地球征服に関するオレ的実践と顛末 作: 摩火
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地球征服に関するオレ的実践と顛末55

オレたちは彼らの前に歩み出た。
「大佐様、看護婦13号でございます。残念な報告をしなければなりません。仮面バイザーが基地に侵入し基地は全滅しました。脱出できたのはここにいる戦闘犬5号と女郎1号でございます。」
看護婦が一歩前に歩み出て、大男に報告をした。するとこれが地獄大佐と呼ばれている司令官なのだろう。
「なに?女郎1号とな?するとあのタイプは完成しておったのか?」
地獄大佐は、葬神博士の埼玉本部全滅よりも女郎タイプの方に興味があるようだった。
「ほほう、これが女郎タイプか、だいぶ汚れてすすけているが、なるほど、よく見るといい女だわい。」
地獄大佐はオレの頭からつま先までを・・・特に突き出した胸とミニスカートに包まれたヒップの辺りをジロジロと不躾に見た。
その時、オレは初めて全身がススと埃で相当に汚れていることに気がついた。髪の毛もほつれて顔に何本も貼りついている。
オレは自分が汚れていることと、ジロジロ見られていることの恥ずかしさから思わず目を伏せてしまった。
「おお、恥じらいおって、なかなか可愛いヤツだ。」
地獄大佐はその外見通りになかなか豪放磊落な人物のようだった。
「はい、実験タイプということで、地元の女子高生をさらって改造しました。女子高生の時の記憶は一部しか残していませんが、テストでは最高の性能・・・いえ、性技を発揮しました。」
看護婦はいけしゃあしゃあと嘘八百を並べ立てた。
「そうかそうか、そりゃあ楽しみだわい。俺様も早速テストせにゃあな。」
地獄大佐はオレに目を釘付けにしたまま舌なめずりをした。いかめしい顔の上に乗っているカイゼル髭のせいでよくは見えないが、涎のズズズッと音が聞こえてきそうだった。
「そうかそうか、女郎1号さえ手に入れば、あんな葬神博士の基地などどうなってもいいわい。おい、戦闘員52号、女郎一号を以前から用意してあった婦人用の部屋に案内せい。いいか、例の専用室だぞ。」
地獄大佐は意味ありげに横にいた戦闘員に命じた。

地球征服に関するオレ的実践と顛末56

「それから後の1人と1匹は俺様の組織でそのまま働くがよい。こっちの戦闘員38号が案内するからな。」
そこでオレ達はバラバラに分かれることになってしまった。
オレはといえば、ものすごく不安だった。
あの地獄大佐の下卑た表情はオレの艶かしい女体をモロに狙ってくるのは100パーセント確実だったし、周りにいる戦闘員もさっきから何だか腰を曲げ、前かがみになっている。
オレのこの姿に勃起している証拠だった。
しかし、オレはこの女体を弄ばれることに対して、以前ほど嫌悪感を感じなくなっていることもまた事実だった。
どちらかと言えば、オレの魅力が十分に彼らを支配できることに対して、ちょっと嬉しい気持ちがある。
それにオレの頭の中にある男を篭絡する知識を使えば、彼らを蔭から自在に操れるのではないかという気がしていた。
オレは戦闘員52号の後について廊下を歩いていった。
途中幾人もの全身タイツ姿の戦闘員や、一見普通の人間と変わらない基地要員とすれ違った。
「キッキキキー(おい、ものすごいいい女連れているなぁ、誰だ、そのねえちゃんは)」
「キキキキ(ああ、自爆した葬神博士の基地から脱出してきた女郎1号だ、例の部屋まで案内するところだ)」
「キキキッキッキー(えっ、女郎1号だって、早くお相手してもらいてぇー)」
「キキキキッキーキキ(だめだめ、まずは大佐からだ、その後は大幹部達と順番が決まっている。俺たち下っ端はずっと後だ)」
道すがら会う戦闘員達は皆同じことを聞いてくる。
それも会う連中会う連中オレとは直接会話をしないで、戦闘員52号とのみ話をしている。
オレは自分がまるで大人のおもちゃかなにかのように扱われている気がしてきた。
実際、彼らにとって見ればオレの人格なんぞどうでもいいことだった。オレは彼らの性欲の処理のはけ口という機能を満たしていればそれでいいのだ。
『ちっきしょう、人を娼婦のように見やがって』
今のこの体は娼婦のくせに、オレは心の中で歯軋りをした。そしてオレは心の中で誓った。
彼らをこの魅力的な女体の力で篭絡し、オレの思い通りに動かしてやると。

地球征服に関するオレ的実践と顛末57

それは今までのオレにはとうてい思いつきもしなかったようなことだった。
しかし、この魅力的な女体に備わっている、男をたぶらかせ、骨抜きにする各種の篭絡術とセックス技術とを持ってすればあながち不可能とは言えないことだった。
確かガッコの授業で、世界史の先公が話していたっけ、昔の中国で楊貴妃が時の皇帝を骨抜きのメロメロにし、国自体が戦乱に陥ったそうだ。たしか美人にも色々位があって、美人・佳人・麗人・傾城とか言うそうだ。
傾城とは城を滅ぼし、国家を転覆させるぐらいに男を惑わす女のことを言うと先公が言っていた。
してみれば、オレは傾城くらいにはなれるかもしれない。何と言ってもオレには葬神博士の埼玉本部を壊滅させたフェロモン大放出という武器がある。
そのほかにも、ちょっと頭の中を覗くと色々と使えそうな機能があることにオレは気がついた。
「キッキ(ついた、ここがあんたの部屋だ)」
物思いにふけっている間に、いつの間にか目的地に着いたようだった。
何の変哲もない味気ないドアがスルスルと開くと、そこはまるでアスレチックジムのようになっていた。
いや、よく見るとアスレチックジムなどではなかった。
運動器具と思ったものは、三角木馬や産婦人科の分娩台や女を天井から吊るすロープや滑車などのSM器具のオンパレードだった。
「キッキキキッ(へっへっへっ、どうだ、驚いたかい嬢ちゃん。ここはSMの部屋さ、大佐はすっげえサドって話でね、婦人部屋に真っ先にこのSMルームを作らせたのさ)」
オレは自分の顔が青ざめるのを感じた。
俺の頭の中には勿論SMの知識も豊富に詰まっている。ソフトSMならまだいいが、ハードSMの世界はたやすく極端にまで突っ走りやすいものだ。その行き着く先はカタワか惨殺と相場が決まっている。
「キッキッキー(もちろん、他の部屋もあるよ。見るかい?女をメロメロにするすっげえ道具や装置が他にもいっぱいあるぜ)」
オレの気も知らず、案内の戦闘員はいい気なもんだった。得意げに婦人部屋と称する各部屋を見せまわった。
隣の部屋は壁や椅子や、ありとあらゆるところに男根のリアルな形をかたどったディルドーが埋め込まれていた。椅子に座るためには、その卑猥なものを体内に差し込まなければならない。
また、ある部屋には壁一面に春画が描かれていた。交接部がはっきりみえるとても卑猥なものだった。


地球征服に関するオレ的実践と顛末58

次の部屋は幼児部屋のようになっていた。ここで赤ちゃんプレイをしようとでもいうのだろうか、大人サイズのベビー服やオムツが壁際に置かれている。
オレはその精神病的な数々の部屋の異常さにめまいがしてきた。
これに比べれば、葬神博士の慰安部屋などまだ高尚な方だ。ここにはありとあらゆる変態のための博物館のようだった。
「キキッキーキキキ(どうだ、すっげえだろう。おねえちゃん、もう濡れてきちまったんじゃあないのか?)」
戦闘員52号はいやらしい声でヒヒヒと笑うと、いけずうずうしくもオレのスカートの中に手を伸ばしてきた。
「あっ、い、いやです、やめて下さい。」
元が男であることを気取られまいとしながらオレはスカートを上から押さえた。
「キキキッキ(何言ってやがる、娼婦のくせに、ちょっとくらいいいじゃあねえか、案内してやったサービスに触らせろよ)」
戦闘員52号はよっぽど溜まっているのか、上から押さえつけるオレの手の下を無理やりかいくぐって、股間に触れようとする。
「お、お願いです、やめて下さい。こんなに埃まみれだし、服も汚れているし・・・ね、その代わり今度来た時はうんとサービスするから・・・ねっ」
オレは戦闘員52号に逆に寄り添うようにして耳元で甘い言葉を囁いた。
この戦闘員52号のタイプなら逆らうよりは、かえってこのようにした方が言うことを聞いてくれるだろうとふんでのことだった。
「それに、あなた、本当は私とエッチするより、私がバイブなんか使ってオナニーするところを見たいんでしょ?」
これはちょっとあてずっぽうだったが、先ほどのディルドーだらけの部屋を説明した時の戦闘員52号の口調や態度が他の部屋の説明より少し熱っぽかったからだ。
「キッ、キキキッキーキ(えっ、何で分かったんだよ。確かにオレは女がオナニーしてるとこ見るほうが好きだけどな)」
「それはね、女の直感というものかしら。」
そう言いながらオレは体に虫唾が走るのを覚えた。けっ、このオレが「女の直感というものかしら」だと?
しかし、背筋が寒くなるようなオレの女言葉とは裏腹に、戦闘員52号は納得したのかオレのスカートの中に潜り込ませていた手を引き抜いた。


地球征服に関するオレ的実践と顛末59

「キキキキキッキーキ(本当だな、本当にオレの前でオナニーやっているとこ見せてくれるんだな。うんとぶっといバイブも突っ込んでくれるか?)」
「分かっているわよ、大丈夫、なんならあなたがコレクションしているバイブ、持ってきてもいいわよ。」
オレは戦闘員にウィンクしながら言った。
「キキキ(いいんだな、本当にオレの持っているバイブ持ち込んでもいいんだな、それでオナニーみせてくれるんだな)」
オレは一刻も早く風呂に入り、着替えたくてたまらなくなっていた。早くこの戦闘員を引き上げさせなくては。
「ええ、待っているわ、うんとエッチなあたしを見せてあ・げ・る。」
オレはその歯の浮くような男に媚びを売るようなセリフに、胃の中からすっぱいものがこみ上げてくるのを感じた。しかし、そのセリフは完全に効を奏したようだった。
「キキキキ(じゃあ、風呂場はあそこだからな、本当に楽しみだぜ、じゃあな。)」
戦闘員はオレに精一杯の愛想を振り撒き、バイバイと手を振りながら行ってしまった。しかし、全身黒タイツ姿でのバイバイはお間抜けでちょっと可愛くて、オレは危うく噴出してしまいそうだった。
「・・・たく、男ってバカね。」
ふと、そうもらしてから、オレは慄然となってしまった。
『い、いかん、段々女言葉が板についてきている・・・まさか、女の心になりつつあるんじゃないだろうな・・・』
そう思ったものの、今回のことで、オレはこの体の持つ能力に自信を持ったことも事実だった。
とにかく、男の心理が手にとるように分かるのだ。
それはオレが元男だったせいもあるのだろうが、それよりも男の態度や口調で、相手が何を考えているのか見抜く能力が大幅に高まっているようなのだ。
それに、なんだか以前より知能も高くなっているようだった。要するに頭の回転が速くなっているのだ。
この世界は、基本的に人間関係で成り立っている。それぞれの思惑や無意識の衝動が人間を突き動かしている。その基本的な構造のパターンが見えれば、どこを押せば人間の行動を変化させることができるかが分かってくる。
この能力は、オレが女郎一号になって初めて手に入れたものだった。
要するに一流の娼婦はバカでは勤まらないということなのだろうか。
オレは、新たに発見したその能力のことを色々と考えながら風呂に入ることにした。

地球征服に関するオレ的実践と顛末60

『ええと、着替えは・・・と』
辺りを見渡して、オレは寝室に備え付けられたクローゼットに気がついた。
そのクローゼットを開けたオレは、中にぶら下がっている大量の衣装に圧倒されてしまった。
もちろん、覚悟していた通り、男物の服など一着もない。
中にぶら下がっているのは、色とりどりのドレスやコスプレの衣装だった。
どれもこれも異常に女らしい仕立てになっている。ティラード仕立ての衣装など一着もなかった。
オレはクローゼットの中にあるビューローにも気がついた。
案の定、そこには数々の色とりどりなセクシーな下着が所狭しと入っていた。
この服を揃えたのはきっと変態のフェチ野郎に違いあるまい。
オレはこの部屋に真っ先にやってくる相手のことを考えた。
当然、それは地獄大佐のはずだった。
あの、オレを舐めまわすように見る好色な目つきといい、オレに対する言動といい、今日真っ先に訪れるのは地獄大佐以外にはいそうもなかった。
すると、彼の好みは、戦闘員52号が口を滑らせた通り、真性のサドなのだろうか?
しかしオレは、地獄大佐の言葉の端はしと表情に何か違和感のようなものを感じ取っていた。
確かに彼はサドを自認している、しかし、その本性は何か別のもののようなパターンが感じ取れるのだ。
オレは考え考え、ビューローから下着を取り出した。
ここが正念場だと思った。
下っ端では駄目だ。この組織の中で一番権力を握っているヤツ、そう、つまり地獄大佐を真っ先に篭絡し、オレにメロメロにならせられれば、組織内のオレの待遇はもとより、ひょっとするとオレを元の男に戻させることもできるかもしれないのだ。
それには地獄大佐の本当の性癖が何かを正確に掴み、それを俺の手でコントロールすることだった。
結局、迷いに迷って選んだのは白いレースのオールインワンだった。
何だか、女の子が彼氏と初めてのエッチをしようとする時の勝負下着を選んでいるような気分だった。

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