女装子十二陰棒外伝 作:Z
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「ところで、先程の話のおさらいをしておこうか」男は話題を変えた。今まで下卑た笑いを浮かべ、隠微な話にうつつを抜かしていながら、突然真面目な表情に戻りTVプロジェクトの今後の計画について解説を始める。
妄想癖、いや情緒不安定・・・精神状態の変動が激しく、話に一貫性が無く、話題もころころ変わるので会話の相手の気苦労は並大抵では無い。
ただ医師会の重鎮として、性ホルモン、遺伝子研究の権威として医学界に君臨しているため誰も何も言えないのだ。
「真女よりNHの方がいい女ということについてですか?」やくざ者はおそるおそる答える。
「そうだ、何故人工美女の方が生まれついての女より美しく、女らしいのか・・・・」
男は続けた。
「君が先程言った、彼女達が元男だったころ好みだった女を自分の理想像として思い浮かべ、必死にその理想像を演じようとしているから・・・その説は全くの間違いだ・・・・・」
「え、そうなんですか?」やくざ者はそれならさっき何故その場で否定しないのかと不満に思った。しかし少しでもそのような表情を見せてはならない。この男は自分にとって最大のスポンサーであると同時に、蛇頭等国際的な犯罪組織とも深い繋がりがあるのだ。
この男の気分を害することそれは死を意味する。
「先程、君は言ったではないか、無理やり女にされた方が人気が高いと・・・つまり美しく女らしい、女性としての魅力が高いということだろう。その事実は今のことと矛盾しないか?」
「!!」
男の言う通りだった。NH志願者、制同一障害の患者のように初めから女性になりたかった者より、強制的、無理やり、それもほとんでレイプ同然で女性化された方がいざ女性化してみるとはるかに魅力的な美女に生まれ変わる。
何故だろう?やくざ者は一瞬考え込んだ。
「ははは・・困ったようだな。よかろう教えてやろうその訳を・・・聞いたことはないか?
SMと水力式発電は共通するということを・・」
「え!??」
また始まった。この男お得意の奇言、妄言だ。
「上流階級の御婦人を凌辱し、性愛奴隷として調教し低級な娼婦に転落させる。高いダムから水を落下させる。両方とも落差が大きいほど効果も大きい。」
そうか、それならば納得行く。
「ならば、上流階級の御令息を一旦、御令嬢に強制性転換しておいて、さらに娼婦に転落させたならどうだ・・・3段落ちだ・・・・なによりも性差、つまり男から女へ変えられるという大きな転落を経験させられるのだ。屈辱、恥辱は生まれついての女の比でない。
彼、いや彼女に加えられたその屈辱感、恥辱がもたらす恥じらいが、生まれながら女性という性にあぐらをかいた真女には到底たどりつけない、淑やかで清楚な美しさを生み出すのだ」
「・・・・・・」またもやくざ者は何も言えなくなってしまった。どこまでが現実でどこまでが虚構か・・・・?この男の妄想は止まるところを知らない。
「しかも、真女は遺伝子、つまり生まれつきの容姿という限界があるのに対して、人造女は肉体的容姿を形成する性ホルモン、性遺伝子の操作を積み上げ完璧な美女を作り上げていくのだ!素材、つまり女性化する男の元の容姿の吟味さえ間違えなければ、いくらでも美しく豊満な美女を創り出せる」
やくざ者は背筋が寒くなった。この男の限界を知らぬ妄想が恐ろしいだけではない。先程からこの男が自分に対して見せる視線が気になり始めたのだ。
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「中国との緊張状態を抱えながらも経済が活況を呈している台湾、その国民である君にはなかなか理解できないだろうが、現在日本は先の見えない構造的なデフレ不況にあえいでいる。日本をこのような閉塞状況に追い込んでいる大きな要因の一つが少子高齢化であることは間違い無い。この少子高齢化の原因はどこにあるか分るか?いろいろな奴等がしたり顔で適当な理屈をほざいているが、当たっているものは一つとしてない!
少子化の理由・・・そんなものは決まりきっている!
男に対して女の絶対数が極端に少な過ぎるのだ。そしてその事が既存の女たちを増長させ一段と少子化に拍車がかかるという悪循環を生んでいるのだ!
しかしここで新たな女性、それも飛びつきたくなるような美女が次々と創り出されて見ろ!少子高齢化問題など一瞬のうちに解決してしまうに違いない!」
男は次第に激昂しだした。
「女装子十二陰棒、あれは素晴らしい施設だ。合法的に見目麗しい人造美女を続々と作り出すことが出来る。このような施設こそ現在の日本にいや世界中に求められているのだ!
そして次の段階には若い世代、つまり青少年を施術対象として考えた、新しい施設を設立必要がある!たとえば日本各地で毎年開催される成人式。日本発の海外ニュースで君も見たことがあるだろうが、成人式式場で傍若無人に暴れる若者達。あの若者達が今の日本が何故このような苦境に陥ってしまったのか、その要因の一つを表している。そうだ。自由だけが強調され慎み深さを教えることを忘れた戦後の教育制度の欠陥が表れれているのだ。あの若者達を見ていると再度教育しなおしてやりたくなる。強制的に美女、美少女に性転換し、無理やり振袖を着させてな・・・・・衆人の見ている前でその無理やり着させた着物も再び無理やり引ん剥き、白足袋以外一糸まとわぬ姿で緊縛し凌辱、性愛奴隷に調教してやる。彼らは豊満な美しい女体に変化したばかりの己の肉体でもって嫌というほど女となったことを自覚させ女の哀しみ、悦びを味あわせてやるのだ。
彼らは己の豊満な美しい肉体、たとえば豊満な乳房、豊かなまろやかな双臀、桃色の濡れた秘部で過去のやった事を償わさせられ、女らしさ、お淑やかさを訓育されるのだ・・・」
男の顔に再び淫靡な表情が浮かんだ・・・
「そしてその計画も今や実働段階に入った!」
男の熱弁は終わることを知らない。やくざ者はあっけにとられ男を見ていた。
「「私立白百合学園」。今度新しく設立されるこの女子高はただの女子高ではない。
犯罪を犯した少年達を矯正することを目的としている・・・その不良少年達を美少女に・・・・女子高生に強制性転換してな・・・もちろんTVプロジェクトを使って肉体的に完全に女性化・・・それは生理もあり妊娠可能になるまで女性化することだが・・・そのようにして作られた人工美少女のみを女学生として教育し調教する学校が今設立されたのだ!つまり「女装子十二陰棒」の女子高生版。それが「私立白百合学園」なのだ!」
そこまで計画は進行していたのか!やくざ者は自分が関わっていたプロジェクトといえあまりも事態の進展具合に空恐ろしくなり始めた。
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「ところで君、良く見ると君も結構ハンサムだな・・人気ホストとして名をあげ、スケこましからこの世界に入り、インテリやくざとして頭角を表わしてきたのも伊達ではない・・」
突然男はやくざ者の顔を覗き込んだ・・・まるで蛇が獲物を舌なめずりして見るように・・・
ま、まさか・・・・この男は・・・自分まで・・・・・
やくざ者は恐怖のあまり身動きできなくなってしまった。
「子供の頃、まるで女の子のようだと言われたことはないか?」
男は淫靡な薄ら笑いを止めようとしない。確かにやくざ者はその男の言う通りかなりの美男子だった。
しかし優男というかどこか女性的な雰囲気を持っていることも確かなのだ。
「な、何をおっしゃるのですか・・・・先生・・・冗談が過ぎますよ・・」
「その君がどこでどう間違えたかこのような無頼の世界に入ってしまった・・」
やくざ者は端正な表情を引きつらせ背広の内側に手を入れた。
いざとなれば、懐の拳銃で男を射殺するつもりだった。
「人生やり直して見ないか?美女に生まれ変わって・・・・」
「何!!」
やくざ者が拳銃を引き抜こうとした時だった。
やくざ者の全身を高圧電流が貫いた。
気を失う寸前に後ろを見ると、自分と敵対していた暴力団、蛇頭の組織の男達がスタンガンを持って立っていた。
「昔ね「お竜さん」シリーズという映画があった。現在は歌舞伎界の重鎮の夫人として、そして人気女優の母親として有名な美人女優が演じた代表作だ。女侠客がもろ肌脱いで竜の刺青を見せて演じる立ち回りが大変な人気を博してね、一世を風靡したものさ。
しかしね・・・その女侠客の容姿がちっともやくざらしくないんだ。
美しく、上品で、清楚で・・・・まるでどこか上流階級の御婦人を思わせる上品な美しさだった。その美しい貴婦人が背中に竜の刺青を入れられて、仕方なく女侠客として暴れる。人気の秘訣はここにあったわけさ・・・女侠客のように背中に刺青を入れられた、美しく上品な貴婦人・・・・・君にはそんな女性になってもらうよ」
男の淫靡な笑いが響いた。
「お前は今まで散々女を泣かせてきた・・・今度はてめえが女にされて責められ犯され泣かされるのさ・・・
安心しろ。女になったら俺達がたっぷりと可愛がってやるぜ・・・
お前ならコールガールにしても高く売れそうだ・・・
オークションが今から楽しみだぜ・・・・」
対立組織の男達のあざけるような笑いが聞こえた。
(止めろ!止めてくれ!俺は女になんかなりたくない!)
やくざ者は心の中で必死に叫んだもの、声に出すことすら出来ない。
絶望と悔恨が彼の心を覆った。

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