女装子十二陰棒 外伝  作:Z
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その日ある男がその施設を訪れた。
男は事務所に立ち寄ることなく直接奥にある独房に赴いた。
独房の奥には一人の受刑者が全裸のまま両手両足を大の字に鎖で縛り付けられている。
「この男か?今回この施術対象となるのは・・」男は施設の担当者に聞いた。
「はい。博士の今回の実験の実験体としては最適と思いましたので」
担当者は答える。
「ご苦労。良く選んでくれた。なるほどこれは最適の素材だ。なかなかの美形だ。顔も、スタイルもいいし、特にこの滑らかな肌、まるで女の肌のようだ・・・・きっと素晴らしい美女に変身することだろう・・・」
そう舌なめずりしながら、男はまるで競にかけられた家畜を吟味するかのように、受刑者の独房に監禁されているため白くなってしまった肌にさわり、乳首、引き締まった臀部、陰茎、菊門と次々にまさぐる。
受刑者はおぞましさと恐怖のあまり叫びだしたくなった。しかしギャグボールで口をふさがれているので、しゃべることが出来ない。
ただ端正な顔をゆがめ、身悶えして悲嘆の涙を流すしかないのだ。
「おうおう、そんなに嬉しいのか。よしよし、私がお前を飛び切りのいい女にしたてあげてやるからな。今は男であるお前から見たら飛びつきたくなるような美女にだ・・・しかしその時はお前はすでに女・・・・心配するな・・・
その時は私がお前をたっぷりと可愛がってやる。」
男は受刑者に嫌らしく囁く。受刑者はあまりのおぞましさに身をよじりすすり泣く。
「しかし、博士本当に可能なんですか?外科手術無しに男を女に性転換することなんて・・・・ただ女性ホルモン注射だけでは一時的なもの、どうしても睾丸削除、シリコン注入による豊胸手術、また造膣など女性化のための本格的外科的施術は必要だと思いますが・・・」担当者が男に尋ねる。
「馬鹿め・・・今の医学技術の進展の度合を知らないのか。現在、性ホルモン分泌比の変更により相当のところまで、男の肉体を永久的に女体に変えることが可能になってきているのだ・・・臓器、筋肉、内分泌器官だけでなく骨格までな・・・・将来的には遺伝子操作により男に妊娠させることも可能になるだろう」男は担当者に言った。
担当者は黙っていた。驚きのあまり絶句したのでもあろうか。
受刑者はかすかに震えている。ここは独房といっても空調、冷暖房が完備されており裸でも寒くはないはずなのだ。
受刑者の震えているのは寒さによるものではないことは明らかだった。

施設の事務室、男が施設長、担当者相手に話をしていた。
「施術は明日にでも行う。ところで予備知識として聞いておきたいのだが、男の場合、男性ホルモン、テストロンが睾丸から分泌されている他に、少量だが女性ホルモン、エストロゲンが分泌されていることは知っているな。このことを利用して最近、女性化技術が飛躍的に発達をとげたのだが・・・そのエストロゲンがどこから分泌されているか知っているか?」
男は担当者に尋ねた。
「・・・・分りません」
おずおずと担当者は答えた。施設長が思わず顔をしかめる。
男の心証が悪くなることを恐れたのであろう。そこまでの施設関係者を恐れさせるこの男の正体とは・・・
「何だそんなことも知らないのか。たまには医学書とまでは言わないが関係のサイトでも覗け。常識だぞ!いいか、答えは副腎皮質、脳下垂体だ。そして実は睾丸からもごくわずかだがエストロゲンが分泌されている」
施設長、担当者とも驚いたような顔をする。男は続ける。
「これらの器官にある施術を行うことにより、エストロゲンの分泌量を飛躍的に増大させることができるのだ。特に副腎皮質。ここにその施術を施すことにより男性ホルモン、テストロンの分泌を抑制し女性ホルモン、エストロゲンを大量に分泌するようになる。つまりその時点でこの器官は女性ホルモンを専門に分泌する卵巣と同じ役割を果たすようになるのだ!」
施設長、担当者は両方とも興奮し始めた。
「驚くのはまだ早い。」男は続ける。
「睾丸は程なく消滅してしまう。」
「消滅!?無くなってしまうのですか?」
施設長、担当者とも驚いて聞き返す。
「そうだ。CTスキャン等で確認しても影も形も無いぐらい睾丸は綺麗に完全に消滅してしまうのだ。出鱈目を言っているのではない。これは実験等で確認済だ。」
「・・・・・」驚きのあまり二人とも何も言えなかった。
「代わりといっては何だか卵巣が胎内に形成されるな」
「ええっ・・」
再度衝撃が二人を襲う。この男の言っていることは誇大妄想ではないだろうか?二人ともまるで狐にでもだまされているのではないだろうかと己の精神状態を疑い出した。しかし男はそのような二人の様子などお構いなしに一人で話を進めていく。
「この施術後ほど無くして股間に割れ目が出来、女性器が形作られ始めるのだ・・その奥には卵巣が形成される」
「えっ」施設長、担当者両方に衝撃が走る。
「自然にですか?」施設長が興奮しながら再度男に尋ねる。
「そうだこの施術には遺伝子操作も含んでいるので、自然に卵巣及び膣が形成されていくのだ、ただ初期段階では子宮を形成させ卵子を放出させるつまり生理を起こさせるまでには至らなかったため、妊娠は不可能だったが・・・もっとも将来的には可能となるだろうが・・・」
「なるほど・・・それでも胎内に新しく形成された卵巣から大量に分泌された女性ホルモンが・・・・」施設長が興奮おさまらない様子で言った。
「男の肉体を着実に女性化して行く。肌は肌目細やかに滑らかに喉仏もなくなり首もほっそりして・・・乳房は当然丸く大きく豊満に膨らみ、ウエストは締まり、骨格構造も女の物に変化していくのだ・・」
「手足がほっそりして肩も撫で方になるということですか?」
「それ以上に肋骨の位置が上に上がり間隔が狭まるため、ウエストがくびれてくる。そして骨盤が大きくなることにより臀部も大きく豊満に膨らんでくるのだ。そして不思議なことだが身長が少し短縮される。動物実験も含め今までの実験結果から必ずそのような現象が起きている。短縮幅は2cmから5cm。おそらく成長ホルモンとの関係だろう・・最も骨といっても一旦成長が終わっても必ずしも固定的なものではない。解剖学上からみても骨格構造の変化はいくらでも起こりうるのだ。特に身長は背骨によって決まるからな・・・・」
「すごいですね。それなら外科手術無しに男を女に変えることも可能だ。」
「いや、施術の効果を早期に出させるため、時としては施術に先行して睾丸摘出などの軽い外科手術を行うことはかつてはあったがな」
「睾丸削除摘出」がどこに「軽い外科手術」なのだろうか。
男の話す言葉は完全に常軌を逸していた。
「その方法をあの男に試してみるのですね。」今度は担当者が男に聞いた。
「いや、初期段階の施術法ならもうすでに人体実験は成功している。」
「えっ!」再度施設長、担当者とも驚きの声を上げた。

「冴子君、入っておいで。」男は部屋の外に向かって優しく呼びかけた。
「失礼します。」ドアを開け、白いスーツとタイトスカートを身に着けた髪の長い色白の長身の美女が入ってきた。
肩までかかる漆黒のつややかな長い髪。
吸い込まれるような神秘的まなざしをたたえている、大きな二重まぶたの美しい瞳。
植えたように長くカールされた美しいまつげ。
細く長い三ヶ月型の美しい柳眉。
肌は透き通るように白く、頬は豊かであるが顎はほっそりと尖っている。
まるでマネキン人形のようにツンと少し上向きに向いた形の良い高い鼻。
流れるようなボディライン。
おそらく92cm以上はある豊満なバストとヒップ。
それでいてウエストは絞ったように締まり、ミニのタイトスカートからは、
キュッと足首が締まり、すらりとした美しく長い脚線美が伸びている。
上品で理知的な美しさをたたえた美女がそこにいた。
施設長はこの美女に見覚えがあった。
ただどこであったのかはなかなか思い出せなかった。
「紹介しよう。西島冴子君だ。今回のプロジェクトにおいてわたしの助手を務めてくれる。
身分は一応国家官庁に勤めるキャリア組のエリートとだけ言っておこう。」
男は二人に美女をそう紹介した。
その時だった。施設長が声を上げた。
「あっ!お前はあの銀座のクラブのホステス!そうだ思い出したぞ・・・・
たしか源氏名はゆかりと言ったな。あの店のNO1だとか言っていたが・・・
どこがキャリア組のエリートだ?博士!気を付けなければいけませんよ。
この女、大変な女狐ですから・・」
「ほう、そこまでいきり立つとは・・・
施設長・・・かつて冴子君と何かあったな?」
男は施設長をからかう様に言った。
「何かあるも何も、この女はわたしに気のあるそぶりを見せてさんざん貢がせておいて、あげくの果てに機密まで漏らさせ、そのことが発覚しわたしは法務省を辞めさせられ、こんな私設の刑務所所長まで落ちぶれたんだ!」施設長は恨みのこもった声で叫んだ。
「ははは・・・それは君が悪い。先程も言ったろ?この冴子君は国家官庁に勤めるキャリア組のエリートだと・・・しかたがない、教えてやろう。この冴子君は内閣調査室の捜査官なんだ。」男は笑って言った。
「え、それならば・・・」施設長は泣きそうな顔をした。
「リストラされても仕方が無いな。内閣調査室の捜査官なら潜入捜査として何処に潜りこんでいるかわからない。その捜査官にぺらぺら機密を漏らしたんだ。懲戒免職にならなかっただけでも幸運というものだな」男は続けた。
「いやですわ。博士ったら・・・・」美女は妖艶に笑った。
「しかもそのとき冴子君がクラブのホステスに身をやつしていたのは、潜入捜査のためではない。女性化訓練のためなのだ。
なぜなら冴子君こそが、先程わたしが言った実験の成功例第1号なのだ・・・」
施設長と担当者に衝撃が走った。
まさか、この清楚でたおやかな美女が・・・
「ま、まさか・・・・こんなに綺麗な女性が・・・元は男性なんですか!?」
担当者が驚きの声を上げる。その声はかなり上擦っていた。
「ただし冴子君に施術したのは初期だったので先程も言った通り、先行して睾丸摘出は行ったがな・・・」男は薄ら笑いを浮かべ美女をなめるように見ながら言う。
「もう・・・・あからさまにおっしゃらないで。失礼な方ね。」
微笑みながら美女は言った。
ドキッとするほどの美しさだった。

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