女装子十二陰棒外伝 作:Z
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「一言いっておくが、この施設がこんな山陰地方の片田舎に設置されたのは決して意味無くしてなされたことではない」
男はその場にいる者達に全員に言った。
「それはこの施設が、今まさにわたしが進めようとしているTVプロジェクトのための、実験施設としてなくてはならない物だからなのだ。」
「TVプロジェクト?何ですか、それは・・・・」
施設長がすっとぼけた顔で男に質問する。男はうんざりしたような顔をした。
「何だ、そこまで説明してやらなければならないのか?
今自分達が行っていることの計画名と、その概要ぐらい確認しておいてもらわなくては困るな。仕方が無い。教えてやる・・・
このプロジェクトの目的とは、各種技術を使い肉体的に完全に男を女に変えることにある。
来るべき地球環境の異変に対処するためどうしても必要なことなのだ。
肉体的に完全に男を女に変えるといっても、それは巷にあふれるニューハーフのような中途半端な作り物ではない。性ホルモン分泌比の操作などにより睾丸切除程度の最小限の外科的手法で男を完全にそれも自然な形で永久的に女性化させてしまうことなのだ。究極的には性遺伝子の変換により子宮も形成させ、生理もありゆえに妊娠、出産可能な完全な女に肉体を転換させてしまうことを目標にしている。」
他の3人は何も言わず、真面目に男の言うことを聞いている。男は続けた。
「そのためには少々違法な人体実験も秘密裏に行わなくてはならない。そしてその実験のための素材、クライアントを確保する必要がある。当然それはうら若きまた眉目秀麗なスタイルの良い男に限られるがな・・・
そして、その素材、クライアントの確保を目的として刑法が改正され、その結果、性犯罪を犯した男に罰として強制性転換を施術することが可能となったのだ。
表向きは被害者の苦しみを思い知らせるため、罰として女性としての苦しみを味合わせる、ということになっているが、TVプロジェクトのための実験体の確保が真の目的なのだ。
そして秘密裏に計画を進めるため、こんな首都圏から遠く離れた、山陰地方の人気のない山奥にここ「女装子十二陰棒」が設立されたのだ」
施設長も担当者も呆然としていた。事態があまりにも常軌を逸していて未だにこの男の言ったことが信じられないのだ。
ただ冴子だけは美しい顔に優しげな、それでいてどこか醒めたような冷ややかな微笑みを浮かべ、その場の様子を見ていた。
「ゆかり、いや冴子君、どうやらわたしは君と博士に・・・
いや、そのTVプロジェクト遂行のための機関にまんまと一杯食わさせられたようだ」
施設長は大きくため息をついた。
「どうもご愁傷様。それでもこのプロジェクトに協力することは、あなたにとって決してマイナスにはならないと思いますよ。」
そう言うと冴子は微かだが一段と魅力的に微笑んだ。
「そうそう、冴子ちゃんのような美しい女性のためならたとえ火の中、水の中・・・
元々、僕は博愛主義者でね・・・・冴子ちゃんが元どうだったなんて全然気にしない。
それよりあなたのような魅力的な美女と一緒に仕事出来るなんて、こんなラッキーなことはないと思っていますよ。」
担当者はそう言いつつ、冴子の美しく豊満な臀部に手を伸ばそうとした。
「あら?お上手ね。でもナンパはお仕事の後にした方が良いのではないかしら?」
そう言うがいなや冴子はいきなりその担当官の手を、薄いピンクのマニキュアで染めた長く美しい爪で思い切りつねり上げた。
美しくほっそりとした指がどきりとするほど魅力的だった。
「いて―!ひどいなー、冴子ちゃん。いきなりつねることはないだろ・・・」
担当者は口を尖らし冴子に言う。
「もっと真面目に業務を遂行しろと言うことだ。お楽しみはそれから後にしろ・・・」
男は担当者をたしなめる。
「こいつはもともと美しい女性には見境なくてね。私も往生しております。」
施設長も呆れたように笑った。
「さて、仕事を始めるか・・・」男が言うと同時にそこにいた者全員が立ち上がった。

仕事といっても施術は翌日行うことになっているので、業務は主に準備作業に費やされた。
施術に必要な薬剤、実験体となる受刑者が疲労し切ってしまわないよう、休息用のベット、栄養剤その他各種薬剤、器具そして経過を記録するためのビデオ、撮影器具等・・・
そして・・・
「済みませーん。この分娩台はどこに置きますか?」スタッフの一人が男に聞いた。
「馬鹿者。しまっとけ、そんな物・・それはまだ必要ない。施術が終わってから後に使用するのだ」男はスタッフにあわてて言った。
「分娩台だとよ・・・・たまらんなー」
「全く何に使うのやら・・・」
「相当変態さんが入っているぜ・・・あの親父・・・」
「クライアントの兄ちゃんも可愛そうに・・・無理やり女に性転換されたあげく、ひひ爺いの慰み物になるとは・・・・・」
スタッフ達はひそひそ話しをしている。
「こらあー!くっちゃべってばかりいないでもっと真面目に働かないか!明日の施術に間に合わなくなるではないか・・」男が怒鳴り声を上げる。
一方では白衣を着た冴子がてきぱきと施術の準備をしていた。
「あ、その薬剤はこちらに・・・・・予備の注射器も忘れないでね・・・あと、クライアントが間違って舌を噛まないように・・・・ガーゼ、脱脂綿は十分に用意して・・・あと長丁場になるのだから、クライアントのための栄養剤だけでなく、自分達の食料も忘れてはだめよ・・」
「冴子ちゃんて女医さんだったんだね。知らなかった・・」担当者が冴子に囁きかける。
この男、よほど冴子が気に入ったのか、打ち合わせ以降一時たりとも冴子の傍から離れようとしない。
「こう見えても医学部出身よ。2年生の時、臨床実習とごまかされ、当時担当教授だった博士に無理やりこの施術を受けさせられたのよ・・・・」
冴子は向こうでスタッフを怒鳴りつけている男をちらりと見て言った。
「その当時は美少年系だからたちまち、博士に目を付けられてしまったんだ・・・・
冴子ちゃんは・・・ということは、ほとんどレイプ・・・・?」担当者が冴子に聞いた。
「当たり前でしょ!それまで全くのノーマルだったんだから・・・
施術を受けさせられ・・・女性化され・・無理やり女性の感覚、言葉使い、仕草まで覚えさせられ強制され・・・この姿で生きていくためとはいえ・・大変だったわ・・」
冴子は少し涙ぐんでいた・・
「ごめん・・・嫌なこと思い出させて・・・しかしそれにしても大変な悪党なんだな・・・
あの親父も・・」担当者は冴子に言った。

準備が終了し男と冴子は施設長に宿泊所まで案内された。
「ほう!和風建築かね。これはなかなか風流だ」
男は感嘆の声を上げた。
それはVIPの来客のために作られた施設で、床の間のついた13畳の座敷と襖をへだてて、8畳の別室がある。
両方とも真新しい畳敷きの部屋だが、座敷の方には茶道が出来るよう炉が切ってあり、普段は畳で隠されている。別室の方には押し入れと作りつけの書棚が、2つの部屋の回りにはぐるりと縁側が回され、その角には雪隠が付いている。
施設の回りはすべてこじんまりとした日本庭園となっており手水鉢、飛び石、枯山水などが配置され、回りを植え込みで囲まれ外は見えない。もっともその施設自体が竹垣の塀で囲まれ外から中を覗くことは出来ないようになっているのだが・・・
「食事は後で係りのものに運ばせます。あと必要なものはインターホンがございますのでなんなりとお申し付け下さい。」
2人を案内した施設長が言った。
「どうだ、冴子君。こういう建築物もなかなか風情があって良い物だろう?」
男は冴子に言った。
「ええ、とても落ち着いた気分になりますわ」冴子が言った。しかし表面上はにこやかに微笑みながらも冴子の心は晴れなかった。男が何を特に自分に対してどのようなみだらな欲望とたくらみを抱いているか判らなかったからだ・・・・
「こういう場所に君のような美女を留袖や訪問着のような着物を着せ和服姿ではべらしてみたいものだな。ところで施設長、この施設を作るには大変お金がかかっただろう?」
男は施設長に言った。
冴子は何も言わなかった。恐れていたことがいよいよ現実味を帯びてきたからだ。
冴子の端正な上品な色白の顔はかすかに引きつっていた。
「いえ、すべて国の補助で作りましたから。そして名目は来賓を迎えるだけでなく、受刑者の教育のための施設ということにもなっております」施設長が答える。
「受刑者の教育のための施設?おいおいそれはまずいな。ここには民間施設とはいいながら国から多額の補助金が下りてきている、というより運営経費はほとんど国の丸抱えだろう。いやしくも公共の金を使っているのだ。調査が入ったときこのような施設は目的外使用の指摘を受けるぞ。まあここの運営には大きな政治力の裏付けがあるので、よっぽどのことがなければ国の調査が入ることはないが・・」男は不信そうな顔をした。
「いえ、目的外ではありません。博士も今おっしゃったではないですか。冴子君のような美女に着物を着せ和服姿ではべらしてみたいものだと・・・そう、この施設は強制女性化を施術した後受刑者に女らしさやおしとやかさを身に付けさせるために、お花、茶道、日本舞踊、お琴などお稽古ごとを習わせるための施設なのです。」
施設長はにやつきながら答えた。
「なるほど、それなら問題ない。うむ、美女に強制性転換された受刑者に無理やり和服を着付けさせ、強制的にそれらのお稽古事を習わさせるのか・・・それは教育効果も上がるだろう。しかしそれだけではあるまい。そのお稽古ごとの合間に、おしとやかな和服姿の性転換美女は何をされるのだ・・・」
男はヒヒヒといういやらしい笑いを浮かべ施設長に訪ねた・・・
「それは博士の方が良くご存知のはず。いいじゃないですか。今度のクライアントにもそのような和装責めを施しては・・・」施設長もいやらしく笑う・・・
「そういえば君の女性化調教の総仕上げも和服姿でしたのだったな。せっかく無理やり着付けられた留袖を無理やり脱がされ全裸にされ、白足袋以外一糸纏わぬ姿で、泣きながら日本舞踊を、裸踊りを踊らさせられ・・・同じく全裸白足袋姿で琴を演奏させられ、泣きじゃくる君の可憐な姿が今でも忘れられないよ。」
男は冴子の方を振り向きにやつきながら言った。冴子はいよいよ絶望的な気持ちに襲われたうなだれる。冴子は何も言わず、細い肩を震わせ、美しい唇を噛み締め、必死に屈辱に耐えながら、美しく上品な顔を紅涙で濡らしすすり泣いていた。
そしてその晩、その離れからは若い女性の悲鳴が数分間響いた後、しゃくりあげる様な艶やかなすすり泣きの声がもれてきた。

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