女装の奴隷妾にされた私   作:渚 順子
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女装の奴隷妾にされた私 

序章)

いよいよその日がやってきました。
こともあろうに妻も子もある男の私が、他の男のもとに嫁いでいくなんて・・・・
しかも女の晴れ姿、文金高島田の鬘に金襴緞子の帯をしめた花嫁姿でです。
首筋、から胸、背中まで真っ白にぬられた入念な花嫁化粧が、男の私には死ぬほど恥ずかしい。
男に嫁入りするからには、セックスは勿論、炊事、洗濯、お掃除、身の回りの世話、
妻としての勤めは果たさなければならない。
それはいいとしても、女として、お化粧はおろか、言葉使い、立ち居振る舞いさえできていません。

それと当面さしせまっているのは、初夜のお床入りのことです。
私は、妻との新婚初夜を思い出していました。
震えながらも、私にしがみついてきた新妻を、いとおしくおもいながらも、男の興奮したシンボルで貫いた時の充足感を。
今度は違います。私が男に貫かれるのです。女の性器が無い私。 アナルが代用できることは知っていますが、でもどうやって・・・・
矢野は、そんな男のお前だからいい。男好きのおかまに仕込む甲斐があるというのでした。
私も、おかまを掘られて悦ぶかどうか分からないけれど、おかまと言われる行為をしなければならないかと思うと、決心もぐらつきます。
でも、お店をたすけて妻子を路頭に迷わせないためには、こうするより仕方がありませんでした。

妻と二人で経営する婦人服のお店が不渡りをだして倒産するかもしれないという時、
1,000万円という大金を融資してくれたのは、高校の同級生、矢野浩一だったのです。
彼は大地主の長男で、大学卒業後、精密機器工場、運送会社、レストランなどを経営して成功した大金持ちです。
銀行に見放され、金策のあてもなく、思い余って彼にそうだんしたところ、二つ返事で融資してくれたのです。
その見返りというのが、おもってもみないことでした。
つまり、私を女装のお妾さんとして金で買うというのです。
条件は、私をマンションに囲い、女装の奴隷妾として調教し、月に五十万円のお手当てをあてがうというのです。
それを返済にあてて、完済したときには私を自由にする。つまり、男にもどるも、そのままお妾生活を続けるも、すべて私次第。
お妾といっても、週に二〜三度、通ってくる彼の夜伽をすれば、お店で商売しててもいいし、
妻との結婚生活を続けていてもかまわないというものでした。
それがどういうものか、よく分からない内に期日もさし迫り、妻の光子に相談したところ、
「それって、あなた。あなたにおかまになれってことじゃない。そんなことあなたにできるかしら?」
「できるかどうかはわからないよ。でも、やらなければ!そんな大金ほかに都合できっこないしね。」
「でも、あなたに辛くて恥ずかしいことさせて・・・・・」
「そりゃ恥ずかしいけれど、それでお店が助かるなら辛抱するしかないよ。」
「あなたがいいいなら、ほかにどうしようもないし、しかたないわね。」ということで話がまとまったのです。
矢野の融資で手形を決済し、お店も改装して商品構成をかえ順調に再出発したところで、いよいよ約束どうり、彼の妾になる準備をはじめました。
私は彼のたっての要望で、おっぱいをつくるホルモン療法受けをはじめました。
不安と抵抗はありましたが、特殊な女性ホルモンで乳腺が発達して乳房はふくらむが、男性の機能には影響しないということでした。

矢野は、男でも妾として世話するからには、形だけでも結婚式をあげて嫁にするというのです。
そんな晴れがましいことは、嫌でしたが、私は彼の意に従うほかはありません。
妾宅として彼の持つマンションの一室に寝具、たんす、電気製品などの所帯道具が揃えられ、いよいよ今日のお嫁入りとなったのです。

昨夜は、久しぶりで妻と愛し合いました。
この話が決まってから、店の再建とそれがすむと私の嫁入り準備で、忙しいことは忙しかったのですが、
それよりも、お互いになんとなく気詰まりで、セックスもなかったのでした。
男として、夫として、あるいわ最後になる睦いあいかも知れない。思いっきり燃えあがろうとしても、なんとなく気恥ずかしく、うまくいきませんでした。
「あなた、爪が、爪が痛いわ。」
明日にそなえて、私の爪は長く伸ばして切り揃えてあったのです。

「女になるなら、お化粧ぐらいできないとだめね。」
と 化粧品をそろえ、お化粧を教えてくれて、むしろ協力的だった妻でしたが、いざ自分の夫が女になるというのは、複雑な気持ちだったに違いありません。
「あなたって、色白の美男子だから、お化粧するとほんとに女の子みたい。女のあたしより綺麗だわ。」
とはしゃぐのですが、
「もしかして、あなたって素質があるのかもよ。矢野さんが女のあたしでなくて、男のあなたを妾にしたいっていうの
分かる気がするわ。」
と言われると、私は面映いのです。
「なにも、ぼくは好きこのんでいくんじゃないよ。」
「分かってますとも。ごめんなさい。あなたに辛いおもいさせて。」

私としても、女装しようとか、女になりたいという気が全く無かったわけでもありません。
小さい頃から「まあー、女の子みたいに可愛い。」
と言われて、くすぐったい思いはしたものの、いやだったことはなかったのですから。
だから、同級生の男に屈辱的な女装妾にされるということも断りきれなかったのだとも言えます。

結婚式は、披露宴だけで小料理屋のお座敷で行われます。
出席は、新郎の矢野側から奥様。これは奥様に公認のお妾として認めてもらうためです。
女装男の妾なら、孕んでごたごたすることもないから、女よりましだろうということでした。
新婦側(つまり私側)からは、妻の光子。これは妻も承知の上という証しのためです。
これだけではもり上がらないので、数人招待客があるとだけ知らされていました。

花嫁支度ができあがって、大きな姿見の三面鏡の前で待つ間、私は自分の晴れ姿を鏡に映して見ているのですが、あまりの変わりように、いつしかついそんな気になってきます。
重い鬘でうつむきがちな頭、何本もの紐と帯でしめつけられた身体で動作は自然とおしとやかに女らしくなっています。背中がみえるほどの抜き衣紋は、我ながら振るいつきたいほどの色っぽさです。
嬉し、恥ずかしの花嫁さん。女の子なら誰しも憧れるお嫁さんの気持ちが分かるようです。
ただ、私は人が見たら変態の女装男。それも金で買われたなぐさみ物の妾です。
これから大勢の人の前に出るかと思うと、不安、恥ずかしさで、胸が迫るほど緊張していました。

女装の奴隷妾にされた私

第一章    結婚式-1

「まー、あなた。綺麗なお嫁さんになったわね。」
別室で支度をすませた妻の光子が声をかけてきました。
妻も今日は付け下げを着て、髪をアップに結い上げた盛装です。
「あなた、辛いでしょうけど元気だして!それに、あなたのお嫁さん、
すごく綺麗よ。女でもかなわないぐらい。自信もっていきましょう。」
おかしなもので、妻の言葉に励まされると
「えー、だいじょうぶよ。」
自然と女らしい言葉使いがでてきました。

「こういうことは世間に隠しきれるものではない。陰でこそこそ言われるよりは
最初に堂々と知らせてしまったほうがいい。」
矢野の言葉を思い出しました。
「陰でこそこそ言われるのも最初だけだ。何を言われてもおたおたしないで
女になりきっていれば、そのうち言うものも無くなるさ。」
お迎えが来て、会場へ向かいます。
美容院の前には、物見高い見物客が集まっていました。
「ブテイック渚の順ちゃんよ。綺麗になるもんねー。」
「あんな娘さんいたかしら?」
「あんた何にも知らないの?ご主人よ。」
「へー、男がお嫁に行くって、どこへ?」
「お嫁に行くんじゃなくて、妾になるらしいわよ。矢野の。」
「まあー、男のくせに。変態ね。でも綺麗だわねー。」
好奇な目に晒されながら、私は下うつむきながら歩きます。

十分ぐらい歩いて会場の小料理やへ着きました。
商店会の会合などによく行く馴染みの店です。

おかみさんに案内されて披露宴のお座敷へ向かいます。
「花嫁さんの入場です。」
おかみさんの声に「おおうー」とどよめきが沸きました。
男の花嫁さんがどんなものか、期待していた好奇の目を一斉にあびながら、
私は妻に手を引かれて正面に進みました。
矢野の奥さんとは、もとより周知の間柄です。男の甲斐性だと公言する矢野の
女遊びを、とうに諦めていたのでした。

矢野と奥さんの前に座り、手をついて頭をさげます。
「まあ、、順一さん。綺麗よ、これなら合格としましょう。いいわね、今日からは
主人のお友達じゃあなくて、お妾さんよ。それにしても馬子にも衣装ね。よく似合っ
てるわ。
あきられないように精々可愛がってもらいなさい。奥さんもいいのね。貴女のだんな
さん
本当の女にされてしまうかも知れないのよ。」
妻と私は「ハイ・・・・」とうなずくばかりです。
「あたしはこれで帰るわ。」
こんなばかげた茶番につきあっていられないとばかりに帰っていきます。
一同ほっとして座の雰囲気が一気になごみます。
「さあさあー、こっちへ座って。みんなも遠慮なく飲んでくれ!」
私は矢野に座りお酌をするかどうか迷っていると、矢野が杯をだして光子につがせ
、飲み干しました、
「一応、かための杯だ。お前もひとくち飲みなさい。」
とその杯を私にさし出します。
それを受けて、私も見よう見まねで花嫁の型どうり飲み干しました。
「さて皆さん、ご覧のように順一は、今日から男をやめて、わしの女になりました。
いろいろ言わず、よろしく頼みます。」
矢野に真顔で言われて、半信半疑の一同はまんざら冗談でもなさそうと気がつき
拍手をおくります。
少し戸惑っている妻に、
「奥さん、これも洒落だよ。心配しないでいい。順一は、借金ぶんは勤めてもらう。
だが、わしの用が無い時は、あんんたの旦那でいいんだからね。店のほうもしっかり
商売をして早く借金をかえしなさい。」
二人はうなずくばかりです。

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