女にされた   作:摩火

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女にされた90

裕次郎の手術の跡は今やすっかり癒えていた。
半ば強制的に作られた女性器はもはや本物の女とまったく見分けがつかないくらいになっている。
しばらく残っていたかすかな痛みもいつの間にかなくなっていた。
「そう言えば、先生から言われたセックス解禁日って今日じゃあなかったっけ。」
純子ママが裕次郎に言った。
「ええ、そうなの。今日から大丈夫って言われているわ。」
裕次郎は化粧を落とす手を止めて鏡越しに純子ママを見ながら言った。
「そう、で、やっぱり処女は古田さんに差し上げるんでしょ?」
その言葉に裕次郎の白い頬がパッと赤くなる。
「まあ、恥ずかしがっているの。やっぱり女の子ね。」
純子ママが裕次郎をからかう。
「だってぇー」
受け答えもすっかり女性のものとなった裕次郎は恥ずかしげに体をくねらせた。
裕次郎は性転換手術後はずっと古田のマンションに同棲していた。
裕次郎のOLとしての稼ぎも、ライク・レディでの収入もその大半が古田の懐に入っている。そのために古田は裕次郎と同棲を始めたのだが、裕次郎は自分が古田に愛されている結果と思い込もうとしている。
もっとも古田のほうも多少情が移っていない訳ではない。
その証拠に、毎日のように裕次郎の体を求めた。
古田のセックスのテクニックは絶品だった。
古田の手によってどんどん開発される裕次郎の女体としての性感帯は今や全身に広まっている。
古田の手が裕次郎の腰や尻や胸にかかるたびに、裕次郎はあられもない快楽のうめきをあげてしまう。
そして裕次郎のアヌスに古田のペニスが侵入する度に、この世のものとは思えないほどの快感に打ち震え、失神寸前までいってしまう裕次郎だった。
「いいわねぇ、今晩が楽しみね。うんと古田さんに可愛がってもらうのよ。」
純子ママはそう言って裕次郎をライク・レディから送り出した。
もう夜の2時をまわり、歓楽街とはいえあっちこっちにたむろするよっぱらいも数が少なくなっている。
裕次郎はいつものようにタクシーを使って古田と住んでいるマンションに戻ってきた。
玄関のドアを開けると、そこに見慣れぬ靴が二足あるのに気がついた。
一足は男物のスニーカー、そしてもう一足は女物のミュールだった。
部屋の奥からはにぎやかな男女の笑い声が聞こえている。
「ただいま。」
こんな時間に誰が来ているのだろうと不審に思いながらも裕次郎は部屋の中に声をかけた。
そしておそるおそる居間へ行き、中を覗いた。

 

女にされた91

部屋の中の全員が裕次郎を一斉に見る。
「あっ、宏美!」
思わず驚きの声を上げたのは裕次郎だった。
そこには派手な格好をした娘の宏美がいたのだ。
宏美はしばらく見ないうちに化粧も服装もすっかり派手になっていた。髪も金髪に染め上げている。
そして、裕次郎が驚いたことに、古田の舎弟である乱暴物のサブの体にしなだれかかっているのだ。
「ええっーっこれがパパなのー、うっそーっ、信じらんない。」
宏美が素っ頓狂な声を出した。
居間に思いがけない人物を見て、思わず娘の名前を呼んでしまった裕次郎だったが、宏美のその言葉に、今の自分の姿を思い出してしまう。
今の裕次郎の姿はとても娘には見せられないものだった。
黄色のミニのフレアースカートに同色のタンクトップ姿の裕次郎の胸は、その白い乳房の谷間がくっきりと判るほどだった。
この服装は今日古田に処女を上げるために、入念に選んだものだった。古田の好みに合わせ、胸とヒップのふくらみを強調し、よりセクシーに見えるようにと着てきたものだった。
しかし、その服装も思いがけない娘の出現の前に、とても恥ずかしいものに一瞬にして変わってしまった。
「えっー、パパー、何、その胸は、本当に性転換しちゃったのぉー」
宏美は裕次郎を見ながらなおも驚きの声を張り上げる。
酒が入っているせいだろうか、宏美は半分ふざけたような顔つきだった。
「そうそう、お前のパパは数ヶ月前に性転換しちまったんだ。なあ、そうだろう、愛嬢ちゃん。」
サブがニヤニヤしながら宏美に言った。
「ええっー、ほんとぉー、じゃああたし、これからパパのことをママと呼ばなくちゃあならないの?」
宏美もニヤニヤしながらサブに向かってわざとらしい口調で言った。
「そうだ、もうキンタマもちんちんも、何にもないからなぁ。あるのはおっぱいとオマンコだから、ママと呼ぶしかないだろうなぁ。」
古田が横から口を出した。
「でも、ママが二人なんてやっぱ変だよ。女の子としてはあたしの妹分なんだから、愛って呼ぼうかなぁ、そうしたらあたしのこともお姉ちゃんって呼んでもらうきゃないよ。」
宏美は裕次郎が性転換したことを別に深刻に受け止めていないようだった。そしてさんざん軽口をたたいている。
その口調は、裕次郎を馬鹿にし蔑んでいるかのようだった。そのわざとらしい驚き様や口調は、裕次郎がとうに性転換されたことを知っていることを表わしていた。
「じゃあ、これで決まりね。愛、こっちへおいで。あたしのそばへ」
宏美は自分の隣の座布団を指し示した。

女にされた92

裕次郎は逡巡していた。どこか変だった。自分が性転換されたことを知ったら、娘の宏美は大きなショックを受けると思っていた。そのためにもう二度と宏美には会わないほうがいいのではとまで思いつめていた。それが裕次郎を見てもむしろ平然としており、軽口までたたいている。
「はやく座ってよ愛、女の子同士でしょ。なに恥ずかしがっているのよ。」
その言葉にヤクザ達が含み笑いをする。
裕次郎はフラフラと宏美の隣まで行った。
「キャッ!」
その声は、いきなり宏美にスカートをまくられた裕次郎の悲鳴だった。
「わぁー、すっかり女の子しちゃってるんじゃん。パンティーも可愛いピンクぅ」
酔っ払っているのか、宏美が裕次郎を徹底的にコケにする。
「知っているわよ、愛、これから古田さんに女の子の大切なものあげるんだって?だから勝負下着穿いて来たんでしょ。」
宏美は裕次郎が誰にも知られたくないことをズケズケと大声で言った。
「まったく、とんだ淫乱パパよね。女としてセックスしたくって性転換しちゃったんでしょ。これじゃあ父親失格よね。」
・ ・・ち、違う、パパは、パパはお前を助けたくて、こんな体にされてしまったんだ・・・違う・・・・
裕次郎は反論しようとした。しかし、宏美はペラペラと怒涛のように喋り捲り、口を挟む余裕すらない。
「見たわよ、あの最初のビデオ。お尻の穴だけでもういきなり雌犬のようにさかりまくっちゃって、もう恥ずかしいったらありゃあしないわよ。父親が淫乱のニューハーフの娼婦だなんて、恥ずかしくて友達にも言えやあしない。」
宏美は裕次郎をわざと傷つけるかのように痛烈な言葉を次々と発した。
恥じ入り、どんどん真っ赤になっていく裕次郎を男達が面白そうに見ている。
「それから、念を押しておきますけどね、いくら淫乱の売春婦だからって、あたしのサブちゃんには絶対に手を出さないでよ。もしやったらマジで殺すからね。」
宏美は喋りながらどんどん激情してくるようだった。
ある意味では似たもの同士がくっついたとでも言えるのかもしれない。しかし、裕次郎はその言葉で、はじめて宏美とサブができているらしいことに気がついた。
売春婦とか娼婦とか言って自分の父親を責めたくせに宏美は実はソープで働いていた。そしてヒモ状態のサブにその稼ぎの大半を貢いでいるのだ。
裕次郎のわが身を犠牲にした献身は実は実りのないものとなってしまっていた。しかし、裕次郎はまだその事実を知らない。
「よしよし、親子喧嘩というか、姉妹喧嘩はそれくらいにしとけや。今日はせっかく愛がオレのために処女を捧げると言ってるんだから、さっさと片付けして布団敷けや。ああ、それからサブと宏美は今日泊まるからな。その分の布団も居間に敷いてやれや。」
古田の兄貴が裕次郎に命令した。
裕次郎は宏美と目をあわせられない状態のまま主婦まがいの仕事をせざるをえなかった。

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