フェイクガール  作: 玲
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『フェイクガール・フェイク1』 6

6.隔靴掻痒っていうけれど、もどかしいほど快感倍増。

ぱんぱかぱ〜ん。ついに僕は頭から爪先まで、完全に拘束固定され、すべての動き
を封じられてしまいました。感激です。おめでとう。上から下まで総チェックして
みる。どこもかしこもギュウギュウガッチリ。ピクリとも動かせない。わお。えく
せれんと。あ、あった。ペニスと肛門括約筋。ここだけは自由に動かせる。って、
性処理用具としてはあたりまえだし。

「最高だ。嗚呼、夢みたいだ。僕のような醜い男は、一生夢想だけして死んでいく
んだと思ってた。こ、この、て、手で、だ、抱きしめて、こ、こんなことまでさせ
てもらって、それでも受け入れてもらえるなんて。き、君は、き、君は、僕の、て、
天使だ」

突然、がばと抱きしめられた。お〜い。泣いてるんですか。純情なご主人様だなあ。
僕は男だけど、母性本能刺激されちゃうぞ。ほんとうにいままでひとりぼっちだっ
たんだろうなあ。そう思うと、なんだか胸がキュンとした。

過去に二人、おつきあいした男性がいる。いま思い返せば、どちらも受け身で、望
まれたから望まれるままに身をまかせるというおつきあいだった。僕自身から積極
的に行動することもなかったし、なにより僕の心の底が強く揺すぶられる、という
ことはなかったように思う。

もちろん、行為の最中は自己暗示的に相手を好きなんだと思いこもうとしたし、相
手の満足のために努力は惜しまなかったけれど、それはどこか反射的で自動的なも
のだった。マゾというのはとても自己中心的な動物で、なにせ受け身だから、自分
と自分に加えられる刺激だけの世界に自己完結しやすい。

相手はただの「ゴシュジンサマ」という記号になり、即物的な刺激だけ、肉体的な
繋がりだけの関係になりやすい。それがどうして、豚男さんにこれほど心動かされ
るのか、不思議だった。

とまれ、全身拘束されて頭の中がピンク色になっているいまの僕では、考えても無
駄。ただ、馬鹿なゴム頭でもわかったことがひとつある。心情的に共感していると、
興奮しやすく、より感じやすくなるってこと。嬉しい発見だった。とりあえずいま
は、豚男さんのことを憎からず思う自分がいることで、変態マゾの快感が増すのだ
からよしとしよう。

「これは感謝の印だ。気に入ってくれるといいんだけど」

釣りあげられた魚のように跳ね上がっているペニスが握られた。ああん。そのまま
しごいてくれないかな〜、という期待は報われなかったけど、この状態で握られる
と嬉しい。

・・・と、なにやら筒状のものがすっぽりと被せられた。内側には半球状のイボの
ようなものが環状に配置されていて、鬱血した海綿体にめりこみ、ごりごりと擦れ
る。痛いほどだったが、もどかしさに狂っているいまは、呻き声が出るほどの快さ
だった。といっても全頭マスクのあちこちからガス漏れみたいに呼気が抜けるだけ
で、声にはならないけどね。

もうひと擦りで、いっちゃいそう。と、内心でお願いしたが、筒の底がガードルの
穴に捩じこまれて固定されちまいやがった。くっそ〜。生殺しです。とまれ、ペニ
スは筒に補助され凛々しく宙に聳え立った。我慢汁だらだら垂れ流しているだろう
なあ。

再びペニスが握られた。あうん。なんだろ。尿道口に何かがわずかに差しこまれた。
にゅるっと粘るジェル状のものが尿道に注入される。冷たい。尿道口を押し広げて、
ジェルが膀胱にまで流れこんできた。うひゅう。ひや〜。初めての感覚。でも、嫌
いじゃない。勃起し続けのペニスに心地いい。

なるほど、小型の浣腸器の先だったんだ。その先が外れたと思ったら、今度はとて
つもなく太く感じるパイプが尿道に押しつけられた。ペンほどの太さがあるパイプ
が、尿道口をめいっぱい押し広げながら侵入してくる。痛いというか、焼けるとい
うか、尿道の薄い粘膜が張りつめ、破れちゃいそうな痛みには閉口したけれど、痛
みだけじゃなく、粘膜を擦りあげられる快感もあった。

それにしても太いよ。豚男さんが僕の反応をうかがいながら、そろりそろりと差し
こむものだから、いやに長引く。ついに先端が膀胱に届き、膀胱内に数センチほど
頭を入れたところで、亀頭側では、パイプと一体化しているんだろうキャップが、
僕の亀頭の全体を包み込んだ。鰓まですっぽりとキャップが嵌り込んでるようだ。

亀頭粘膜の感覚が、なぜかゴムではなく金属のキャップだと伝えてくる。亀頭キャ
ップは厚みがあり、重かった。固定された筒具が支えてくれてなかったら、キャッ
プの重みでうなだれてしまっただろう。そして亀頭キャップが押しつけられると、
筒と亀頭キャップがガッシーンと合体した。

キャップの先端に穴があり、そこにおそらく浣腸器だろう先がカチンと押し詰めら
れた。空気が送りこまれたのだと思う。膀胱内に侵入しているパイプの末端部が、
ぷぅっと膨らむのを感じた。バルーンカテーテルというものだ。これでなにをして
もパイプが抜け落ちることはない。

膀胱内で膨らんだ風船の感触をうきうきと味わっていると、なんだか尿道と膀胱が
むずむず熱痒くなってきた。そのむず痒さがどんどん大きくなってきて、いてもた
ってもいられなくなってきた。といっても動けないのだから立ってるしかないんだ
けど。

括約筋を蠕動させ、ペニスをひくつかせると、尿道とパイプがほんのわずか擦れて
むず痒さが和らぎ、快感のかけらみたいなものが生じる。けれど、なんとももどか
しい。それでもむず痒さが悶々と沸いてきて、なにもしないではいられない。ペニ
スは内に芯を入れられ、外側も包まれて、もう勝手に動くことができない。

ペニスの自由さえ奪われたわけで、感無量。いったい何が始まるのか興味津々とは
いえ、痒みはあいかわらずで、意識のほとんどは痒みに支配されてる。

「さあできた。尿道が、か、痒いだろうけど、もうちょっと辛抱して。二人の、き、
記念すべき初結合のために、君の、ち、腸内をお掃除しなくちゃならないからね」

腸内は今朝完璧に洗浄済だといいたかったけれど、もちろんいえない。アヌスに潤
滑油が塗られ、太めのパイプが挿入された。潤滑油などなしでも楽々だよ、といい
たかったけれど、これもいえずじまい。

ポンプの稼働する音とともに微温湯が流れこんでくる。直腸がゆっくり膨らみ、そ
のうちS字結腸の関門を抜けて、大腸に流れこむ。あとはぐるぐる〜っと大腸内を
逆流してゆく。おなじみの感覚だった。ただ今回は衣装と装具で下腹が圧迫されて
いるから、苦しさが5割増し。

もちろん、この苦しさは変態マゾの僕にとって、愉悦なんだけれど。シャワーによ
る高圧急速浣腸に馴染んでいる僕にとって、この洗腸マシンの水量は、あまりにも
まだるっこしかった。

前は火のように痒く、後ろはじわじわと重い。ダブルの欲求不満で叫び出したくな
った。で、叫んでみると、マスクの左右と後ろと頂の呼吸穴から、ぷしゅ〜っと音
にならない息が漏れただけ。

ふえ〜ん。さすがに痒みは快感に置き換えずらい。拘束されて身体のどこかが痒く
なったときは、しばらく耐えていれば痒みが消えていくものなんだけど、薬で強制
的に引き起こされた痒みだから、薬自体がなくなるまで効果は続いてしまうんだよ
なあ。

ようやく、注入の規定量に達したようで、お腹の圧力が急速に減じた。僕の腸の注
入限界の半分にも満たない感じだったが、いまは早いに越したことはない。

「なんだ、き、きれいじゃないか。そうか、自分でお掃除してきたんだね。て、手
間が省けた」

そうなんです〜。だからお尻はもういいから〜。おチンチン、もう堪らないんです。
なんとかして〜。と念じていたら、なんとお尻の中にジェルが注入されてしまった。
どう考えても尿道のジェルと同じ感触。しかもこっちは馬にでもするのかってくら
い大量だった。ひんやりどろどろ。アメーバみたいに大腸にまで流れこんでくる。

「後ろに椅子を置いた。頭の吊りを緩めるから、椅子に座ってくれるかい」

といわれたけど、あの〜、脚は関節が固定されているんですけど。と、腰の両脇に
なにか、おそらく鍵のようなものを差しこまれ、カチンとなにかが外れる音がした。
両膝もおなじようにカチン。そしてカラカラと頭を吊っている鎖が緩むと、あら不
思議、股関節も膝も、軋みながらも自由に曲がる。あっさりと、お尻が椅子のクッ
ションに埋まった。

「足を思いっきり開いて」

いやらしいポーズ。もうどうにでもして、のポーズです。股間丸見え。片脚ずつ持
ちあげられ、太股が胸につきそうなくらい折り畳まれた。お腹が圧迫されて苦し〜。
そこで再びロックされる。もう足を動かせない。ちょっと驚き。これは凄い仕組み
だと感心する。これが開脚ガードルの所以なわけだ。

デッサン人形のように、僕の身体は彼の望むままのポーズを強制されるというわけ。
もう片脚が同じように畳まれロックされる。再び石のように固められたわけだ。頭
の鎖が外され、今度はコルセットの背部、尾てい骨付近に引っかけられた。鎖が巻
きあがってゆくと、僕の身体は前に倒れる。ほぼ水平となって宙に浮き、揺れなが
らゆっくりと回転した。

その頃には、尻の中も痒さの火事になっていた。僕の意識は、ほとんどすべてが括
約筋を緩急させ、痒みをわずかでも解消することだけに向けられていた。が、意識
のはじっこで、ゴム人形にされて屈辱的なポーズで宙吊りにされ、不浄の肛門をさ
らけだしたまま、なすすべもなく回転している自分の姿を思い浮かべ、その鳥肌が
立つような変態的至福に酔っていた。

そして・・・お尻ががっしりと押さえつけられ、僕の回転が止まった。さあいよい
よだという気持ちが、自分でも驚くほど急速に膨れあがり、期待と興奮で痒みさえ
一瞬忘れる。

「さあ、いくよ。ひとつになるんだ」

豚男さんの鼻息がブゥブゥとせわしない。いらっしゃいませ〜。僕はマスクの中で
満面の笑みを浮かべていた。

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