母犬 2     作 ぼんだげ  「あら、そうそう。食事よね。ねえおばあちゃん。シーザーはいつものドッグフードで いいと思うけど、クレオはどうしましょう。昨夜は猿轡で食べていないですけど。」  「そうねえ。カオルさんに聞いてみないと分からないけど、シーザーと同じでいいでし ょうね。食器もクレオ用のを用意して下さいね。」  「さ、シーザーおいで。餌上げるわ。」  シーザーは尻尾を振りながら小屋に戻る。クレオは四つ足で引きずられる様に着いて行く。  小屋の前の大きなボールにドッグフードが入れられ、シーザーが顔を突っ込み食べ始め た。そしてクレオの前にも小さなボールが置かれ、同じドッグフードが入れられた。  シーザーが半分程食べた頃、クレオが全然食事をしていない事に気付き、後ろを向いて 「ウォン」と吠える。クレオは茫然自失の状態で、何の反応も示さない。シーザーは回り 込んでクレオの方に寄ろうとするのだが、繋がっているのでクレオも回されてしまう。二、 三回グルグル回って、シーザーは足を上げ向きを替えた。クレオの顔の上にシーザーの顔 が寄って来る。そして一段と大きな声で「ウォン!!」と吠え掛けた。  その声でクレオは意識を取り戻した様だ。口をピクピク震わせ、身体も小刻みに揺れて、  「ワッ、ワーン・・・。」  犬の吠え声を上げ、泣き伏してしまった。シーザーは心配そうにクレオを覗いている。 クレオ用に用意されたドッグフードに顔を近付けさせ、「クーン」と鳴いて食事を促した。  小手状の拘束具で涙を拭いたクレオは、シーザーの心配している心が分かった。自分が 雌犬であると考えるとその心が良く分かるのである。昨日から食事をしていない上に、浣 腸で全部排泄させられているので、クレオの腹には何も入っていない。  (アハハ・・・。入ったのは精液とオシッコだけだった。)  あっさりシーザーに肛門を貫かれたのもお腹が空いていて力が出ないせいであると思った。  (さっき逃げ損なったのもきっとそのせいだ。このままでは本当に雌犬に成ってしまう。 大人しくしている振りをしてチャンスを見つけなきゃ。ウッ。胸が痛い。アレ、少し腫れ ている。アッ、そうだ。さっきホルモン注射をされたんだ。このままではうまく逃げても オッパイを大きくされてしまう。逃げようとすると注射するって言ってたっけ。ヨーシ、 暫く我慢して油断を見付けて一気に逃げるぞ。)  そう考えた時、たとえドッグフードでも栄養を付けておこうと考えた。  (ウンチさせて貰える時は離れている筈だ。うんと大便するにも食べておかなくては。)  クレオはボールを取って食べようとしたが手が全然用を為さない。仕方なく顔をつっ込 んで食べ始めた。口も一気の開け締めなので、まるでガツガツ食べている様だ。その様子 を見てシーザーは安心したのか、向きを替え直して自分も食事の続きを始めた。  (味が殆ど無いなあ。まずいと言う程ではないのだけど、肉の生臭さが強い。これを食 べないで済む時の事を考えて我慢するぞ。)  午後になってカオルが戻って来た。  「ただ今、おばあちゃん。クレオのオッパイの薬用意して来たわ。」  「カオルさん、紅茶にしますか?」  「お願いします。」  「ではちょっと早いけどおやつにしましょう。マユミさん、用意してね。」  カオルはルミコの隣に座り込む。  「ごめんね。みんな準備は完全だったのに私の分だけ足りなくて。ホルモン剤は高いし、 なかなか手に入り難いので必要な程用意しなかったからね。」  「いいのよ。私だって昨日迄は夢だと思っていたのだから。」  「そのお詫びに完全な準備をしてきたわ。但し医師法違反を犯すのだから、クレオを完 全に逃走不可能にしてしまうわ。」  「でもね、今日一日でクレオはだいぶ素直になったのよ。」  「シーザーと同じドッグフードを少し上げたのだけど、ちゃんと食べたわ。」  「ドッグフードを・・・。」  「その後も大人しくしているわ。きっと諦めたのよ。」  「ウーン・・・。違うわね。きっと逃走の為、ジッと我慢しているのよ。食事にしたっ て、ドッグフードは人間には不味い物よ。お腹がすいてきたとはいえ、そう簡単には食べ られないわ。体力を付ける為に無理して食べたのよ。」  「そうかしらね。」  「どっちにしても充分気を付けないとね。早いとこ逃げられない身体にしておかないと ね。」  シーザーもクレオも何とか繋がった状態でうまく動ける様になってきた。クレオが逃げ る時にシーザーに抵抗されない様、敵意を持たれない様懐柔しておこうと思い、クレオの 方から努力していたのだ。それに動きを合わせる事により、肛門の痛みを少なく出来るし、 拘束衣での歩行の練習にもなるのだった。  しかし散歩しながらのシーザーの放尿には我慢しているとはいえクレオに精神的、生理 的苦痛を与える。  (ウッ。シーザーがまた足を上げた。オシッコ始めたな。お腹がゴボゴボする。ああ、 便所に行きたい。ウンチしたくていきばってもお尻が塞がっていてつらい。)  クレオはシーザーの放尿中は、いきみが来ても我慢している。いきばるとペニスを締め 付け、止めてしまうのだが、それはシーザーへの抵抗を意味する恐れがあるからだ。  「シーザー。」  マユミが庭に出て来て呼んだ。  「ウォン」と一声返事して、クレオを引っ張ってマユミの方へ歩いて行く。マユミは応 接室へ『二匹』を連れて行った。  「あ、来たわね。今日は曇っているからシーザーはとにかく、クレオはまだ慣れていな いし、寒くなるから夜迄はここに居てもいいわよ。もちろん眠るのは犬小屋だけどね。」  ルミコはちょっと意地悪く言った。そしてその時のクレオの表情を見ていた。そしてカ オルに聶く。  「どう? どう見る?」  「そうね、我慢している様だけど、まだ分からない。」  クレオは確かに我慢してはいた。シーザーの小便がお腹の中で下痢を起こさせていたの だ。しかし我慢し切れずにいきばってしまった。出ない事は分かっているのだが、生理的 にいきんでしまった。そしてそれはシーザーのペニスを締め付け、刺激を与える事になる。  (アッ、いけない。いきばっちゃだめだ。ウッ、シーザーのオチンチンが伸び始めた。)  クレオの意志に反し直腸はシーザーのペニスを断続的に締め付けていった。シーザーの 息が荒くなり、腰を揺すり始めた。  「アラ? また始めるのかしら?」  (ウウッ、みんなの見ている前ではされたくない。でも大人しくしていないと、諦めた と思わせておかないと・・・。)  シーザーは腰を押し付け、再びピストン運動を開始した。クレオはじっと我慢をしてい る。とにかく早く終わらせてしまいたい。どうせ射精される事には違いないのだから、こ の屈辱的なポーズを早く解消したいのだ。そして、諦めていると言う振りをするにもクレ オは腰の動きをシーザーに合わせた。シーザーのペニスは長く太く成ってきて、クレオの 大腸に届く。  (アッ、ウッ、太く成ってきた。もう少しだな。アウッ、ボクも感じているのかな? アアッ!? 何だこの感じは。アッ、アッ、いい・・・。シーザー、もっと・・・。)  クレオは振りの為の腰の動きが、かえって自分を高めてしまった事に気付かない。周り でみんなが見ている事など忘れてしまって、夢中になってシーザーを求めてしまっていた。  クレオの体内に熱い迸りが溢れた時、クレオも射精してしまった。そして気だるい満足 感がクレオを覆った。カオルが喋り出す迄陶然としていたのだ。  「ウーン、分からない。クレオ。あなた、逃げ出す迄の準備にシーザーや私達を騙して、 いかにも諦めたと言う振りをして皆を油断させようとしていたでしょう。」  クレオは図星を突かれドキッとした。  (しまった。バレてる。)  「どうやらそうみたいね。でもあなたが考えている程うまくいかないわよ。バレたって いう事じゃないわ。今の交尾にしても、最初は早く終わらせてしまおうとして、シーザー に合わせたでしょう。」  (アア、そこ迄見透かされているなんて。)  「でも、その後どうだった? あなたからシーザーを求めていってしまっていたわね。 演技ではなく、本当にシーザーを愛していたわ。凄い幸福感があったでしょう。論理的に は人と犬という壁があるけれど、既にあなたの身体は、シーザーを受け入れ、歓ぶ身体に 成ってしまっているのよ。まだ一部かも知れないけど、少なくともあなたの身体はシーザ ーを愛しているわ。」  「グッ・・・・・。」  クレオは反駁出来なかった。確かに身体には歓喜の余韻が残っている。  「油断させる為にシーザーに従って、素直に我慢しようと思ったのだろうけれど、それ は身体がシーザーを愛してしまっている事に気付きたくないという精神の反発なのよ。愛 している事を認めたくないという気持ちが自分自身を偽ろうとしているのだわ。」  カオルに強く言われ、クレオは泣き伏してしまった。確かにそうなのかも知れないと思 ったからだった。  シーザーはクレオが泣き出したのでカオルに向かって小さく唸った。  「あ、シーザー、ごめん。虐めた訳じゃないのよ。ほら、シーザーだってあなたを愛し ているから怒っちゃった。」  カオルは肩をすくめて引き下がった。マユミが感心した様にカオルに話し掛けた。  「カオルさん、スゴイ。心が読めるの?」  「アラ、何感心してるのよ。あなたも騙されたの?」  「エッ? 騙したの?」  「シッ、静かに。聞こえちゃったら、何の効果も無くなっちゃうから。」  「どういう事?」  「事実の積み重ねが真実とは限らないという事よ。」  「良く分からない。」  老婦もルミコもカオルの話を聞きに集まって来た。  「クレオがみんなを油断させる為に大人しくしていたのは本当らしいわ。さっきの交尾 も早く済ませてしまいたいのと、シーザーに従っている振りをして心を許させる為、自分 から合わせていったのも事実ね。ただ、それが自分自身の刺激になって気持ち良くなっち ゃったのよ。クレオは童貞ね。でなきゃあんな話に騙されないわよ。肉欲と愛が同一の物 であるなんて、乙女チックな考えは童貞そのものよ。だから射精したからシーザーを愛し てるって強引に結論付けちゃったのよ。でもそう思い込んだら、そう成ってしまうものな のよ。少なくとも疑問を持ちつつ、逃亡の予防にはなるわ。」  「やっぱりスゴイ。頭いいわ。」  「錯話による暗示なの。催眠術の初歩よ。」  「心理的な逃亡防止は、カオルさんにお任せするわ。」  「これから先は割りと簡単なの。みんな、覚えてないかな? 小学校から中学校に掛け ての頃だと、ある男の子が自分を好きだと言われて、最初はそんな気が無かったのに、囃 し立てられている内に、何となく好きになっていくって事。」  「アア、あるある。」  「それと同じよ。周りで、シーザーはクレオを愛してる。クレオは態度では示さなくて も、心の内ではシーザーを愛してるって言い続ける事なのよ。」  「分かったわ。周りで囃し立てて、火の無い所に煙を立ててしまうのね。」  「そういう事。」  女性達のヒソヒソ話はクレオの耳には届いていない。相当大きな声で話したとしても、 今のクレオの精神状態では聞こえなかったろう。  シーザーは交尾したままの繋がった状態でしゃがみ込み、泣いているクレオを心配そう に見つめていた。その姿は、いかにもいとおしんでいる様に見え、女性達に微笑みをもた らした。  暫くして、シーザーが何となくソワソワし始めた。立つか座るか戸惑っている。クンク ンと鼻を鳴らしているのにクレオが気付いた時、老婦もシーザーの要求に気が付いた。  「ああ、シーザーがオシッコしたいらしいわ。ねえカオルさん、どうしましょう。」  「室内では出ないでしょう。おばあちゃん、表でする様に言って上げて下さいな。」  「あ、クレオの身体の中にするのでしたっけね。シーザー。表に出ていいわよ。オシッ コしてらっしゃい。」  シーザーは軽く吠え、クレオを引っ張って表へ出て行く。クレオはいやがったが、「ワ ウン」と言う声しか出ず、ただ引きずられて出て行かざるを得なかった。  表に出てすぐの所の大きな木の根本で、シーザーは足を上げる。そしてすぐに暖かい液 体がクレオの直腸から大腸へと送り込まれていった。クレオは思わず肛門を締め付けてし まうのだが、それはシーザーの排尿を促進してしまうのだった。まるでシーザーの尿がす ぐにクレオの目から流れ出る様に、涙が溢れ出た。  翌朝、クレオが目覚めたのはシーザーが起き上がり、ペニスが抜け出た時だった。犬に は生理的な朝勃ちというのはない様だ。相変わらず壮快な目覚めではなかったが、特に胸 に痛みを感じてハッとした。僅かだが、はっきりとした隆起が現われていた。  (オ、オッパイが大きく成っている。昨日の注射のせいだ。小量の注射だって言ってた けど、今度はもっと多量の注射にするって言ってた。もし今度注射されたら本当に大きな オッパイにされてしまう。そしたら逃げ出せてもとんでもない身体を晒してしまう。もし 逃げ出して捕まったら、確実に注射されてしまう。逃げなくても注射されるのには間違い ないし・・・。)  クレオは迷っていた。しかし便意と尿意が強いので、取り合えず排泄しながらでも考え ようと思い、シーザーの後を追う様に表へ出た。木陰に四つん這いにしゃがみ込み、勢い 良く排泄を始めた。久しぶりに大便が出たが、排便の快感が心地良く広がった。  (ウーン、ウンチってこんなに気持ち良かったのか。だけどお尻の穴が絞れない。ずっ と填まったままだものなあ。肛門の中から出すのが本来の動きだもの、ずっと外から押し 込まれていたからなあ。アレ? 何かむず痒い。直腸が空になるのが何故か変に寂しい。 ひょっとしてシーザーのペニスが入ってないのが寂しいのだろうか? 冗談じゃない! そんな事・・・。)  クレオはブルッと身体を震わせた。    (このままでは本当にボクは『雌犬』に成ってしまう。身体が順応してしまうかも知れ ない。身体がシーザーを愛し始めているのかも知れない。そんな事になったら心迄もシー ザーのお嫁さんに成ってしまう。やっぱり逃げよう。身体も心も『雌犬』に成らない内に。)  クレオは決心した。昨日の失敗を繰り返さない様、慎重に歩き出した。シーザーが近く に寄って来たが、慌てず静かに犬小屋の方へ向かって這って行く。逃げ出す素振りは見せ ない様にするのだ。チラッとシーザーの股間を見るとペニスはまだ伸びていない。  (よし、小屋に入って行って、シーザーが中に入ったら表に飛び出し、戸に鍵を掛けて しまう。そうすれば追われたりしない。)  クレオが小屋に入るとシーザーも後に着いて入って来た。グルッと回り込んでシーザー が奥の方へ歩いて行った時、クレオはパッと外へ飛び出した。シーザーは怪訝そうな顔を している。ドアを締め、不安定ながらも二本足で立ち上がり、鍵を掛けようとする。しか しクレオの手は拘束具で指が無い。両手でしっかり押え付けて口で鍵を引っ掛けようとす る。何回も失敗しながらもやっとの事で鍵が填まり、中からは出られない様になった。ホ ッとして逃げ出す為に振り向き、庭の方へと顔を回した時、目の前にカオル、ルミコ、マ ユミが腕組して並んで立っていた。  「ワン!」  クレオは驚きの声を上げたが、犬の鳴き声であった。心臓が飛び出す程の驚きと、失敗 による失意でしゃがみ込んでしまった。ショックで失禁してしまっている。  三人は怒った顔でクレオを睨みつけていた。  「昨日言ったばかりなのに、また逃げようとしたわね。」  「何故自分の立場が分からないのかしら。カオルさん、やはり逃げ出せない身体にして 仕舞わないとならない様ですね。」  「そうね。早速始めましょう。犬の調教では、すぐその場で罰しないといけないから。 クレオ、Gカップ程度のバストにして上げようと思っていたけど、逃げ出そうという気持 ちを完全に消す為にもJカップ以上の大きさにするわ。」  カオルは小さな注射器を手にしていた。チクッとする痛みがクレオの尻に感じた時、ク ラッとして意識が薄くなっていった。  「ワ・・・ン。」  (麻酔薬? イヤだ、もう逃げないからオッパイ大きくするのは・・・・。)  ばったり倒れ込んだクレオを三人の女性が屋敷の中に運び込んで行く。シーザーは小屋 の中で吠えている  「シーザー、ちょっと我慢してね。クレオをもっと『お嫁さん』らしい身体にして上げ るからね。」  シーザーの不満気な吠え声の中クレオは居間のソファーに仰向けに寝かせられた。  「ねえ、カオルさん。そんなに簡単に豊胸手術って出来るの?」  「ホルモン注射だから簡単なのよ。女の人にする場合は副作用があって難しいけれど、 男の場合は少ないの。女性ホルモンだから子宮に対しての影響が強いの。色々な婦人症が 出てしまうわ。」  「なる程ね。男の子なら子宮は無いものね。」  「男にも副作用は出るわ。まずペニスが生育不良に成ってしまうし、拒絶反応による運 動障害があるのよ。」  「重大な事?」  「ええ、言語障害で、まともに喋れなくなるわ。それと特に股関節に異常が出易く、立 って歩く事が出来なくなるの。指の機能が落ちて物を掴む事も出来なくなるわ。」  「・・・・・・? 何だ、それじゃ今の状態と変わらないじゃないの。逃げ出せなくな るじゃない。」  「そう。クレオ本人にとってはとても重大な副作用よ。まだあるのよ。女性ホルモンが 過多になると身体中に不調が起きるのだけれど、それを押さえるのには男性ホルモンが必 要になるわ。バランスを取る為に身体が必要とするの。でも男性ホルモンを作り出す性器 が成長しないとなると、体外から補給してやらないといけないわ。」  「今度は男性ホルモン注射する訳?」  「そんな事しないわよ。シーザーだって男性よ。精液にはたっぷりとホルモンが含まれ てるわ。」  「ヒューッ、そうすると・・・・。クレオの身体が、絶対にシーザーの精液を必要とす る訳ね?」  「その通り。クレオはシーザーと交尾しないと生きていけない身体に成るの。」  カオルは手にした大型のバッグから薬瓶と大き目の注射器を出した。  「ホルモンだけではすぐ血管に吸収されて、全身に広がるから、オッパイをすぐ大きく する目的の為には効果が少ないでしょ。まあ、最終的には全身女性化が目標ではあるけれ ど。ホルモンが暫くの間胸に留まっている様にと、ある程度すぐに大きくしたいから、脂 肪分も一緒に注射するわ。」  注射器にたっぷりと薬剤を吸い上げ、クレオの小さな乳首を摘み上げ、注射器を刺し込 んだ。ビクッと僅かに震える。カオルは静かに注射器のピストンを押し込む。  「ア、膨れる、膨れる。」  クレオの胸の片側が、小さく盛り上がってきた。ちょうど少女が第二次性徴期に入る時 の様な形に成ってきた。カオルは続いて反対側にも注射をした。  「薬はたっぷり用意したわ。この胸だと大体九歳か十歳の女の子の胸ね。バランスを取 りながら、乳房の周りから少しずつ注入して大きくしていくのよ。でも乳首はすぐにはダ メね。これは女性ホルモンが効いてきてからだから。さて続けましょう。麻酔はそれ程強 くないから、目が覚める前に完了しなくては。シーザーだって心配しているだろうし。」  二本目の瓶から吸入した注射器が、再度クレオの胸に突き刺さる。内部からの盛り上が りにより、クレオの胸の皮がパッツリとし、皮下脂肪と筋肉の解離が起きる。麻酔が掛か ってはいるものの、その痛みはクレオを暴れさせた。女性達が押え付け、注射は更に続け られる。カオルは乳房の皮膚を摘み上げ、解離を促進させる様に強く引っ張りながら注射 を続けるのだった。Bカップ程の大きさにも成っていないのだが、広がりが少ないので、 こんもりとした乳房に成った。  「最初はこんな所ね。胸の皮膚の延びも殆ど限界だし、脂肪分がうまく落ち着かないと 形良く出来ないから。後は毎日少しずつ注入していけばいいわ。」  クレオは胸の鈍痛で目が覚めた。すぐ後ろで犬の「クーン」という声がし、犬小屋の中 に寝ている事に気が付いた。  (ウッ! 胸が痛い。)  麻酔をされた事を思い出し、おそるおそる胸に目をやった。  「ワン!」  (ワッ! 本当にオッパイを大きくされている。)  クレオにはまだ小さい乳房もかなりの大きさに見えている。  (ウウッ・・・。とうとうオッパイを大きくされてしまった。もうボクはここから逃げ 出せないのだろうか・・・。)  泣き声を堪えていても涙がどんどん溢れ出てくる。後ろからシーザーが心配そうに見つ めている。クレオが胸が痛いという様子を察知してシーザーはその小さなバストを嘗め上 げるのだった。痛みがスーッと退いていく様な気がする。クレオの目が「有り難う」とい う様な語り掛けをした。シーザーもホッとした様な顔をした。しかし、ホッとして精神が 緩んだのか、シーザーの股間が起き上がってきた。クレオはビクッとしてその逸物を見、 シーザーの顔を見た。シーザーも自分の股間の盛り上がりに気付き、照れた様な様子をし ていたが、おもむろにクレオの後ろに回り込んだ。  (ああ、ちょっと気を許すとこうだもの。)  逃げ出した為にひどい目に遭ったクレオとしては、今は逃げ出す事の恐ろしさで、シー ザーに身を任せている以外にはなかった。シーザーにしても、今朝からまだ一度もしてい ないので、高まっているのだ。クレオは無意識なのだが、尻をツンと突き出した。シーザ ーのペニスの先端が肛門に当たっている。何となく心地良い疼きがある。ヌルッとした粘 液がクレオの肛門に押し付けられると、ペニスがズルッと肛門を押し広げてきた。  (アウッ・・・、今日は最初から太くなる。アッ・・・、とってもいい。)  シーザーのペニスは直腸から大腸へと押し入って来た。長いストロークのピストン運動 が始まり、すぐにカウパー腺液による膨らみが始まった。そして向きを変えての繋がりの ピストンは激しく、いつもよりずっと早く、熱く濃い液体がクレオの体内に迸る。  (アア・・・。どうしたのだろう。凄く気持ちいい。ね、シーザー、もっと強く・・・。)  更にまだ硬いままのペニスの球部がクレオの体内で前後動を続け、更に熱い粘液がクレ オの身体に広がって行く時、初めてと言っていい程の絶頂感がクレオを包んだのだ。実は これは女性ホルモン過多の副作用なのだが、クレオにとっては自分の身体がシーザーを完 全に愛してしまったという風に確信させるに充分であった。  クレオは幸福感の中でうっとりしていた。シーザーの射精が早かった事と、女性的な絶 頂感の為、クレオは射精していない。その為、射精後の空虚感や落込みが無かったのだ。 勿論勃起はしていたのだが、アナルの快感が優っていた。精神的な快感は余韻を長く残し ている。  (胸を大きくされると本当に女の子みたく成ってしまうんだなあ。あ、違うのか。ボク は雌犬にされてしまっているんだっけ。本当にいい気持ちだった。少なくとも身体だけは かなり雌犬に成っているみたい・・・。)  胸の痛みもシーザーとの合体により薄らいでいる。鈍痛はあるのだが、何となく心地良 い痛みになっているのだった。シーザーが後向きのまま繋がって引きずられていても、肛 門の刺激が不快でなく、直腸いっぱいに入っているシーザーのペニスと肛門の圧迫も気持 ち良くさえ感じてしまっている。  シーザーは犬小屋から出て行く。当然クレオを引きずったままなのだが。小屋の外の木 の根本で片足を上げようとした。  (ウッ。そうだ。シーザーは射精後オシッコするんだった。)  既に慣れてしまっているのか、躊躇する気配も無く、いきなり排尿を始めた。  (ハフッ! 勢いが強い。遠慮なしになってきたなあ。)  クレオは腸の力を抜いて対応している。大腸に滞らない様にしないと腹痛になるからだ。  (逃げ損なうともっともっと完全な雌犬にされてしまう。ある程度オッパイは大きくさ れても、確実に逃げ出せるようにしないと。つらくても我慢していなけりゃ。ンフッ、交 尾はつらくなくなっているのが逆につらいなあ。)  シーザーは排尿に関しては遠慮しなくなっている。排尿が、飼い主に誉められている事 から、進んでする様にしているのだ。だから水も沢山飲んでいる。そしてシーザーの尿に よるクレオの体臭変化は、クレオをより犬らしい臭いにし、シーザーはより親近感を持つ のであった。  クレオの胸は注射の翌日当りから少しずつ膨らみを増していった。こんもりとしていた 胸は段々になだらかに成り、皮膚と筋肉の解離が進んでいく。乳首は大きく成っていない が、バストは脂肪を集めだし、それらしく成っていくのだった。しかしホルモンの量が少 ないので、三日程するとバストの大きさの変化はあまりなくなってきた。  クレオもバストの大きさの変化が少なくなってきた事に気付いていた。毎日のシーザー との交尾にもある程度慣れ、拘束衣での歩行もこっそりと練習していたので、脱出の用意 をしていたのだ。  (オッパイを大きくする薬は効き目が減ってきたみたいだ。今ならまだBカップとかい う大きさだけど、更に注射をされてしまうかも知れない。多分明日か明後日には注射をさ れるだろうから、今晩深夜には抜け出さないと。逃げ出したら、一気に逃げないと捕まっ てしまう。シーザーに臭いで追い掛けられない様にするにも、途中で大小便は出来ない。 今日はドッグフードを控えておこう。)  「クレオ。食事あまり食べないの?」  マユミが犬小屋を覗き込んで来た。  「散歩の時間よ。おばあちゃんがお待ちよ。さ、シーザーおいで。」  シーザーはゆっくり起き上がり、クレオもお尻を引っ張られて後ずさりしながら犬小屋 を出て行った。外は夏の陽射しが眩しい。シーザーは大きく伸びをしてから庭の方へ歩い て行く。  マユミは庭をゆっくりと歩き、シーザーもそれに従って歩いて行く。  「ねえ、クレオ。もうだいぶ慣れたみたいわね。一週間も経っていないけど、すっかり 雌犬に成ったわ。胸も可愛らしく成ってきたし。あ、そうそう。クレオ、食事は沢山食べ ておいた方がいいのよ。胸に栄養を取られてしまうからね。夕べ迄はオッパイも大きく成 ってきていたけど、今朝はあまり大きさの変化が無いでしょ? カオルさんが言っていた のだけれど、薬の効果が減ってきたから、もっと強いのを大量に用意しているそうよ。」  クレオは自分の考えが当たっていた事に驚いた。  「それでね、カオルさんが言うには、クレオは大人しくしているけど、また逃げ出そう とするかも知れないって。」  (いけない。やっぱり気付かれている。どうしても今夜逃げ出さないと。)  強い決意をした時、歩行のペースが乱れ、シーザーのペニスを強く曵いてしまった。そ してその刺激でクレオもいきばってしまい、強く絞ってしまった。  「ブォン!!」  シーザーが吠えて腰を揺すりだした。ペニスに硬さが増し、再び交尾を始めたのだ。  「あらあら、シーザー達は所構わずね。ま、いいわ。終わる迄待っていて上げる。」  『二匹』は交尾を始めると一心不乱になってしまう。普通の犬の交尾とは異なり、毎朝 の最初の交尾の時を除いて、シーザーのペニスの付け根は膨らんだままになっている。常 に外見上は交尾状態であり、シーザーは常に発情状態なのだ。勿論シーザーにもそれなり の理性はあり、普通の雌犬との交尾では、肉体的に満足すれば外すのだが、それはまだ他 にも発情している雌犬が居る場合である。この時期にはそういう犬は居ないので、シーザ ーはクレオと交尾する以外に方法はない。だから意識的にペニスを抜けなくしているので ある。だからピストンを始めても肛門の摩擦は少なく、直腸が大きく伸縮するのだ。それ がクレオを痔にさせない事になる。いきばる事により膨らみが肛門を中から圧迫し、クレ オに快感をもたらしている。  「何だ。遅いと思ったらここで交尾していたのね。」  「あ、カオルさん。始まってしまったので待っているんです。」  「おばあちゃんが心配していたわ。」  「クレオの具合いどうなのかしら?」  「具合いって?」  「今朝はあまり食欲ない様で、ドッグフードはかなり残っていましたけど。」  「フーン。あ、シーザーは射精した様ね。クレオの方もちゃんと勃起しているわね。見 たところ調子の悪い所はない様だけど・・・。」  カオルは獣医らしくクレオの様子を眺めていた。そしてハッと気付いた様になり、  「クレオ、何処か具合い悪い所あるの?」  クレオはシーザーとの交尾の余韻に浸っていたが、カオルの言葉には小さく首を振った。  「あ、そう。ならいいわ。おばあちゃんが待ってるわ。いらっしゃい。」  カオルとマユミ、シーザーとクレオは揃って屋敷の前の東屋に向かった。  「あらあら、やっとお出ましね。遅かったわね。」  「おばあちゃん、お待たせ。今迄向こうで交尾していたから遅くなっちゃって。」  「そうだったの。シーザーもすっかりクレオとの夫婦生活を楽しんでいる様ですね。ク レオも大人しくちゃんと『雌犬』に成った様だしね。」  「それはどうかな、おばあちゃん。」  カオルが遮って言った。  「クレオは今晩逃げ出すつもりなのよ。」  クレオはびっくりしてカオルの方を見た。全身から脂汗が吹き出てきて、顔は蒼白とな り身体は小刻みに震えていた。  「まあ・・・。」  全員がクレオを睨み付けていた。  「ワウン、ワウン・・・。」  (違う、逃げたりしません。)  否定の素振りをしては見せても、先程の驚き様ですっかりバレているのは確実だった。  「カオルさん、良く分かるのね。」  「だてに獣医やっていないわ。でもクレオは素直だから、すぐ態度に出ちゃうのよね。 さてとクレオ。まだその程度のオッパイでは逃げ出す望みもあるでしょうし、二足歩行も 可能だからそんな気になるのよね。だから今日はその希望を完全に打ち消して上げるわ。」  カオルは鞄から注射器や薬瓶を取り出した。  「強力な女性ホルモン剤を用意したわ。勿論オッパイを大きくする薬だけれど、副作用 を気にしないで済むから速攻性が高いわ。多分一週間でFカップ以上に成る筈よ。二週間 もすれば桁外れのHカップに成り、お乳が出だす予定よ。副作用の方はすぐに現われてし まうけど、クレオには関係ないわ。言語中枢が犯されるから喋れなくなるけど、どうせ吠 えるだけしかしないのだから構わないでしょ。それと股関節に障害が出るの。と言っても これも大した事ではないのよ。二足歩行が出来なくなるだけ。立ち上がってもバランスが 取れなくなるだけだから、どうせ四つん這いで歩いているのだし、逃げ出せなくなるのが 一番はっきりしていいわね。あとはこれも直接の影響はないのだけれど、クレオのオチン チンは多分無くなるわ。女性ホルモンだものね。でも子宮が出来るかどうかは疑問のある ところよ。それと最後に、女性ホルモン過多になって体調が不安定になるかも知れないけ ど、シーザーの精液で回復するわ。シーザーだって男性ホルモンを出しているのだから、 良く吸収する事ね。もし逃げ出しても、シーザーと交尾していないと死ぬかも知れないか ら、良く覚えていた方がいいわよ。」  カオルは鞄から小さな注射器を取り出した。麻酔薬である。クレオは全ての望みを絶た れるその凶器に恐れ、後ずさりをしている。  「ワウン、ワン・・・。」 (イヤだ。お願い。助けて。)  マユミがクレオを押え付けた。ビクッとしてマユミを見た時、脇腹にチクッと痛みが走 った。  「ワウッ! ワォーーン。」  絶望の縁から突き落とされる悲しみの吠え声が響いた。  どれ位の時間が経ったのだろうか。クレオは室内のソファーに寝かされていた。目眩が し、全身がだるく、二日酔いの様なむかつきがあった。ハッとして起き上がろうとしたが 目眩の為に起き上がれない。  「クゥーーン。」  目の前でシーザーが心配そうな顔をしてクレオを見つめていた。  (ああ、シーザーが離れている。それでお尻がムズ痒いのか。繋がっている時間の方が 長いものね。アッそうだ胸の注射は・・・。)  無意識に手を胸に当てたが、拘束具の為感触が良く分からない。恐る恐る視線を動かす とクレオの胸ははっきりとした隆起があるのだった。  「ワオーーン。」  (ああ・・・・。とうとう大きなオッパイにされてしまった。もうダメだ。)  クレオは涙を溢れさせた。シーザーはますます心配そうに覗き込んでいる。  (副作用で立てなくなるって言ってたけど・・・。)  目眩を我慢してソファーから起き上がり両足で立ってみようとした。元々足は拘束具で 立ち難くはされているのだが、ガクッと膝を付いてしまった。  (ああ・・・。本当に立てない。腰が伸ばせなくなっている。自分の意志では腰の筋肉 が動かせない。)  涙は止めどなく流れている。しゃがみ込んでの四つん這いなら何の不自由もないのだが、 立ち上がるという動作が出来ないし、その方法すら忘れてしまった様な感覚であった。そ して視線を自分の股間にやった時更に絶望が襲った。確かに年齢にしては小さいペニスで はあったが、Cカップより大きなバストに邪魔をされてはいるのだが、殆ど跡形が無いの だ。  (ア、ア、・・・。オチンチンが・・・。)  クレオは四つん這いで、部屋の隅に在る大きな鏡の方へ這って行った。鏡の前でしゃが み込み下腹部を晒けて写してみた。  (ああ、・・・。こんなに小さく・・・。)  無くなっている訳ではないのだが、クレオのペニスはまるで赤ん坊の様に小さく縮み上 がり、睾丸も極めて萎縮している。  「ワオン・・・ワオーーーーン・・・。」  声帯も変化しているのだろうか、声もカン高く成り、本当に雌犬らしい声に成っていた。  (ああ、声も変わっている。イヤだ! お願い助けてーーー。)  「ワォーーーン。ウォーーーン。」  虚しく叫んだが、その時に気が付いた。口がハウラーギャグで拘束されているとはいえ、 クレオは無意識にも言葉を喋ろうとすると舌がそれなりに緊張していた筈だが、今はそれ が無かった。  「アウッ! ワウン。」  (ああ、喋っても舌が自由にならない。舌に力が入らない。)  言語中枢が冒されるとは聞いていたが、拘束されて喋れないのと、喋る能力が奪われる のとでは、天と地程の差があった。  (信じたくはなかったけど、ボクは本当に完全に『雌犬』にされてしまったみたいだ。)  シーザーは泣いているクレオの頬を嘗め上げてきた。相変わらず心配そうな顔をしてい る。  「アゥン・・・ワゥ・・。」  (ボク本当にシーザーのお嫁さんに成っちゃったみたい。)  シーザーはクレオの吠え声の意味が分かるのか、嬉しそうな表情をした。そしてクレオ にはシーザーの喜びという意志が通じて来た事にもショックを受けた。  (犬の言葉が、何となく分かる。ドンドン雌犬に成っていくのだなあ。)  涙は止めどなく流れていくのだが、その間中シーザーはクレオの身体を嘗め回していた。 胸を嘗められた時今迄に感じた事のない刺激を受けた。  「ワゥッ!」  肛門がジーンとして、キュッとすぼまった。シーザーはすかさずクレオの肛門に舌を挿 し込んで来た。  「ワ・・・ゥン。」  (ワ、感じる。) ---------------------------------------------------------------------------- hahainu3.txtに続く