた。何もない胸にブラを着けるのも寂しかろう。さあ、その下着を着けなさい」
「・・・・・・」
 恵一は、女性の下着など、恥ずかしさでとても身に着ける気にはなれなかった。
「隆一郎さん、僕は・・・女性の下着までも身に着けなければならないんですか、ただ調教を受けるだけではいけないんですか、どんな調教や拷問でも受けますから、どうか女性の下着を身に着ける事だけは許してください」
 あまりの羞恥に、恵一は隆一郎に哀願した。しかし、そんな甘えはもはや許されなかった。
「お前は私の言う事が聞けないのか。それならそれで別に構わんが、葉子がどうなっても知らんぞ」
「・・・わ、わかりました、僕の考えが間違っていました」
 そう言われてしまうと、何も反抗出来ない恵一だった。恵一は意を決したように床に置かれたパンティーを手に取り、そして脚を通していった。
 恵一は一見優男に見えるが、意外に大きなペニスを持っていた。
「それにしても意外だったよ。めぐみにこんな立派な息子が付いていたとはな。だが、股間に折り曲げれば上手く収まるだろう。股間の盛り上がったパンティーなんて様にならんからな、ハッハッハッ」
 そう言っておどける隆一郎だった。
 そんな冷やかしに顔を真っ赤にしながら、恵一はパンティーを臀部まで引き上げた。そして、言われたようにペニスを股間方向へ曲げ、なんとか上手く収めた。
「どうだ恵一、女のパンティーを穿いた気分は?」
 恵一はもう恥ずかしさで顔が真っ赤になっていた。
「さて、次はブラジャーか。さっきまで男だったお前には、まだ自分で身に着けるのは一苦労だろう。着けるのを手伝ってやろう」
 そう言うと、隆一郎は床に置かれたブラジャーを手に取り、恵一の前に立った。
「ほら、まず両手をここに通して。後ろのホックは私が止めてやろう」
 やっと恵一の女性下着姿が完成した。胸を隠すブラジャー、下腹部を覆う可愛いパンティー、そして、本来ならあるはずのないパンティーの前の膨らみ。恵一の両手は、まるで恥らうかのように自然とその股間の膨らみを隠していた。
「どうだめぐみ、女の下着を身に着けさせられて恥ずかしいか。だがこれからしばらくの間は、その下着姿のまま他の女奴隷達の中へ放り込まれるんだ。興奮してそれ以上パンティーの前を膨らませるんじゃないぞ。何も隠すものがないのだから、まわりから丸見えだぞ、ハッハッハッ」
 冗談ではなく、このような恥ずかしい姿で他の女性達の中へ入っていかなくてはならないと思うと、それだけで恵一にとっては地獄であった。
「では、そろそろ行きましょう。手錠を掛けます、めぐみ、両手を後ろへまわしなさい」
 両手を後ろに・・・もう恥じらいを隠す事さえ出来なくなってしまう恵一だった。
 恵一はしかたなく、パンティー前部に置いてあった両手を後ろへ持っていった。隆一郎は用意してあったスチール製の手綱の付いた手錠を恵一に嵌めた。
「これからお前を連れて行くのは、ここの地下50メートルにある奴隷調教用の施設です。私達にとっては天国のようなところですが、めぐみにとっては地獄かも知れませんね。では、行きましょうか」
 いよいよ、恵一にとって地獄への旅立ちが始まった。


★ 人工美女の館 10 ★ ♂ 三途の川 ♀

 恵一は、女奴隷の制服であるパンティーとブラジャーだけという恥ずかしい姿で、地下50メートルにあるという奴隷調教用の施設へと連行されようとしていた。男としては美形で華奢な恵一ではあったが、顔も体も男のままで、下着女装したその姿はやはり違和感を漂わせていた。そんな姿で後ろ手錠を嵌められ、そこに繋がる金属製の手綱を隆一郎に持たれたまま、何度もエレベーターを乗り継ぎ、二人はやっと目的の場所へと辿り着いた。
「あまりにエレベーターを乗換えたので、驚いたかな。これは女奴隷達が簡単に逃げられないよう、わざとこうしてあるんだ。だから、調教施設内も迷路のようになっている」
 エレベーターを降りると入口らしいドアがあった。隆一郎がドア横のインターホンのような物にパスワードを打ち込むとドアが開き、二人は中へと入った。全体がホワイトに統一されたその空間は、確かに隆一郎が言っていたように迷路のようであった。
「ここには、特別な人間や許可を得た人間以外、男は入れない。さらに、この先にあるドアから先はもっと厳しく、私の父・隆造以外一切男は入ることが出来ない。もちろん、私も例外ではない。つまり、女だけの世界・・・ここの者はそこを『大奥』呼んでいるが、お前はこれからそこへ入る事になる。まぁ、そんなところへ入れるお前が羨ましいといえば羨ましいがな」
 そんな話をしているうちに、ピンク色に彩られたドアの前で立ち止まった。
「ここだよ、めぐみ」
『めぐみ』と呼ばれても、恵一には未だに他人事のように感じていた。
 隆一郎がドアを「トントン」と叩いた。するとドアが開き、中から30歳前後の黒いパンツスーツを着た女性が出てきた。隆一郎の後方にいた恵一は、自分の恥ずかしい姿を見られまいと、隆一郎の陰に隠れた。
「隆一郎様、お待ちしておりました。さあ、中へどうぞ」
 隆一郎は恵一の手綱を引き、部屋の中へと入った。
「この子ですね、お話しされていたのは」
「そうです。名前は『柴崎めぐみ』、元の名は『恵一』でした」
 そう言うと、隆一郎は恵一をその女性の前に立たせた。女性の下着姿の恵一は、恥ずかしそうにうつむいていた。
「見たところなかなか素材がいいし、調教のしがいがありますわ」
「男にしてはかなり甘い顔立ちなので、女にしても十分通用すると思うのですが」
「でも、隆一郎様って悪いお方、男性を女性として調教させるなんて・・・」
 このような二人の会話も、緊張している恵一には、まったく耳に入っていなかった
「そうだ、めぐみにも紹介しておかなくてはいけないな。この人はこの施設の調教師の一人で、全体の責任者でもある『富沢ゆり』君だ。以前、ここの病院でナースをしていたので、医療関係にも詳しい。今回はお前のために、特別に『ゆり』君を指名したんだ。お前からも挨拶しなさい」
 突然挨拶を促され、放心状態だった恵一は慌ててしまった。
「けぃ・・・・・、いえ、めぐみです。よろしく・・・お願いします」
「こちらこそ、どうぞよろしく。それで、ここでは目上の人には『様』を付けて呼んで貰います。私のことは『ゆり様』と呼ぶこと。今は優しいけど、調教が始まったら厳しくなりますから。覚悟しておく事ね」
 そう言いながら、ゆりは恵一の体を頭から足先まで嘗め回すように見まわした。
「まぁ、今はまだどう見ても男ね。一応、私なりに貴女の女性化カリキュラムを組んでおいたので、早速実行して貰います。まずは心身の基礎的な女性化を図っていきます。そのため、しばらくは他の女性達とは少し別メニューになります。あとこれは特別注意事項なんだけど、これから貴女は女言葉以外の使用は禁止です。女言葉に関しては、カリキュラムの中にも学習時間を設けてありますが、もし少しでも男言葉を口にしたら、その場合はペナルティーとして、厳しいお仕置きを受ける事になります。いいですね。あと詳しい事はその都度話しますから、今はこれくらいにしておきましょう」
 ゆりの説明が終わると、隆一郎は満足したような顔で頷いていた。
「ゆり君の話を聞いていたら、私自身もめぐみの変化が楽しみになってきましたよ」
 始めはあまり乗り気ではなかった隆一郎であったが、少しずつ恵一の調教に興味が出てきたようであった。
「では隆一郎様、そろそろめぐみを『大奥』へ連れて行こうと思います」
「そうですか、ではよろしく頼みます」
 そう言うと、隆一郎は恵一の掛けられている手錠から伸びた手綱をゆりに手渡した。
「では、めぐみさん・・・行きましょうか」
 隆一郎が見送る中、恵一とゆりの二人は『大奥』の入口へと近づいて行った。

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