女にされた   作:摩火

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女にされた74

「うん、でもどうせろくなものじゃあないわよ。あの連中のやることだから。」
うんざりした声で裕次郎が言った。
「見よう、見よう、開けて見よう」
興味しんしんといった表情でみどりが裕次郎をせかした。
乗り気うすそうに裕次郎は床に紙袋を置くと中の包みを開け始めた。
最初に出てきたのはパンストだった。明日から着ることになるOLの制服に合わせたのだろう、黒のパンストが1ダースばかり出てきた。
次の袋からはオレンジのキャミソールとパンティのセットが出てきた。
・ ・・やっぱり、こういう類のものだと思った・・・
裕次郎は深くため息をついた。
その他、出てきたのはマニキュアのセットやら口紅やら化粧水やらの化粧品類があった。しかし極め付きは金岡課長がくれたプレゼントだった。
それは2又に分かれたグロテスクなバイブレーターだった。それと一緒にセクシーなスケスケのネグリジェも入っていた。
・ ・・か、課長のヤツ、昼休みにこんなものを買いに行っていたのか・・・
それはどう見てもポルノショップでしか手に入らないものだった。
裕次郎はうんざりしたような表情でその女性用の品物の山を見た。
「あら、よかったじゃない、会社でもお店でも使えそうなものばっかりじゃあない。」
みどりは裕次郎の気持ちを知ってか知らずかそんな感想を口にする。
その時ドアが開いて純子ママが顔を出した。
「あら、愛ちゃんまだ着替えとお化粧済んでいなかったの、早くして、愛ちゃんの御指名今日もすでに4人ばかり入っているわよ。」
裕次郎は深くため息をつくと、今日で着るのが最後となるだろう背広を脱ぎ始めた。


翌日の朝、裕次郎はやはり玄関前で迷っていた。
今日の裕次郎は黒のおとなしめのスカートに白いブラウス、そして紺のカーデガンを羽織っている。
この服装は事情を説明された純子ママが用意してくれたものだった。
まだ髪の長さが中途半端だったために裕次郎の頭にはセミロングの鬘がかぶせられていた。そしてストッキングに包まれた足は本当の女性のようにスラリと細く伸び、その足先には黒いミュールが履かれていた。
つまり頭の先からつま先まで完全に女の格好だった。
この格好で会社に入っていくのは勇気がいった。
しかし、いつまでもグズグスしていれば、それだけ会社の同僚の目にとまる可能性は高くなってくる。
裕次郎は意を決して会社の中に入っていった。


女にされた75

「おはようございます。」
見慣れた会社の警備員の態度が気のせいかニヤニヤしているようにも感じられる。
裕次郎はすれ違う人全部が自分のことを知ってニヤニヤしているような感覚に襲われた。
「見ろよ、あれが・・・」
「・・・えっ、そうなの・・・去勢まで・・・」
「美人じゃん・・・本当に性転換・・・」
「・・・若社長がもうやっちまったみたい・・・」
そんなヒソヒソ話が途切れ途切れに裕次郎の耳に飛び込んできた。
実は裕次郎は知らなかったのだが、小さい商事会社ということもあり、一日で裕次郎のことは社員全員が知るところととなってしまっていたのだ。
裕次郎は顔を真っ赤にしながら小走りでエレベーターに飛び込んだ。
「お嬢さん、何階ですか、おっと失礼、今日から秘書室でしたよね。じゃあ、最上階っと。」
先にエレベーターに乗っていた顔見知りの男子社員が裕次郎の顔を覗き込みながら「お嬢さん」という言葉をわざと強調して最上階のボタンを押した。
今の裕次郎にはその男子社員を睨みつける勇気もない。ただじっとうつむいているだけだった。
ただ、裕次郎をからかう社員ばかりではなかった。中には裕次郎をいたわるように声をかけてくれる社員もいる。
「原さん、よく決心したわね、がんばってね、応援しているから。」
そんな声を聞きながらも裕次郎はなんと答えていいのか分からなかった。
エレベーターが最上階にたどり着いたときにはもう全員が下の階で降りてしまい、裕次郎ただ一人だけが残っていた。
エレベーターを降りると、昨日の受付の秘書がもう先に来ていた。
「おはようございます。原さん。」
秘書が笑顔で挨拶をしてくる。
「お、おはようございます。」
ドキマギしながら裕次郎も挨拶を返した。

女にされた76

「これから一緒に働けるのは嬉しいわ。秘書室は初めてでしょうから、色々と教える役目を若社長から言い付かっています。つまり、会社のお仕事のこととか女のお仕事とかをね。」
秘書はウフフと含み笑いをした。
・ ・・やっぱりか、やっぱりこの女も社長のお手付きの一人なんだな・・・
裕次郎は直感的に思った。
・ ・・秘書室は若社長のハーレムって噂、本当だったんだ、とすると、オレはそのハーレムの愛人の一人って訳か・・・
「申し遅れましたが、私は西野和美って言います。よろしくね。」
西野和美は裕次郎を一番奥の更衣室に案内した。
「ロッカーはここ3番を使ってね。」
西野和美に指示されたロッカーはやたら大きかった。
そのロッカーのドアを開くと、中には女物の衣装が何点も入っていた。
「あの、西野さん」
「なあに、原さん」
「あのう、中に誰かの服が入っているんですけど・・・」
まさかと思いながらも裕次郎は西野和美に聞いた。
「あら、それは原さんの制服よ。私達秘書はその日のお仕事の内容によって何種類かの制服を着替えるの。もっとも普段は昨日原さんも支給された会社の制服を着用しますけどね。」
そう言われて裕次郎は薄暗いロッカーの中をもう一度覗き込んだ。
一着はスリットの切れ込みがやたら長そうなオレンジを基調としたチャイナドレスだった。
もう一着はどう見てもメイドの衣装だった。
そして最後の一着はバニーガールの衣装だった。
・ ・・一体会社でこんなもの着るのか?なんて会社なんだここは・・・
「その服はね、お客様をおもてなしする時に着るの。時々このフロアーでお得意様招いてパーティやるのよ」
裕次郎の考えを悟ったのか、西野和美が言った。
「でね、お客様が私達を気に入ってくださると、奥の部屋でご奉仕さしあげることもあるの。」
西野和美は裕次郎が驚愕するようなことを話した。
「えっ、ご奉仕って・・・ここで、会社の中でやっちゃうってこと?」
「まあ、やっちゃうなんてはしたない。それにやっちゃうじゃあなくて、お客様にシテいただけるって言わなくちゃあ駄目じゃない。」
ここに来て、ようやく裕次郎は秘書室の正体が分かってきた。
それは若社長のハーレムなんて生易しいものではなかった。ハーレムどころかその実態は風俗店顔負けの売春組織のようなものだったのだ。


女にされた77

若社長がニューハーフの風俗で働いている裕次郎をクビにはせずに秘書室に配置転換したのも別にハーレムの愛人にするつもりではなく、会社ぐるみの売春組織の売春婦にするつもりだったのだ。
・ ・・まったく、なんてえ会社だ・・・
裕次郎はショックを通り越してただただあきれ返るばかりだった。
どうやらこれで裕次郎は昼も夜も娼婦同然の生活を強いられることとなってしまったようだった。


「愛ちゃん、今日お注射の日でしょ、雨でお客さんも少ないから今日は早あがりして森先生の所へ言ってきなさいな。」
純子ママは客を送り出した後の裕次郎にむかってそう言った。
「はい、純子ママ、じゃあこれから先生のところへ行ってきます。」
裕次郎は何気ない仕草も言葉つきも日を追うごとにどんどん女らしくなっている。
今もさんざん媚態と嬌態たっぷりに愛想を振り撒き、客に「また、いらしてね」とそこらの風俗嬢顔負けの仕草で送り出したばかりだった。
これは女性ホルモンと一日中女性として、娼婦として生活しているためにすっかりそれが板についてきたせいなのに違いなかった。
裕次郎は早速更衣室で今まで着ていたセーラー服を脱いで、セクシーなキャミソールとスカートに着替えた。
髪はもう自毛が長く伸びており、今更ながら鬘の必要はない。その髪を裕次郎は美容院でギャザー風にカットしてもらっている。
鏡の中にはキュートな魅力を発散させている可愛く若い女性が居た。
去勢のせいなのか、以前は多少険のある顔立ちが、今では柔和な女性らしいものにすっかり変わっている。
裕次郎は普通の女性のように化粧を鏡で確認してからバックを持って店を出た。
以前はカメラマンヤクザが監視も兼ねて車で送り迎えしていたのだか゛、今では裕次郎の逃亡の恐れなしと見たのか、会社の通勤も病院で女性ホルモンの注射を受けさせるのも監視がつくことはない。
今の裕次郎は逃亡どころか、女性としての生活、そしてニューハーフ娼婦としての生活をすっかり楽しんでいるように見える。
裕次郎はタクシーを使って、いつもの病院の前に着いた。
夜10時をまわっている事もあり、あたりは人影が少なく真っ暗になっている。
それでも何度も夜中にこの病院を訪れたことのある裕次郎は病院の裏口から中に入っていった。
一室だけ明かりのついている診察室、そこに例の医者がいた。
「センセ、こんばんは。今日は早く来ちゃった。」
ドアを開け、中を覗き込みながら裕次郎は甘えたような声を出した。
「ああ、連絡ママに貰って待っていたよ。」
医者は机の上になにやら本を広げて調べ物をしているようだった。
裕次郎はその医者の前の椅子に足を揃えて座った。

女にされた78

「ねえ、なに見ていたの。」
医者の本を覗き込みながら裕次郎は言った。
その本には写真やら何かの図解やらがびっしりと印刷されいてる。どうやら手術の説明書らしかった。
「ああ、これか、これはお前に行なうオペの解説書だよ。」
医者が真顔で言った。
「えっ、オペって・・・」
嫌な予感が裕次郎を襲った。
「オペって、手術のことだよ。愛に施す豊胸と性転換の手術」
・ ・・豊胸と性転換!マジかよ・・・
裕次郎は言葉もなく医者の顔と本の両方を見た。何とも言えぬ複雑な気持ちが裕次郎の心を横切る。
「実はこないだか純子ママから相談があってね、お前に性転換手術したいんだが、是非協力してくれないかってね。」
「ええっ、ウソでしょう?だってママ何も言っていなかったしぃ」
とは言え、裕次郎にも純子ママの言動に思い当たるフシがないとも言えない。
それは古田の兄貴の言動だった。
古田の兄貴は裕次郎の処女を奪って以来、すっかり裕次郎の情夫となっていた。その古田の兄貴が最近ことあるごとに裕次郎に性転換を迫っているのだ。
「はよう手術しておまんこ作れや、そうしたらもっと可愛がってやる。」
裕次郎のアヌスを貫くたびに古田の兄貴はそう言って裕次郎に性転換をすすめた。
セックスされている随喜をおぼれながらもその度に裕次郎の心は揺れた。
毎日のようにセックスしていれば情も移るというものだ。それに裕次郎は今では女性にではなく、男性に対して性的対象を求めるようになってしまっていた。
・ ・・どうしよう、いっそこのまま性転換して女として生きようか、そうすれば古田さんにずっとずっと可愛がってもらえる。古田さんの奥さんになってお世話するのもいいかも・・・
そんなことを毎日のように考えてしまう裕次郎だった。
「どうするね、愛もすっかり女が板についてきたし、いっそのこと思い切って性転換してみてはどうかね。わしもそろそろ愛のアヌスに飽きてきたことだし」
医者は裕次郎の膨らんでいるキャミソールの胸を揉み始めた。
そう、いつの頃からか裕次郎はここで女性ホルモンの注射を受けるたびに医者のペニスも受け入れるようになっていた。
「あん、センセ、もうしたいの?」
裕次郎は身をくねらせながらベッドに向かった。そしてスルリとパンティーを脱ぎ、ベットに両手をついて身をかがめじっと待った。

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