女にされた  17〜20 作:摩火

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女にされた17

・ ・・い、医者・・・
まさに裕次郎の目の前に現れたのはどこから見ても医者以外の何者でもなかった。
「先生、起こしちまってすみません。こいつ純子ママのところで働くって言うんで、その決心が変わらないうちに例のアレ、やっちまってくれませんかい。」
医者は眠たそうな目をしばたいた。
「・・・また、こんな明け方に、古田さんもまあよくやるわなぁ・・・」
医者は裕次郎を一瞥するとブツブツつぶやきながらも言った。
どうやら兄貴分は古田という名前らしかった。
「先生、また来週上物のヘロ入りますから、そうしたらまた届けますよ。」
古田の兄貴分が言った。
どうやら医者は麻薬中毒で、古田達ヤクザからヤクを調達しているらしかった。
「それから、今回はタマヌキしてているところビデオに撮りますからよろしく。」
古田の兄貴が合図すると、運転手をやっていたヤクザがビデオカメラをさっと構えた。
「ああ、撮るのは構わんが、俺の顔を映さないようにしてくれよ・・・今から用意するから、服を脱がして分娩台に固定してくれんか。」
医者はけだるそうな身振りでヤクザ達に指示を出した。
愕然としている裕次郎のピンクのバスローブが抵抗する間もなく脱がされ、部屋の中央に備え付けられている椅子に乱暴に座らされた。そのシーンをビデオカメラは撮りつづけた。
先ほど歯医者の診療台と思ったものは似て非なるものだった。
裕次郎は男性だったからそれが何なのか分からなくても無理はなかったのだが、その椅子は産婦人科医が出産時の分娩に使う分娩台だったのだ。
裕次郎はあれよあれよという間に膝を分娩台から突き出ている固定バーにのせられ、ベルトでしっかりと固定されてしまった。
・ ・・う、うそだろう・・・こんな・・・
先ほど裕次郎は宏美を卑劣なレイプから救うために、自分が体を売ることを約束した。しかし心の底では本当にそう決心した訳ではなかったのだ。とりあえず最悪の事態になるのを少しでも先に延ばし、その間に逃げ出す算段が取れるかもしれないと一縷の望みを抱いていたのだ。
それがそんなヒマもないくらい、まず自分が去勢されようとしている。
裕次郎が固定されている椅子の背が不意にぐーうっと倒れた。
医者が分娩台の電動のフットボタンを押して、椅子の背もたれを水平にしたのだった。
その結果、裕次郎は仰向けになり、両足だけが膝を曲げた状態で上に広げられてしまった。
それは妊婦の出産時の姿勢であり、男としてははなはだ屈辱的な格好であった。そして股間をさらけ出したその姿をビデオカメラは克明に記録していく。


女にされた18

「・・・まったく、ナースいないからこんなことまでやらなくちゃあならん・・・」
医者はまだブツブツ言いながら手の中で石鹸の入った器をかき回していた。そして剥き出しになった裕次郎の股間に石鹸を塗りたくった。
その石鹸液のヒヤッとした感触がいよいよ裕次郎が窮地に立ったことを指し示した。
今度は医者はカミソリを手にすると裕次郎の陰嚢を持ち上げた。
ジョリジョリと音を立てて医者が手際よく裕次郎の陰部の毛をカミソリでそり落としていく。
・ ・・これはやっぱり夢だ、こんなことが現実に起きる訳ないもんな・・・
裕次郎はそう思いこもうとした。そう思いこもうとすると、なんだか回りに起こっている出来事全体が夢の中のような非現実的なことのような気がしてきた。
・・・なんだか自分が遠いところに居て、誰かの体に変なことをしようとしている。
裕次郎の精神はいまや自分の身に降りかかっていることが他人事のように思える離人症とも言える状態になってきていた。
それは限界まで来た裕次郎の心がとりあえず選択した避難所だったのかもしれない。
今や裕次郎の股間はまったくの毛がないツルツルの状態にされていた。
・ ・・ふうーん、毛がないチンチンってグロテスクで意外とでかく見えるなぁ・・・
もはや精神が麻痺してしまった裕次郎は、のんきにも無毛の自分の股間を眺めながらそんなことを考えていた。
裕次郎の心の奥ではヤバイ、ヤバイ、ハヤクニゲロ!という叫び声がかすかに響いていた。しかし、今の精神状態の裕次郎にはその声はどこか遠くのうるさいハエの羽音ぐらいにしか感じられなかったのだ。
「古田さん、今度からはすぐにオペじゃなく、事前に検査する時間も半日は与えてもらわないと。じゃないと、適合しない麻酔があってヘタすれば死ぬ可能性もあるから。」
今度は医者は注射器に薬液を満たしながら兄貴分のヤクザに言った。
「わかった、わかった、わかったからとっととやっちまってくれや。」
何かと苦情を並べ立てる医者を、古田の兄貴分は適当にあしらっていた。
色々文句を並べても、結局医者は麻薬中毒という最大の弱みを古田に握られていた。結局言うことを聞かざるを得ないのだ。事実この医者はブツブツ文句を言いながらも今までに何件もの非合法な手術をしていたのだ。もはや彼もまたどっぷりと泥沼にはまり込んでしまい、抜け出すことができなくなっていた。
裕次郎の股間にたっぷりと消毒用の薬液が振り掛けられた。
次に麻酔用の注射が陰嚢を中心に3箇所に打たれた。
「麻酔が効くまで5-6分、酒好きだと麻酔の利きが悪い可能性あるからその時は追加の注射打つから。」
医者は裕次郎に説明した。
裕次郎はといえば、その医者の言葉をどこか遠くから、まるでテレビを通して見ているような感じで聞いていた。

女にされた19

「よう、これからキンタマ抜かれるのって、どんな感じだ?おめえは男じゃなくなるんだぜ、怖いだろうな、ヒヒヒ、それとも女になれるんで嬉しいか?」
サブがビデオカメラを意識してか、無粋にも裕次郎にちょっかいをかけてきた。
しかし、裕次郎はそんなサブの言葉が耳に入らないかのように空ろな表情を崩さなかった。
「ちっ、こいつ壊れやがったか。」
忌々しげにサブが舌打ちをした。
裕次郎が恐怖の表情を見せたり、何らかのアクションをおこせばサブもからかいがいがあるというものだ。しかし発狂した状態の人間を嘲笑してもあまり面白いものではない。
「まあ、弱い人間なら発狂するかもな、数日経っても元に戻らなければ仕方がない、バラして海にでも捨てるしかねえな。」
古田の兄貴分が物騒な言葉を吐いた。
「・・・よし、そろそろいいかな。」
医者がつぶやきながら手術用の手袋をした手で裕次郎の股間を掴みグイッと持ち上げた。
「どうだ、何か感じるか?」
医者は裕次郎の顔を覗き込んだ。しかし裕次郎は相変わらず無言で空ろな表情を浮かべたままだった。
「ほら、何とか言え!」
サブが裕次郎の頬を平手で2-3回ピシャピシャと叩く。
するとようやく裕次郎の口からかすかな呟くような声が聞こえた。
「いえ、痛くありません。」
どうやら裕次郎はわずかながらもその正気を保ちつづけているようだった。
「よし、じゃあオペするよ。」
裕次郎の言葉に満足したのか、医者は横に置いてあった台からメスを取り上げた。
そして手馴れた手つきで、裕次郎の無毛の陰嚢2箇所に僅か2センチほどの切れ目を入れた。
切り込み口が小さいせいか、意外と出血は少ない。
次に医者はメスを置くと、陰嚢に両手を添え睾丸を搾り出すようにしごいた。
中から白っぽい睾丸がヌルッと飛び出して来る。
ビデオカメラがそのシーンを逐一ズームで捉えるためにグッと近寄ってきた。
裕次郎は仰向けにされているために、自分の股間に加えられているその理不尽で非道な手術を見ていなかった。
しかし、自分の内臓がなんだか下にグゥーッと引っ張られるような感覚だけは感じた。
だが、今の裕次郎にとってはそれはどうでもいいことのように思われた。
ただ単に白い天井を見上げ、病院の天井はなんで白しかないんだろうというような関係ないことを考えていた。
それは哀れにも睾丸を抜かれ、去勢されているという現実から目をそむける事ができるただ一つの方法だった。

女にされた20

「よし、次は結索と・・・摘出・・・っと」
医者の独り言が聞こえてくる。
次の瞬間、パチン、パチンと音がして、裕次郎の股間にかすかな痛みが走った。
それは手術用のはさみで裕次郎の睾丸が非情にも体内から切り離された音だった。
僅かに顔をしかめた裕次郎の表情を今度はビデオカメラが大写しにする。
ビデオカメラを持ったヤクザは映像製作の経験があるのか要所要所を的確に記録していた。そして次に膿盆に放り込まれ、多少血の付着した裕次郎の2つの睾丸にそのレンズを向ける。
「ほい、摘出終了、あとは縫合っと・・・消毒っと」
また医者の独り言がしんと静まり返った明け方の診察室内に響いた。
縫合はあっという間に終わった。いや、睾丸の摘出手術があっという間に終わったと言うべきだろう。
「終わった終わった、お嬢ちゃん、終わったぜ、これでお前も晴れて女の仲間入りだな。タマヌキの記念にパンティーでも買ってやろうか、それともブラジャーにするか?」
サブがまたいやらしい笑い声と共に裕次郎に屈辱の言葉を投げつけた。
「いや、まだパイオツがないから、ブラジャーは無理だろう、もっともこれから娼婦として女の性技を覚えてもらわにゃならんから、先ずはネグリジェあたりを買ってやった方がいいんじゃあないか。」
古田の兄貴分も手術が無事済んだ安心感からか、軽口をたたいた。その言葉に全員がヒヒヒと笑った。
医者はといえば、摘出され膿盆に載せられた睾丸をわざわざ裕次郎の目の前に持ってきた。
分娩台の椅子の背もたれが電動のモーターの音と共に起き上がった。
「ほら、おねえちゃん、これが摘出したあんたの睾丸だよ、どうするね、記念に持っていくならホルマリンの瓶に入れてあげるけど」
医者も調子にのって裕次郎をすっかり女あつかいしてる。
裕次郎は元は自分の体の一部だった血の付着した2個の塊を目の前に突きつけられ、どうしたらいいか分からなくなっていた。
裕次郎の精神は判断力も思考力も止まっていた。
困ったような顔で医者と膿盆を交互に見る裕次郎にサブは言った。
「そりゃあ一生の記念に貰っておかなけりゃあな、もう二度と男に戻ることも出来ないし、こうなったら女になったことを毎日実感できるようにどっか身近なところに飾っておけや。」
どうあってもサブは裕次郎をいたぶり続けるつもりのようだった。
「ところで先生、女性ホルモン打つの忘れていませんかい。せっかくタマヌキしてめでたく女になったんだから、うんと濃い女性ホルモンバンバン打ってやって下さいよ。そして早いとこスケベなボインボインの体にして下さいよ。」
「ボインボインとはまた古い、しかしそうだなあ」

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